今日は、帰国する前日に行った台北市の「忠烈祠」と「故宮博物院」の事に触れたい。
「忠烈祠」は、台湾のために今までに亡くなった人々を、宗教に関係なく祀ってある場所である。
9時から17時まで公開されているが、各正時に衛兵が儀式を行って交代するのだ。
私たちは9時の交代式を見ようと行ったら、門の前には既に沢山の観光客で溢れていた。
ガイドの説明では、忠烈祠の衛兵になる人は、海軍、海兵隊、陸軍、空軍の隊員の中から、身長180cm、体重70kgの20歳前後の若者が選ばれるという。ちなみに台湾の男性は18歳で全員が身体検査を受け、どの部隊に所属するかはくじ引きなのだそうだ。制服の色は所属により異なる。(海軍は黒、空軍は紺、陸軍は緑)
いよいよ9時になると、私が居た門の左側から7人の衛兵が並んで出て来た。
号令を掛けながら正面に行き、それから建物までの結構な道のりを一糸乱れぬ動作をしながら建物まで進んだ。
大勢の見学者は、管理する衛兵に「その人の前に出ないように、帽子は脱ぐように」指示されながら、徐々に行進する7人の衛兵の後を追った。
建物の階段を登ったところで、彼らは独特なパフォーマンスをして中の衛兵と交代した。
任務が終わる衛兵が出て行った後、入り口から建物内を見ることや、衛兵の前で写真を撮ることも認められた。
ガイドは「瞬きも最小限にし、40度近い真夏の炎天下でも自分で流れる汗を拭うこともできず、ひたすらジッと台の上に立ち続けなければならない過酷な任務は、親にしたら見ているだけで泣ける。」と何度も言っていた。
しかしここは台湾の外部への大切な顔の一つなのだろうと私は思った。
「故宮博物院」に収蔵されている歴史的にも文化的にも貴重な655,000点の文物は、かっては北京の紫禁城のコレクションだったものだ。
それを蒋介石が密かに台湾に持ち込んだのだが、その内、常設展で公開されているのは僅か8,000点だけで、残りは高山に掘られたトンネル内に保管されていて、3ヶ月ごとに交換されるのだという。
内部の照明はどこもかなり薄暗くしてあり、カメラ撮影は禁止されている。
私たちは各々、グループ内だけに聞こえる様に調整されたトランシーバーを渡され、中に入った。
ガイドは、台湾の全史を簡単に説明してから、1時間半にわたり実に効率良く、目玉の展示品を紹介・説明してくれた。
私は日本でガイドブックを見て行ったので、小さい「翠玉白菜」や「雕象牙九層塔」などの実物を見て、細部を自分の目で良く確かめる事ができたのは良かった。
台湾は、この文物の時価だけで、国際的な紛争があっても、これからも長い間経済的には生き延びられるだろうと思ったが、良く考えて見たら、みんな「人類の貴重な遺産」なのだった。
写真は2階のベランダで撮ったものだ。
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