存在する音楽

ジャンルに関係なく良いと感じた曲は聴く
誰かの心に存在する音楽は
実際に音が鳴っていない時にも聴こえてくることがある

2013,6,11元春レイディオショー

2013-06-11 23:06:36 | 佐野元春
火曜の夜11時は元春レイディオショー

1 The Boy from New York City : The Ad Libs

2 Englishman in New York : Sting

番組前半、ニューヨークについて歌ったレコードを集めています。
続いてはオリジナルBilly Joelの曲を
Ben Sidran(ベン・シドラン)がカバーした曲です。
個人的に僕はこのBen Sidranのカバーが好きですね。

曲の中では、こんなことを歌っています。

休暇を取って地元から出たがる奴もいる
マイアミ・ビーチやハリウッドに飛んだりして
でも僕はハドソン川沿いのグレイ・ハウンドバスに乗っている
僕の心はニューヨークの思いでいっぱいなんだ。

3 New York State Of Mind : Ben Sidran

さて元春レイディオショー、番組では毎月番組推薦盤3枚のCDをピックアップしています。 題して3Picks!
今月ピックアップしたアルバムは、
Josh Rouse: Happiness Waltz
Vampire Weekend: Modern Vampires of the City
John Fogerty: Wrote a Song for Everyone
この3組のアーティストの新作を選びました。
どのレコードも心に響く良いソングライティングと素晴らしいサウンドがあります。
この中から今夜はVampire Weekendのレコードを取り上げてみたいと思います。

Vampire Weekend
米国NY出身のインディー・ロックバンド
メンバーは大学在学中に知り合って、2006年にバンドを結成しました。
現在まで2枚のスタジオ録音アルバムを出しています。
2008年に出したデビューアルバム。これが全世界で大ヒットしました。アフリカのリズムを取り入れたポップサウンドですね。ちょうど80年代に同じニューヨーク出身のバンド、トークング・ヘッズがやっていたようなアプローチをしていました。
ニューヨークのVampire Weekendは現在のバンドですからトークング・ヘッズよりも、もっと直接的でダンサブルなサウンドになっています。
そうですね、僕もNYに居たことがあって、その時に感じたのは、人種に関係なくリズムやビートに凄く人々が関心を持っている ということですね。とにかく世界中から色々な人が集まっていますから、リズムの取り方、グルーブの感じ方は本当に人それぞれという感じです。例えばダウンタウンにあるライブハウスですよね。
そこには様々な地域から集まって来たミュージシャン達がいました。中南米の人もいればアフリカ系の人もいる。ブラジル系の人もいる。勿論白人も居て、僕のようなアジア系もいる。そんな感じですよね。そして、そのライヴハウスでセッションが始まるとそれぞれのリズムでグルーブを作っていく、ってことになります。
そこにはルールもないし、やってはいけないってことは何もありません。最初はバラバラなんですけれど、不思議なことに、これがだんだんまじりあって、何とも言えない新しいグルーブが生まれてくる。NYという街はそのような街なんですよね。様々な人種がそれぞれの文化を持ち寄って他の文化と融合させていく、そこにとてもダイナミックな変化が起こるっていうことですよね。ですので、NYのバンド、例えば、先程 話に出てきたトークング・ヘッズ、あるいはポール・サイモンですね。彼らは、そういうした非欧米の音楽を自分たちの中に取り入れることで新しいものを作り出しました。そうした音楽的な実験もNYならではと言えます。今回取り上げたVampire Weekendもそうした実験をしているグループの一つです。新しいアルバムが出ました。タイトルは「Modern Vampires of the City」今回のニューアルバムはアフリカ音楽の要素というのは大分少なくなってきているみたいです。代わりにリズムはもっとシンプルに音はもっとオーガニックに。そんな風に感じました。それでは早速聴いて見たいと思います。2曲続けます。

4  Everlasting Arms : Vampire Weekend

5 Step : Vampire Weekend

2曲聴いて見ました。

Vampire Weekendの音楽を聴いているとNYのバンドだなーって思います。
僕がNYに居たのは80年代前半、初めてNYマンハッタンに行った時のことよく覚えています。ケネディー空港からタクシーに乗ってマンハッタン市内に至るまでにタクシーに乗っていくんですけれども左側にイースト・リバーを見ながら街に入ります。その時にタクシーのカーラジオから聴こえてきた曲。それはBarbara Lewisの Hello Strangerという曲でした。曲の中ではこんなことを歌っています。

久しぶりね、随分長い間会ってなかったわね。
心が揺れちゃうから、からかったりしないでね。

まあ、そんなこと。 とても切ない歌ですよね。でも僕にとっては、このHello Strangerという曲。
マンハッタンという街が訪問者である僕をやさしく迎えてくれる、そんな挨拶代りの曲に聞こえました。この曲を聴いて見たいと思います。

6 Hello Stranger : Barbara Lewis

1964年のレコード

この後はグリーン・ピープル

元春レイディオショー
音楽に戻って僕の1983年のレコードに移ります

7 スターダスト・キッズ : 佐野元春
僕の1983年のレコード
当時僕は
マンハッタンに居ました。しばらく日本を離れるということで1枚アルバムを出しました。
No Damage
というアルバムを出しました。このアルバムが1位になったということをNYに行ってから知りました。
とても嬉しかったですね。

今年で丁度発売30年を迎えました。今日はNo Damageを特集したと思います。

8 ガラスのジェネレーション : 佐野元春
9 サムデイ : 佐野元春

アルバムリリース30年目を迎えて、アルバムNo Damageを特集しています。
このアルバムを作った当時は僕は26歳でした。当然、洋楽も聴いて国内の音楽も聴いていました。
特に60年代70年代のビートバンドの音楽、そしてシンガー・ソングライターの音楽をよく聴いていました。
ザ・フー、ストーンズ、キンクス、ビートルズ、そしてボブ・ディラン
そうした音楽の特に詩の内容が気になっていました。これらの音楽に共通しているのは大人たちに向けた反抗心ですね。ザ・フーの「マイ・ジェネレーション」、ストーンズの「サティスファクション」、ビートルズの「ヘルプ」
みんな大人たちには痛恨の一撃とも言える名フレームが沢山入っています。
しかし当時国内のポップ音楽を聴いて見るとそうしたご機嫌なロックンロールは殆どありませんでした。
I love you, You love meをテーマにした、いわゆる50年代の
ステレオタイプなロックンロールばかり。そこで僕が自分で曲を書いてみようって思いました。
「ガラスのジェネレーション」 つまらない大人にはなりたくない。
「スターダスト・キッズ」 本当の真実がつかめるまでcarry on
街の子供たちが大人と向き合う時にひとつの武器となるようなラインですね。
このアルバム「No Damage」には、そんなことを考えていた僕の初期の曲がいっぱい詰まったアルバムだと言えます。

僕は何かファンにメッセージを残してNYに行きたいと思って書きました。

12 グッドバイから始めよう : 佐野元春



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