≪ベトナム最後の「グエン王朝」の首都だった「フエ」≫観光(2)
③「グエン朝の王宮」
ベトナムの「グエン朝」は、1802年から1945年まで13代に渡って続いた。その王宮が残っていた。
広大な庭の2箇所に1803年から作られた9つの大砲が置いてあった。中国の五行思想(火・水・木・金・土に霊力があるという)に基づいて納められたという。実際に使われた事はない。
立派な堀にかかる橋を渡ると王宮門だ。高さ17mの中国式の二層門だった。入り口が3つあり、中央を皇帝が使った。
門を入ると、その向こうに「太和殿」が見えた。北京の「紫禁城」を模倣した平屋の建物だ。
ベトナム戦争中に破壊されたが、1970年に再建されたものだ。さすがに莫大な財を使って作った王宮だった。入り口の柱には、王の象徴である龍の彫刻がされていた。
奥に行くと「閲是堂」があった。皇族だけが楽しんだ宮廷舞踊劇場だという。立派だった。
現在はその宮廷舞踊がユネスコの「世界無形遺産」に登録され、日に4回、有料で公開されているらしい。私達は残念ながら見られなかった。
広大な庭園の南東部に「フラッグタワー」があった。1809年にザーロン帝が建設したという。
木製の旗台は三層になっていて、高さは17.4mあったが、現在のは1969年に鉄筋コンクリートで作り直したもの。
≪ベトナム最後の「グエン王朝」の首都だった「フエ」≫観光(1)
2日目、この日の天候は晴れ。
最高気温は27度位という予報だったので、私は夏服姿をしてバスに乗った。
バスは朝8時半に「ホイアン」のホテルを出て3時間半走り、「ダナン」を越え、更に北の「フエ」に向った。
この辺りは、ベトナム戦争当時までは「南ベトナム」だった土地だ。
途中、川で牡蠣貝を養殖している光景や「フエ」の町の様子が見えた。養殖はオートバイのタイヤを半分に切って使っているようだった。
また、道路沿いにキリスト教の墓があった。フランスに支配されていた時代やベトナム戦争時代の影響なのかも知れないと思った。
「フエ」はベトナム最後の王朝が置かれていた歴史的な町で、「グエン王朝」の栄華を残す建造物群は世界遺産になっている。
①「カイディン帝廟」
先ず最初に向ったのは「カイディン帝廟」だ。
「フエ」はくの字型に流れるフォン川の北西に旧市街があるが、「カイディン帝廟」は南の小高い丘の上にあり、帝廟の上部から町を一望できた。
帝廟を造営したのは、12代目のカイディン帝その人で、西洋趣味を持っていたらしくあちこちに西洋式の建築様式が取り入れられたという。階段は北京の紫禁城を模しているように思えた。
ガイドによると、「統治していた時は悪い皇帝と言われていたが、今は良い皇帝と言われるようになった」そうである。確かに珍しい雰囲気のその廟には、世界中から観光客が沢山来ていた。
石段を登る毎に新たな建造物が現れ、頂上に作られた「帝廟」には「カイディン帝」の坐像が置かれていた。
二階部分には、豪壮な石碑を入れた建物が中央にあり、両側に象や馬、武官達の立像が作られ、廟を守っていた。
「帝廟」の壁は四季の花や鳥を立体的に描いた内部装飾がされていて、それに多くの瀬戸物やガラスがリサイクルされていた。
竹の部分には日本のビール瓶を砕いて埋め込んで作られていた。特別な場所なのにリサイクルしたもので作ったのを見たのは初めてだった。興味深かった。
②昼食は「宮廷料理」
先ずメニューが用意されていて、その順番に料理が出た。
人参を鳳凰鳥に細工して飾り羽の様に料理を盛り付けたのや、果物を台にして肉団子を飾ったりした装飾的な料理が多かった。味は薄味で美味しかったが、今ひとつお腹は一杯にはならなかった。