行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

虎の子の1点を守り切り勝利。課題山積も天皇杯初戦突破 おこしやす京都AC戦

2018-05-28 21:09:23 | カターレ富山
1-0で勝利。
「勝つには勝ったけれど・・・」
そんな歯切れの悪い、煮え切らない思い。初の高岡スポーツコア開催であった天皇杯1回戦。その会場に駆け付けたファン・サポーターの共通認識となったのではないかと。
前週の鳥取戦よりスタメンを大幅に入れ替えて臨むこととなったこの試合。多分にリーグ戦へのトライアル的要素も含まれていたと思います。
ただ・・・その起用が奏功していたかといえば。
結果を見れば、延長やPKもあり得たなかできちんと90分でケリをつけた、しかも無失点で、というところはあります。
けれども、内容は褒められたものではなかったこともまた、事実。
それでも。
負けたら終わりの一発勝負で、勝ち切ったということもまた事実であって。
J3最下位にまで地に落ちた評価を覆す道のりは、まだまだこれから―――そう、実感させられた試合でもありました。

元カターレの内田 錬平がキャプテンを務め、チームを率いていたおこしやす京都。
双方とも同じフォーメーションの、いわゆるミラーゲームのなか、守備の要としてCBで堂々とプレーするキャプテンの姿は、「レンペー」を知るカターレファン・サポーターには感慨深いものがありました。
所属する関西リーグではここまでいまひとつという状況にあり、この天皇杯の富山戦で格上相手に全力でぶつかっていくことをひとつのきっかけに、カンフル剤にしたい、という思いもあったようで。
実際、そのプランは着実に遂行されていたと言って良いかと。ボール回しのスムーズさ、献身的な動きなど、決して侮っていい相手などではなく。
むしろ・・・逆に、カターレの側のほうが、そんな挑戦を受けて立つには力不足感が否めませんでした。

前半、この日はこれまでのSB起用ではなく左WBとして出場していた弓崎のゴールによって先制。FKのチャンスで、キッカーの差波の意図をしっかりくみ取って決めた、連携が光ったゴールでした。
ただ。
そのあとが続かず。
終始相手にペースを握られ、耐える展開。なかなか主導権を握ることができず、これというチャンスも生まれませんでした。
もちろん、相手のおこしやすの選手たちの頑張りもあります。
けれども・・・それよりも、こちら側の不甲斐なさというものが目についた、そんな印象。
名指しで悪いのですが、CBに入った柳下。寄せや詰めが甘かったりクリアが中途半端であったり。どっしりと守備の要として守り切る!という安定感を、出すことが出来ませんでした。
進藤も、個人的に頑張ろうとしているところは伝わるものの、それがチームの連携にまでは繋がっていなかったりとか。
あとは、交代で入った稲葉も・・・パスを出すのはいいけれど、なぜ、出しっぱなし?すぐに動いてスペースを消さねばならない、受け手のフォローに回らねばならないところだろう?と。
なんというか・・・これまで控えだったメンバーが中心の布陣ではありましたが、さもありなんというか。
ハッキリ言ってしまえば。観ていたファン・サポーターは、少し前までのダメダメであったカターレを想起させられてしまった、と。
言い換えれば、せっかく監督交代から「以前とは違う!」という面を見せてきたというのに、それが逆戻り、退行してしまったような。

鳥取戦も、後半は防戦に追われ、2失点ともども課題の残る内容ではありました。けれど、それでもなお、これまでのカターレから変わろう、勝つために全力を尽くそう、という姿がみてとれました。
一方で、この試合。J3クラブ撃破を成し遂げんと果敢に挑みかかってきたおこしやす京都の気迫も、それはそれでたいしたものでしたが・・・苦戦の要因は、自分たちにあったように思えてなりません。
前への推進力を発揮して一気呵成に攻め込まねばならないシチュエーションで、それが出来ずに攻撃機会を逸してみたり。攻守の切り替えのスピードも、明らかに遅い。なっていない。
自分たちで試合を難しくしてしまい、それによって相手の脅威以上の苦戦を強いられてしまう―――そんな、これまでのダメな時のカターレ。
せっかくこれまで2戦で変化の兆しを見せていたにもかかわらず、あっさりと以前の状態に戻ってしまうのではないか、という危惧を覚えてしまうような。
もちろん、監督が代わりさえすればなにもかもがうまくいく、なんてことはないでしょう。これまでのマイナスがすべてチャラになるかと言えば、そんなことはありません。
それでも。
それでも、なんとかしなければならない試合ではなかったか。
控えメンバー中心であったなら、なおさらのこと、「自分たちだって変わるんだ!」というアピールが必要だったのでは?
にもかかわらず、見せたのが、これまでのマイナス要因。
ゴールポストに救われるという危ないシーンもあったりしつつ、それでも無失点に抑えたことは、防戦に追われ続けたなかにあっては成果と言えなくもないですが。
やはり、「勝つにはかったけど・・・」という思いが。
いや、言ってしまうならば。
「それじゃ、ダメだよ」と。

試合後、レンペーと馬渡のふたりがスタンドにあいさつに来てくれました。もちろん、惜しみない拍手で応えましたとも。
健在ぶりは、プレーによってなによりも雄弁に物語っていたのだから。本当に、心からエールを送りたいです。
レンペーにとっては、2年連続で古巣撃破の恩返し勝利ならず、ということにはなりましたが。
ただ・・・正直言って、ちょっと申し訳ない気もします。
本来なら、挑戦を圧倒的な力でもってねじ伏せてしまうくらいでなければならなかったはず。そうして、「やっぱりカターレは良いクラブだ」と、かつて所属していた自分を誇らしく思ってもらうくらいでなくてはならなかったのではないのか?と。
それが・・・力の差を見せつけるどころか、辛勝がやっと、というのでは。
ともあれ。
引き分けがなく、勝つか負けるかの決着がつくカップ戦において、内容はどうあれ、勝ち残ることに成功したカターレ。
たしかに、今回の試合はあまり褒められたものではないことは確か。
けれども。
勝ち残ったということは、汚名返上の機会も残った、ということでもあります。
2回戦は、J2の東京ヴェルディ戦。
そこでしっかりと戦い抜くことこそが、今回の試合でおこしやす京都に対する「プロクラブの壁」としての迫力に欠けてしまったことへのお詫びともなろうかと。

監督交代から3連勝となりましたが、まだまだ道半ば。
次の試合は、すぐにやってきます。
そのときまでに、しっかりと修正をして。
今回の試合でファン・サポーターが抱いてしまった「逆行か?」という不安が、「杞憂だった」と安どできるように。
次も、ホーム戦。
しっかりとした試合を見せ、勝たねばなりません。
コメント
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