今夜
20:00-21:00
佐野元春40周年記念 佐野元春グレイテストレディオ
【パーソナリティ】
佐野元春
上泉雄一(MBSアナウンサー)
【内容】
40周年を迎えたシンガーソングライター佐野元春さんへのインタビュー特別番組。
MBSきっての佐野元春ファンの上泉アナがリモートで佐野さんにロングインタビュー。
10月にリリースした2組のベスト盤から名曲の数々もオンエアします。
1 ガラスのジェネレーション
上泉:ベスト盤を聴いていて、声は佐野さんの昔の声なんですが、テンポが変えてあったり、新ミックスがあって楽しんで聴いているのですが、製作は楽しかったですか?
佐野:ベスト盤製作は楽しくもあり大変でもあり、あの曲もこの曲も入れたい。
佐野:やっぱりオーディエンスの前で歌いたいですね。
上泉:佐野さんのモチベーションってどうやってるんですか
佐野:その都度その都度です。
上泉:曲を作るのは
佐野:前はメロディーが先だったけれど、最近はリリックが先でリリックが出てくる感じ。
自分の中から出てくるというより上から降ってくる感じ。
曲を書いている最中にアイデアが浮かんできて、そのうちだんだん形が変わってくる。
日常的なことからアイデアが浮かんでくる。例えば、今年は雨が多かった。夏が短かった。「今日は東京も雨が降ってる」ってところから始まる。
上泉:佐野さんの曲って雨に関するものも多いですよね。雨を待ってる感じもあったり。
佐野:雨にもいろいろありますけど、豪雨は嫌です。情緒を感じるしとしと降るとか、さめざめとだったり。が好きですね。
状況としては、例えばとある町の中のコーヒーショップで、ガラス窓に雨が優しく打ち付けてる感じとか、その店内では優しいジャズが流れているとかが良いです。
新譜について
どんどん曲は出来ているんだけれども、その曲は
バンドのアルバムに入れるか、ソロアルバムに入れるかって
考えています。基準はソロアルバムにはパーソナルな心情を入れた曲を、バンドのアルバムはみんなに表現したいなって思う曲です。
2 レインボー・イン・マイ・ソウル
上泉:今の状況で佐野さんは何か変わったこととかありますか
佐野:考えることが多くなって、考えることが楽しい。よく考えて行動するようになった。
上泉:コンサートが再開されて、佐野さんの第一声って何かとファンは気になっているんだろうと思うんですが
佐野:そうなの?
上泉:いやあ久しぶりとかですか、ご無沙汰してますとか。
佐野:じゃあ、そう言います。
コンサートでしか経験できないことってありますから、ライヴをしたいですね。
上泉:「エンターテインメント」は、この前、TVでの演奏がありましたけれど、皆さんの前ではもう演奏されましたか?
佐野:いいえ、まだやっていないんですよ。
3 エンターテインメント
上泉:では聞いてみたい率直な質問を 今、佐野さんが欲しいものってありますか?
佐野:炭酸入浴剤ですね
上泉:そういうものを拘ったりするんですか?
佐野:余分な香りがついてない方が良い。こだわりはないですね。どれが良いかなんかわからない。
上泉:では、今、この瞬間、食べたいものは?
佐野:もちもちとした餃子
上泉:イメージしてなかったですが、ビールと一緒にとかですか?
佐野:そういうのはでは、いやあ。
上泉:演奏中に飲むものは白湯とかですか?
佐野:はい。それもありますが水ですね。
上泉:ポール・マッカートニーは水を飲まないらしいです。
佐野:昔の歌手の人はプロフェッショナルな理由から、そういう風にしてるんだろうと思います。
上泉:昔の映像は見られたりしていますか?
佐野:昔の映像もまとめてくれとも言われているので見ますね。
上泉:昔の映像を見てどうご自分のことを思いますか?
