≪最初に仏教が伝来した町「アヌラダープラ」②≫
②「スリー・マハー菩提樹」
ここの菩提樹は、紀元前3世紀にインドのアショーカ王の王女が、仏陀が悟りを開いたとされる「ブッダガヤの菩提樹の分け木」を運んで来て植え付けたものだという。
時々雨が降っていたが、次々と参詣する人が訪れていた。また入り口に座り、長い間じっと頭を垂れて身動きしないお年寄り達もいた。
そこには、私が日本の寺で目にする雰囲気とは違うものがあった。
ガイドが参道の花売りから買った睡蓮の花を私達に1本ずつ渡してくれた。花だけ摘んで大仏の前の献花台に供えた。
裏に回って菩提樹の傍に行った。樹齢2300年の幹から幾つもの枝が出ていた。
③「ルワンウェリ・サーヤ大塔」
菩提樹の寺院からこの寺院までは1km程の街路樹が並ぶ石畳の歩道が続いていた。その両側は草地になっていたが、牛やヤギが放牧されていた。その傍に白鷺が沢山舞い降りていた。
間も無く見えて来た大きな塔は、紀元前2世紀に当時のドゥッタガーマニー王が建設したという高さ55mもの水泡状の塔だ。この王は侵略して来た「タミル軍」を追い返した事でも有名だ。
綺麗な白色だが、ガイドに聞くと「毎年、塗装している。」と言っていた。
白いブラウスとスカートを着た女性達のグループが、参詣していた。
昨日はとてもショックな事があった。
車で大型スーパーに行った帰りにガソリンスタンドに寄ったのだが、財布がない。それどころか、車の何処を見ても財布が入ったショルダーバッグ自体がないのだ。
ハッと気がついた。ついさっき、スーパーの食品売り場レジ傍の台に置いて来たかも知れないことを。
売り出しの卵や肉などを買った荷物の袋が3個になり、それを両手で持ったらバッグを忘れてしまったのだ。
慌ててスタンドの店員に話してスーパーに電話をした。聞くと届いていた。あり難い!!
急いでスーパーに引き返した。
保安係りの部屋に通された。
担当者に「15分程前に食品のレジ付近に忘れました。色は黒で、中に入っている財布は茶色。財布の中には私名義の貯金通帳、クレジットカード、免許証、健康健康保健証などが入っています。」と並べ立てた。
すると私のバッグを出して来て、「免許証があったので、本人確認ができます。中を確かめて下さい。」と言われた。
無くなった物は何もなし。やっと気持ちが落ち着いたが、すごく恥ずかしかった。
「届けてくれた方は、分りますか。お礼がしたいので。」というと、「店員なので心配はいりません。」との事。
現金の他に貯金通帳が入っていたので、数ヶ月間の生活費に当たる金額が無くなるところだったのだ。何て平和な町で親切な店員なのかと感激した。
それにしてもハンドバッグを忘れてしまうなんて初めてだ…。ショックで自分に自信が無くなった。
今後は気を引き締めて、忘れ物が無いようにしたい。