≪「ホイアン」の観光≫(2)
④「福建会館」
この会館は、旧市街の中程を東西に続く「チャンプー通り」に面していて、中国福建省出身の人達の集会所である。
中には大きな植木鉢が並べられ、安産の女神を祭る寺が作られていて、信者が寄進した大きい渦巻き型線香が沢山吊るしてあった。この線香は火を点けると3週間燃え続けるのだそうだ。
中国出身者達は世界中に「中国人街」を作り、そこが見知らぬ外国であっても互いに助け合って生きている。日本人もかって南米ペルーやブラジルに移民した時、「在住日本人会」を作り、協力して苦難に立ち向かい、小学校を作り、生きて来たと聞く。
日本では今、居住地域ですらどんな人が住んでいるのかも良くは知らなくなってしまった。人が人とのつながりを弱めれば、自分を守ることもできなくなるのだが…
⑤「シクロ」乗車体験
「ホイアン」の旧市街には車は入れない。その代わり観光客用に自転車式の人力車「シクロ」がある。
私達は1人1台の「シクロ」に乗り、旧市街をぐるぐると回ってもらった。
「シクロ」から色々な店やランタン飾りを見た。約20分走って元の場所に戻った時、チップとして1ドルを渡した。時間の割りに安過ぎるように思ったが、これが彼らの生活費になるのだ。
⑥「伝統音楽コンサート」
数人でベトナムの伝統楽器を演奏した。優しい音楽だった。
伝統舞踊も2つ披露された。庶民の水汲みや魚取りなど、日常生活をテーマにしたものだった。
コンサートは30分程だったが、良かった。この間、スコールの様な雨が降ったが、終る頃には上がった。
⑦「ホイアン市場」散策
最終日の午後は自由時間だった。ツアーで主要な場所の見学をしてしまったし疲れたので、改めて6ドル払って総合チケットを買い、5ケ所の見学をする気持ちになれず、旧市街の東部にある「ホイアン市場」に行った。
路上にも露店が出ていたので、沢山の小型店をぶらついた。「川魚」らしきものや「海老」を売っている女性もいた。
また、現地ガイドから「米が原料の「ホー」の麺はダナンに行かないと売っていない。」と言われたが、市場の奥に入って行くと問屋みたいな店があったので聞いたら奥から持って来てくれた。また、時期的に無理らしい「ドライマンゴー」も言うと持って来てくれた。
いずれも定価がないので、一々交渉して買った。
林檎ジャムを作る時に必要な「シナモン」も買った。最後にTシャツ店でTシャツを1枚、土産用に買った。青酸カリで熟成させていない青い「バナナ」も売られていた。この地域の果物は、珍しいものが多かった。
それからぶらぶらしながらホテルまで15分程歩いて、早めに帰った。
これで「中部ベトナム」の観光が終った。
観光は僅か正味3日間だったが、幾つもの変化に富んだ特徴ある場所を見る事ができて満足だった。
ベトナムの人達は、フランス、日本、アメリカと次々と他国に支配されながら、最後はあの過酷なアメリカによる「ベトナム戦争」で全土を攻撃された歴史の中で生きて来た粘り強い勇敢な人たちだが、私達観光客に優しかった。店の価格交渉も楽しかった。
多分、4回目のこのベトナム旅行で、ベトナム行きは最後となるだろうが、今思い出すといずれも良い旅だった。
(完)