穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

しつこく、ハメットでもう一丁

2023-07-31 06:33:11 | マルタの鷹

しつこくもう一丁いこう。ハメットの後期の探偵もの、探偵なんて古い言葉を使って気が引けるが。

有名なのは、血の収穫、マルタの鷹、ガラスの鍵であろう。そこで三作を比較してみる。

まずロケハンから:

血の収穫は名称不詳の地方都市、

マルタの鷹はサンフランシスコ

ガラスの鍵は名称不詳の地方都市

探偵役は、最初の二作は職業的探偵

ガラスの鍵では地方の裏政治をあやつる政治ボスに一宿一飯の恩義を感じる賭博師、博徒である。

こう書くと日本のやくざ映画と極めて類似していることがわかる。

次回からもう少し詳しく書く。それからこれは補足だが、前に古い英語やオランダ語を多用すると書いたが、フランス語の引用も多い。それからラテン語からも。それも、我々がよく目にする神学や形而上学の用語ではなく日常用語の引用が多い。

 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。