花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

チャレンジ!地元の食材で食生活

2011年08月24日 | 医療・健康・食生活・衣生活
少し前、TVでカナダの田舎町に住む有志グループが実験的に取り組んだ「100マイルチャレンジ~100日」のドキュメンタリー番組が、4回に渡って放送されたのを見た。
とても興味深かったので、少し長くなるがここに内容を報告したい。

そのミッションは2人の男女がリーダーとなって、地域の人々に参加を呼びかけた所から始まった。
数家族、20人程が参加を名乗り出た。
最初の会合でリーダーは言った。「この町から100マイル以内で生産された食品だけを食べる生活を100日続けます。例外は認められません。」と。100マイルとは160kmだ。
100マイル以内で生産されていない食品として、小麦粉、砂糖、コーヒー、チョコレート、テキーラなどがあった。

参加者の中には、ジャンクフード(ハンバーガー、インスタントラーメン、スナック菓子、アイスクリームなどの様に、高エネルギーだがその他の栄養素が少ない『ガラクタ』食品の事)ばかり食べて来た14歳の娘や、妻が料理は苦手なために結婚以来夫だけがやり、妻はできた料理を食べるだけという中年夫婦、レシピが無ければ料理ができない主婦と全く料理をしたことが無い夫という組み合わせの夫婦もいた。
また、夫の食生活を何とかしたいと思って参加した妻だったが、厳しいルールを前に2日目で夫が脱落してしまい、グループを離れなければならなかった家族も出た。

いよいよ取り組みが開始した。
どの家族も最初の2週間位は、じゃが芋と卵、限られた野菜のサラダ、ミルク、紅茶程度の変化のない食事を続けていた。

そのうちにコーヒーを飲みたくて、代わりとなる植物の根を探しに行き、炒って代用のコーヒーを作る女性が現れた。
また、無い砂糖の代わりに蜂蜜業者を訪ねて蜂蜜を採取した家族や、飼育していた羊を殺して肉にして食べた酪農家もいた。
リーダー2人は、必死に小麦の栽培農家を探した。やっと見つけた農家だったが、大半の小麦はすでに納入先が決まっていたため、実際に少ししか手に入らず、製粉した小麦粉はわずかなものでグループ員を落胆させた。しかし手に入ったその貴重な小麦粉でパンを焼いたり、パスタを作って食べる家族も出た。
そのうち、何とか必要な小麦粉が100マイル以内で見つかって、小麦粉の問題は解決した。

取り組む内、レシピ通りの料理しか作れなかった主婦は、料理人の手ほどきを得ることで手元にある食材で工夫して料理を作る事ができる様になった。そればかりでなく、家族で協力して庭を耕し、種を蒔き、楽しみながら野菜の自給の努力をし始める家族が現れた。親と一緒に野菜を育てた子供たちは、「庭の野菜が1番美味しい。」と言い出した。
ジャンクフードが中心だった酪農家の娘は、それらを食べなくなり、自分と同じ少数民族の家族を訪ねて、地元で獲れる鮭の伝統料理の作り方を教えて貰うなど、民族の食文化を知った。
リンゴ園に家族で出かけて採って来たリンゴでケーキを焼き、料理を作る家族もいた。

また、皆で時々集まって経験を紹介し合ったり、料理を持ち寄って食べたり、料理作りの会をする中で、お互いに学び合い、食材を手に入れる情報を交換し、料理の知識、技術が高められ、食生活に関心が高まって行った。

食材探しと料理の工夫、努力を続けた100日間の挑戦が済んだ時、多くの大人の体重は10~20kgも減っていた。
大人たちは100日間飲めなかったコーヒーを入れて舌つづみを打ったが、もう以前の様な加工食品が中心の自主性の無い食生活には二度と戻らないと話した。子供たちもジャンクフードから解放されていた。

私はこのドキュメンタリーを見て、地元にある食材を中心にした「地産地消」の食生活は、人々の生活観を変え、生活そのものを変えて行く事が手に取る様に分かって興味深かった。
私も庭で色々な野菜を育てたり、農園で友人たちと野菜栽培をしているが、それは改めて大きな意味がある事なのだと思った。(勿論、栽培ができる土地がある私は、恵まれていると思っているが)
また、現在の日本は食糧自給率が40%を切っているが、この地産地消の食生活を目指す取り組みは私達日本人こそ努力するべきなのではと思った。
ロシアでもドイツでも勤労者達は、以前から週末には家族で郊外の家庭菜園に出かけて農作業をすることが当たり前なのだそうだ。菜園は安価で売られたり、借地が用意されているそうだ。
最近、私の町でも、市民農園や農家が貸し出す家庭菜園があちこちにあり、人気があるのは良い事だと思う。
NHKTVでは今年、ベランダのプランターで育てる野菜の作り方を放送しているが、とても良い啓発番組だと思う。

最後になるが、番組の中で指輪を3つもしたままの手で料理をする人達がいるのを見て不潔だと感じたし、全く料理をしない女性が存在すること、また、肉料理一つをとっても色々な材料でその上を飾りたてる所などがカナダらしいと思った。
と同時に、毎日の食生活こそ、家族全員が参加して行う事で絆が強まるのだと、改めて感じた番組でもあった。


コメント
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