2日目、西側を南下して間もなく台中市に着いた。
真っ先に向った所は「宝覚(禅)寺」だった。
ここは日本が統治していた1928年に建てられた寺で、戦前に台中周辺で無くなった14.000人に及ぶ日本人移民の遺骨が奉納されている寺だった。神の使いか1対の大きい白象に守られた建物もあった。
境内には花が供えられた日本人墓地もあった。
墓地の掃除などの世話をボランテアでしているらしい老婦人が、日本語で声をかけて来たので、写真を撮らせてもらった。
さらに敷地の奥に進むと、驚いた事に黄金色に輝く高さ30mもあるらしい弥勒菩薩(布袋)が台座の上に安置されているのを見た時だ。ネットで調べたら、腹部の中が台湾民族文物館になっていて、へそが窓なのだそうだ。
弥勒菩薩の耳と腹に触った人は一生、金持ちになれるらしいが、実物は大き過ぎて触れないので、傍に小さな弥勒菩薩が作られていた。
ガイドの言った、「人間多少のことは気にせずに、この菩薩さまのようにニコニコと笑っていれば、一生幸せでいられます。」という言葉が耳に残った。
また、台湾人には、来世のことよりも現世に利益をもたらす神仏に人気があるのだと思った。
ついでに、台湾人の美意識を見せ付けられた高雄の「蓮池潭」のことを書く。
この池には名前の通り、以前は多くの蓮が植えられていたが、枯れた後の悪臭がひどいという地元住民の陳情を受けて、今では蓮は始末されてしまったそうである。
その大きい池に、巨大な龍と虎の派手に彩色された造形物が作られていた。
龍の口から体内に入り、尻から出て、次には横に並ぶ虎の尻に入る。虎の体内を抜けて、口から出ると、その人のそれまで犯した罪の全てが消され、幸せになれるそうなのだ。ガイドには、順番を決して間違わないように注意された。
おまけに池に掛けられている橋は、魔よけのためにジグザグに作られていたし、入り口には石で作った亀の彫刻が設置されていて、頭から尻尾まで手で触ると大金持ちになれるとされていた。
この場所は大勢の人で混みあっていた。いやはや、これではほとんどの台湾人は、幸せで大金持ちの人生になれる筈だと思った。そして、実に逞しい信仰心だなとも思ったのだった。
(実は私も、亀の背中も撫でたし、龍と虎にも間違いなく入ったので、ちょっぴり残された人生が楽しみになって来たのである。)
動物の体内には多数の天女が舞っている天国と、炎で焼かれるおどろおどろしい地獄の絵などがぎっしりと描かれていた。
池の前には3箇所程の寺が建てられていたが、それもまさに台湾様式のものだった。
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