行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

【J特】踏み出した、新たな“一歩”。逆転勝利で開幕戦を飾る! 横浜FC戦

2011-03-07 23:59:14 | カターレ富山
2-1で勝利!!
クラブ設立4年目、J参入3年目にして、初めて開幕戦に勝利しました。
自分たちのミスから失点してしまうという、まずい展開から先制を許してしまいました。しかし、そこで意気消沈することなく、チームの力を信じて果敢にプレーを続けました。それが同点、そして逆転という最高の結果へと結びつき、ついには勝利をもぎ取るという。
今季のチームを実際に見るのは初めてでしたが、安間監督の示す方針の下、チーム一丸となってやってやろうという気迫が、存分に伝わってきたのでした。
前監督解任のきっかけとなった惨敗を喫した相手へのリベンジは、新たなスタートを切るチームにとって最初の関門でした。それを、見事にクリアしてみせた新生カターレ。
この結果を自信、力へと変えて、スタートを切った2011シーズンを全力で戦い抜いてほしいです。
多少風は強めだったものの、晴れてピッチコンディションは良好だったニッパツ三ツ沢球技場。新シーズンの開幕戦ということで、11306人もの観衆が詰めかけ、ほぼ満員といったなかでの試合となりました。
カターレのスタメンは、ほぼ予想通りの面々が。GKが内藤、DFに池端、吉井、足助。中盤に谷田、平出、西野。2列目が大西、黒部、朝日。そして1トップに苔口。
昨年の終盤に試行していたとはいえ、他に例のない3-3-3-1。当然、新加入選手にはそれまでに経験のないチャレンジだったはずで、去年からのメンバーにしたところで、充分な経験があったとは言えません。そんななか、新体制始動からキャンプを通じての戦術浸透がどこまで進んでいるのか、それが実戦でどう活かされるかが焦点でした。

実際に見てみた感想として、「予想以上に良い」という印象。
背番号1をつけた内藤には、去年になかった頼もしさを覚えました。ベテランGKの鶴田が怪我で手術を余儀なくされ、開幕を前にまさかの長期離脱。より一層奮起が求められる状況に対し、正GKとしての自覚が強まったということでしょうか。
新加入の池端、大西、平出のプレーぶりを見るのは初めてでしたが、それぞれ、なかなかに唸らされました。池端については、カバーリングが丁寧だと思ったのと、なにより「足速えぇ!」と思わず感嘆してしまった一瞬の動き出し。大西はCKでキッカーを務めましたが、良いボールを蹴るなぁ、と。直接得点には結びつかなかったものの、今後のセットプレーに期待をいだかせました。そして、平出。J1とJ2というカテゴリの違いこそあれ、リーグ戦初スタメンというなかにあって、臆することなく果敢に挑みかかっていました。ぶつかり合いにもひるまずに向かっていく姿勢、ガッツを感じました。
そして、去年からのメンバーも軒並み好印象。ボールを持った相手に複数で囲い込むというような約束事が徹底されているなぁ、とひしひしと感じました。なかでも目を引いたのは、足助の頑張り。本職のDFとしての働きはもちろんとして、ときに遠目からシュートを放ってみたり、CKから頭で合わせてゴールを脅かしてみたり。今年で加入3年目ですが、今までこうまでアグレッシブな足助を見たことがない!というくらい。やはり、キャプテンとしての責任感がプレーに良い影響を与えているということでしょうか。
3-3-3-1というフォーメーションをとるにあたり重要となるのが、各自の判断力にかかる攻守の切り替えの素早さと、ハードワーク。それらが実現しているなぁと感じました。手を抜いたプレーをしている選手が誰もいない。意識の高さをうかがわせました。

クラブ史上初の開幕戦勝利となったわけですが、その勝因について考えてみました。
ひとことで言えば、「冷静だったから」ではないかと。
まず、失点のシーン。自陣深くでボール処理に手間取った隙を突かれてという、悔やまれる獲られかた。守備を崩されたわけではない、いわば事故のようなもの。しかし、去年は同じような状況ではシュンとしてしまい、なかなか切り替えられない場面が目につきました。しかし、今回はそこを引きずらなかった。冷静に切り替えができたことで、相手を勢いに乗らせなかったのが良かったかと。リードを許しながらもボールを持つ相手を複数で追い込むセオリーを徹底して続けた結果、西野と大西のブロックから前線の苔口へとつなぎ、同点ゴールへと結びついたのだから。
その苔口のゴールも、冷静さが光りました。持ち前のスピードを活かして一気に駆け上がりながら蹴り込んだシュートは、バーに弾かれることに。もし勢いのままに慌てて蹴っていたなら、その後の押し込みはできなかったところかと。あの緊迫した場面でもしっかりとコースを読み、最後まで気を抜かない冷静さがあってこそのゴールだったでしょう。
逆に言えば、相手GKにその冷静さが足りなかったことが、決勝点となったPKにつながったのではないかと。もちろん端から見た結果論であることは承知で書くのですが、あの場面、ボールのスピードからすると、いかに苔口の足があっても、足下に納めきれずにラインを割っていたのではないでしょうか。スピードや体勢的にボールが出るコースは限定されていたのだから、それを消すのが正しい選択だったのでしょうが、飛び出すことを選択してしまった、と。やはり、それだけ先制ゴールの印象が強く、また、7回オフサイドをとられたように、隙あらば抜け出る姿勢を貫いていたからこそでしょう。
そうして得たPKの場面も、冷静でした。イエローカードが出されたとき、GKが「一発退場でなくて良かった、これで阻止すればミスも帳消し!」とポジティブには考えられていないであろうことを見て取ったのでしょう、黒部がすぐさまキッカーを志願、見事に決めました。開幕戦でPKといえば、2年前の福岡戦で外してしまったことが頭をよぎりました。あのときは、降ってわいたようなチャンスにフワフワしたまま臨んでしまい、GKに呼吸を合わされて阻止されてしまったのでした。そのことを思えば、相手に動揺があると見るや迷うことなく蹴り込んだ黒部はやはり、ベテランの風格といいますか。さすがです。
ベテランの風格と言えば、途中出場のカズ。流れが良くないと見るや、またぎフェイントで誘い出し、つっかかってしまった大西からファウルをもらって、FKのチャンスを作り出したという・・・。あのあたりの駆け引きの巧みさは、さすがは百戦錬磨。敵ながらあっぱれでした。
終盤、クロスバー直撃の強烈なシュートをはじめ、何度もゴールを脅かされました。去年であれば、押しに負けて失点を喫していたような場面。しかし、それを切り抜けられたのは・・・やはり、各々が冷静さを失わなかったからでしょう。
「勝つことでしか自信は身につかない」とは、これまで口を酸っぱくして言い続けてきたこと。冷静さをもとにゲームを進め、そして勝利という結果に結びつけられたこと。ここで得た自信を、次なる勝利へとつなげてほしいと、切に願います。

「一歩一歩」をスローガンに掲げて臨んだ今季、初戦で勝利するという目標を達成し、一歩前進したように思います。もちろんこの先困難も待ち受けていることでしょうが、そのときには、この開幕戦勝利のように、やればできるということを思い出してほしいです。自信を持って試合に挑むことが、さらなる自信を生む。その好循環を実現すべく、少しずつでもいい、着実に歩みを進めていってほしいと思います。