佐野:頑張ってるなと思う一面、どうして、そんなに力を入れてるのかって。その都度一生懸命にやっているし、その時は格好よくやってるつもりなんですけどね。
上泉:スーツに汗かいてるみたいな映像がありますが、力が入っちゃってるっていうのが落ち着いて来たのはいつ頃ですか?
佐野:何年前かわからないけど、落ち着いては来たよ。26,7歳のパフォーマンスで、当時は自分より年上の先輩たちの演奏は大人しいのが多かった。新しいバンドという印象付けたいので必要以上に動いていた気がする。今見ると若気の至りかなと思いますね。
上泉:自分もそうでしたが、佐野さんのそうしたパフォーマンスや演奏に夢中になってコンサートに集まっていたと思いますが、そういうことをどう思いますか?
佐野:全国のコンサート会場に十代のキッズたちが集まってくれていました。それはとても素晴らしいことだったと思います。
上泉:今のティーンにメッセージはありますか?
佐野:大げさなことは言えないけれど、良い友達を大切にですね。
今、こうした状況の中で人との接触がなくなってきている。人と触れ合うことで良い思いをしてきたし、痛い思いもしてきた。でも、そのことで僕は成長してきた。今日だって、本来だったら、大阪のスタジオに行ってお話をさせてもらうところを、リモートでやって下さいって東京と大阪でやっている。離れていてできることもあるけれど、相手のバイブスを感じて、僕も自分のバイブスがあって、それを感じて良い感じが生まれる。
上泉:なかなか人との接触がしにくい今ですが、それについて、何かみんなに言えることはありますか?
佐野:そうね。アイデアと夢を蓄えておこう。その日が来たらみんなでシェアしたい。
上泉:多くの人が佐野さんの曲を聴いてるってことについて
佐野:ソングライターとして本当にラッキーなことだと思う。もしみんなが発見してくれなかったら、自分がいくらとても良い曲だと思っていても、多くの人が価値を見出してくれないと、今、こうしてはいられないから。本当に感謝しています。
4 純恋
佐野:昔からの古いファンは、昔の曲を演奏してノスタルジーを感じてくれて、僕もそれはそれで楽しいんだけれど、新しいものを出す時は、自分にとって新しいものを感じ続けていきたくなる。ソングライターとして、経験と年齢を重ねて色んな表現が出てきて、曲を作っている時に楽しいことばかりじゃなくなってくる。暗いところも辛いところもスッと入ってくる。でもそこは気を付けて作っている。十代の多感な時期に音楽を聴いている人たちに、あまり大人の視線を入れすぎるといけないと。大人の絶望感をあまり若い人たちに聴いて欲しくないと思う。
上泉:僕は中2で佐野さんの曲に出会って、素敵なことは素敵だと面と向かって周りの大切な人には言えないことを歌で表現できて、佐野さんと同じ時に生まれて良かったなと思っています。
佐野:あぁ
上泉:新作に取り掛かっておられるということで、とても楽しみなんですが
佐野:僕たちは、新作を作る時は毎回、前のアルバムを超えるものを作ろうと考えて挑んでいるので、来年、新しいアルバムをを楽しみにしていて欲しい。
本当だっらコンサートで、みんなの前で有難うを伝えたいんですけれど、今はフィルム・フェスティバルなどで楽しんで頂いて、また会える時を楽しみにしていて欲しいです。
上泉:僕は紆余曲折もあってアナウンサーになったわけですが、いつか佐野さんにインタビューする時があるかな。もしかして、ずっとファンでいる方が本当は幸せなのかなって思う。今もインタビューさせて頂いたりしてるのが不思議な感じがします。きっとラジオを聞いてくれているみなさんで、佐野さんのファンの方には、いつも傍に佐野さんの唄があったんじゃないかな詩の一つ一つが自分の血となり肉となって生きてこられた僕みたいな方もおられるんじゃないかなって思います。
5 SOMEDAY