穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

書評家の上前をはねる(4)

2022-01-03 09:08:32 | 書評

 中学校の期末試験じゃあるまいし、小説に点数をつけるというのはセンスがありませんね。うざったいというんですかね。小川榮太郎氏の分類を引用しますと、

90点以上  世界文学の水準に達している作品
80点以上  近代文学史に銘記されるべき作品
70点以上  現代の文学として優れた作品
60点以上  読んで損はない作品
50点以上  小説として成立している作品
49点以下  通読が困難な作品
39点以下  人に読ませる水準に達していない作品
29点以下  公刊すべきでない水準の作品

 どうですか、おどろおどろしいですね。大体点数をつけるというセンスが理解できない。もっともこの企画は、何年か前に先例があるらしい。福田某氏の作品らしいが、それを踏襲しているのかもしれません。 
 ちなみに80点以上の作品は89ある。現代日本には世界レベルの作家が90人近くいるということになります。ギョギョギョ、このクラスの作品は別の穏やかなクラスター名をつけたほうがいい。
 彼が80点以上をつけた作品で私が読んだ作品と私の評価は以下の通りです。

カズオ・イシグロ 私を離さないで、遠い山並み ノーベル賞に敬意を表して上
宮本輝 優駿、中の上、蛍川・泥の河 上
村上春樹 ノルウェイの森 中の中
東野圭吾 容疑者Xの献身 中の上

なお、上記の小川氏の分類で49点以下はまとめて”駄作”とすべきでしょう。