穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

書評家の上前をはねる(8)

2022-01-09 09:15:22 | 書評

 前回古井由吉氏の短編集のうち巻頭の「辻」の感想をアップしました。今日は第二編の「風」です。正直言ってこれは作家が合間に原稿料稼ぎに書く「中間小説」ですね。ま、こういう風にも書けるということでしょう。性描写の露骨直接的なのには辟易します。「辻」のもったいぶった、持ってわまった書き方とは全然違う。こういうものも書けますよ、と言うことでしょうか。第三篇以降はまだ見ていないが、高踏的な作品(小川栄太郎氏の評のように)集に入れるのはどういう神経なのでしょうか。