≪働く女性をほとんど見かけなかったが、現実は…≫
今まで訪れたイスラム教系の国々では、女性は男性の庇護の下、深窓の奥でひっそりと家事と育児、年寄りの世話をしている姿が見て取れた。
町に出る際は、家族以外の男性の目を避けるために「スカーフ」と「外套」や長い「チャドル」を身にまとって、顔だけ、あるいは目だけ、中には目も網で覆った姿で歩かねばならないから、自ずと社会的な役割を果たす事は難しい。
それに比べ男性は、短パン以外なら上は半袖シャツ1枚の涼しい快適な服装をしている人が大半だった。(最初に入ったレストランで「水タバコ」を吸っていた男性の一人は、何と下着姿だった)
次の話は専属のスルーガイド氏から聞いた話である。
『バスの座席は前が男性、後ろが女性だ。
プールは男女別に作られていて、女性は水着なら泳げる。しかし、気温が50度を超える真夏、北の「カスピ海」に面した町の海水浴場が賑わうが、そこでは海の中にカーテンが張られて、遊泳場所が男女別に分かれている。しかもそこでも女性は、服を着て泳がなければならない。』
『TVドラマでは、最近韓国ドラマが増えているが、男女が接近する場面はカットされている。』
『また、イランの女子サッカーチームは「スカーフ」をして競技に出る。』
街中には「宗教警察」がいて、歩いている女性の中に「スカーフ」から髪が1本出ていても取り締まる。』
『最近は情報がどんどん入って来る様になって、今までの考え方が急に違って来た。
「楽で高給な仕事」を求める若者が増えた。現実にはそんな仕事は無いから、無職の若者が増えて、親に金をせびる。
昔は父親が絶対だったが、子どもの言いなりになる親が増えた。そうでない場合は親子喧嘩が始る。
そんな訳で40~50代の親世代とその子どもに、断絶が生じている。』
『結局、男性1人の経済力では家族の生活を支えられないから、ここ20年で働く女性も増えて来た。現在の大学生の65%が女性、35%が男性だ。』
『経済力を持った女性は、何か問題があると離婚したがる。
30年前までは、25歳までに女性は結婚していた。今は、30歳過ぎた未婚の女性や40歳以上の未婚の男性が沢山いる。
未婚女性の理想の男性は、車を持ち、高給を取り、背が高く、親が居ない男性だというが、そんな男性は現実はいないので、結婚できないのだ。』
ガイド氏の説明を聞いていて、女性の方が大学進学率がかけ離れて高いというのも信じ難かったし、実際に私が働く女性を見かけたのは「テヘラン空港」の案内係りと個人経営の小さなレストランの女主人の2人だけだったので、実はどうなのかを知る事はできなかった。しかし、話の内容からは、今の日本の現実を「イラン」も追って来ている様に私には思えた。
これから高等教育を受ける女性が徐々に社会的な役割を果たし始めると、男女の関係に変化が現れるに違いない。そして時間がかかるかも知れないが、多くの女性が経済的に自立するようになると、今までの固定化された閉鎖的な女性の生き方は変わり、やがて社会そのものも変化して行くだろうと思った。
今回の「イラン」は情報が少ない国だったが、思い切って行って本当に良かったと思っている。できればいつかもう一度行って見たい国だと思っている。
長い報告記事になったが、庭仕事をしながらやっと書き終えて安堵している。
ブログ上で共に旅をしてくれた方々は「イラン」という国をどの様に感じただろうか。
(完)
今まで訪れたイスラム教系の国々では、女性は男性の庇護の下、深窓の奥でひっそりと家事と育児、年寄りの世話をしている姿が見て取れた。
町に出る際は、家族以外の男性の目を避けるために「スカーフ」と「外套」や長い「チャドル」を身にまとって、顔だけ、あるいは目だけ、中には目も網で覆った姿で歩かねばならないから、自ずと社会的な役割を果たす事は難しい。
それに比べ男性は、短パン以外なら上は半袖シャツ1枚の涼しい快適な服装をしている人が大半だった。(最初に入ったレストランで「水タバコ」を吸っていた男性の一人は、何と下着姿だった)
次の話は専属のスルーガイド氏から聞いた話である。
『バスの座席は前が男性、後ろが女性だ。
プールは男女別に作られていて、女性は水着なら泳げる。しかし、気温が50度を超える真夏、北の「カスピ海」に面した町の海水浴場が賑わうが、そこでは海の中にカーテンが張られて、遊泳場所が男女別に分かれている。しかもそこでも女性は、服を着て泳がなければならない。』
『TVドラマでは、最近韓国ドラマが増えているが、男女が接近する場面はカットされている。』
『また、イランの女子サッカーチームは「スカーフ」をして競技に出る。』
街中には「宗教警察」がいて、歩いている女性の中に「スカーフ」から髪が1本出ていても取り締まる。』
『最近は情報がどんどん入って来る様になって、今までの考え方が急に違って来た。
「楽で高給な仕事」を求める若者が増えた。現実にはそんな仕事は無いから、無職の若者が増えて、親に金をせびる。
昔は父親が絶対だったが、子どもの言いなりになる親が増えた。そうでない場合は親子喧嘩が始る。
そんな訳で40~50代の親世代とその子どもに、断絶が生じている。』
『結局、男性1人の経済力では家族の生活を支えられないから、ここ20年で働く女性も増えて来た。現在の大学生の65%が女性、35%が男性だ。』
『経済力を持った女性は、何か問題があると離婚したがる。
30年前までは、25歳までに女性は結婚していた。今は、30歳過ぎた未婚の女性や40歳以上の未婚の男性が沢山いる。
未婚女性の理想の男性は、車を持ち、高給を取り、背が高く、親が居ない男性だというが、そんな男性は現実はいないので、結婚できないのだ。』
ガイド氏の説明を聞いていて、女性の方が大学進学率がかけ離れて高いというのも信じ難かったし、実際に私が働く女性を見かけたのは「テヘラン空港」の案内係りと個人経営の小さなレストランの女主人の2人だけだったので、実はどうなのかを知る事はできなかった。しかし、話の内容からは、今の日本の現実を「イラン」も追って来ている様に私には思えた。
これから高等教育を受ける女性が徐々に社会的な役割を果たし始めると、男女の関係に変化が現れるに違いない。そして時間がかかるかも知れないが、多くの女性が経済的に自立するようになると、今までの固定化された閉鎖的な女性の生き方は変わり、やがて社会そのものも変化して行くだろうと思った。
今回の「イラン」は情報が少ない国だったが、思い切って行って本当に良かったと思っている。できればいつかもう一度行って見たい国だと思っている。
長い報告記事になったが、庭仕事をしながらやっと書き終えて安堵している。
ブログ上で共に旅をしてくれた方々は「イラン」という国をどの様に感じただろうか。
(完)