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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



日本ラグビーフットボール選手権大会・準決勝
東芝 47対10 ヤマハ発動機
サントリー 17対 39トヨタ自動車
(2007/2/18 NHKテレビ)

ラグビー日本選手権の決勝戦のカードは東芝対トヨタとなった。トップリーグ、マイクロソフトカップに続いて、東芝とサントリーの決戦を期待していたラグビー・ファンが多かったと思うが、ファンの期待よりも、トヨタの執念が上回った結果になった。

トップリーグ4強が激突した準決勝。東芝もトヨタも、自分たちが描いたゲームプラン通りの試合運びだったことが、試合後の勝利監督インタビューに表れていた。

東芝・薫田監督は「東芝らしさが出せた」といい、トヨタ・朽木監督は「昨年、早稲田に負けた雪辱を果たそうという意地の張り合いに勝った」と言った。

確かに、東芝の試合展開には、接点での強さと奪ったボールを大きく動かす、激しくもダイナミックな「らしさ」が十分に見られた。試合内容の安定感は抜群であり、2回戦の九州電力戦に続いて、前半、無失点だったことも、チームの充実を物語る。

一方のトヨタのプレーには、戦術や技術よりも、気力の充実を感じた。昨年、清宮・早稲田に負けたくやしさはどれほどのものだったのだろうか。その清宮監督が率い、昨年の早稲田の主将・佐々木もいるサントリーは、まさに、早稲田に代わるリベンジの対象だった。トヨタの選手たちのトライの後の喜びの激しさが、昨年のくやしさの大きさを表していた。

決勝戦。2冠と連覇まであと一つとなった東芝とリベンジを果たしてしまったトヨタ。まだ目標を追える東芝と目標をクリアしたトヨタ。勝利への執着心という点では、東芝が上回るかもしれない。

ただし、東芝・薫田、トヨタ・朽木、両監督とも、今季限りで退任すると言われている。勝利への欲望よりも、選手たちの監督に対する思いの強さが、決勝戦の勝負の分かれ目になるのではないか。

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