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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



日本ラグビーフットボール選手権大会・決勝
東芝 19対10 トヨタ自動車
(2007/2/25 秩父宮ラグビー場)

ラグビーシーズンらしい晴天寒風の秩父宮ラグビー場は、熱戦を期待するファンでごった返していた。正門前の神宮名物のたこ焼きと焼きそばの屋台の前にも長蛇の列ができていた。ここのたこ焼きと焼きそばはとにかくボリュームがあってうまい!とくにたこ焼きにはいっているタコがでかい。絶対おすすめです。

試合は、両チームの監督の勇退を飾るにふさわしい、期待どおりの接近した内容になった。その決勝戦の行方を左右したのは「廣瀬」の存在だった。

前半6分にトヨタがアイイのPGで3点を先制。しかし、それまでにあった1本目のPGかドロップゴールのどちらかでも決まっていれば、もっとトヨタが優勢に試合を進められただろう。トヨタのスタンドオフ(SO)廣瀬佳司が先発することができたなら……。ケガの回復が十分でない廣瀬佳司はリザーブに名を連ねていた。

立ち上がり、トヨタに押されていた東芝を救っていたのは、もう1人の廣瀬だった。東芝のSO廣瀬俊朗は、自陣での攻防から得たボールを丁寧にタッチキックし、陣地を挽回していた。地味ながらも、東芝が自分たちのペースを取り戻すために必要なプレーだった。

前半は、東芝が2トライをあげ、トヨタを1PGに押さえ、12対3とリードした。東芝にすれば、2トライをとった後にもなんどかあったチャンスを自らのイージーミスでものにできなかったのが残念だった。

後半はトヨタの時間になった。守備をたて直し、東芝の攻撃を早め早めにつぶし、試合のほとんどを東芝陣内で展開した。10分過ぎに、この試合の初トライをあげ、10対12と迫る。その後も、あと一歩のところまで迫ったが、ゴールに届かない。攻めきれないトヨタ。東芝の守備の粘り強さが際立ってくる。

30分過ぎに、スタンドの大歓声に迎えられてトヨタの廣瀬も登場したが、東芝のDFを崩しきることはできなかった。そして、後半40分になろうとするところで、耐え抜いた東芝の立川がトライを決める。高々とボールを突き上げて、勝利を確信してからのボールダウン。

東芝が2006-07シーズンの2冠と日本選手権の連覇を達成した。薫田監督が有終の美を飾ることとなった。しかし、同時に、朽木監督率いるトヨタの殊勲も十分にたたえられるべきだろう。好ゲーム、熱いゲームが多かった国内ラグビーのシーズンが幕を閉じた。

いよいよ代表の時間が始まる。9月のワールドカップの戦いに、この熱をもっていって欲しいものだ。

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2007ゼロックススーパーカップ
浦和レッズ 0対4 ガンバ大阪
(2007/2/24 国立競技場)


ガンバ大阪が、マグノアウベスのハットトリックを含む4点をあげて、浦和レッズに圧勝した。新シーズンの開幕まで1週間。現在、Jリーグの2強といわれる浦和レッズとガンバ大阪の仕上がりはあまりにも対照的だった。

この試合の前に、レッズ・サポの友人は、「開幕直前のこの時期に、真剣勝負の場と、負けたとしても2000万円ももらえるんだから、ラッキー!」と言っていた。

昨シーズンの2冠王者とはいえ、監督が替わり、チームの柱となるような選手を迎え、その一方で多数のケガ人がいたレッズ。ガンバにリベンジを許したとしても、事情を知るものとしては、想定内の出来だった。

試合後に会ったガンバのサポは、「今日の試合、VTRに録っておけばよかったぁ!」と言った。

それほどに、ガンバの試合内容はよかった。中盤の4人(明神、橋本、遠藤、二川)とトップの2人(マグノアウベス、播戸)の成熟度は最高の域に達しているのではないか。シーズン前としては、出来上がりすぎという印象も受けた。期待をするものにとっても、想定外の出来だった。

ガンバが、このレベルを維持するためには、新加入のバレーやこの試合で初先発した安田らの存在が、チームへの刺激として作用する必要があるだろう。そして、そのきざしも十分に見えた試合だった。

公式タイトル戦とはいえ、初戦はプレシーズンマッチである。本番は1週間後からの9ヶ月に及ぶ長いリーグである。そのなかで、想定内の不出来だったレッズと想定外の上出来をみせたガンバが、どんなふうに成長していくのかを楽しみにしたい。

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