行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

執念の大逆転劇!負け試合を覆す、価値あるアウェイ戦勝利 AC長野パルセイロ戦

2024-06-23 18:55:29 | カターレ富山
3-2で勝利!
昨シーズンの同カードではハットトリックを決められて敗れるなど、ただでさえイメージの悪いアウェイ長野戦。そのなかで、前半のうちに早々と先制を許してしまい追う立場に。
まずは同点、そして逆転を!そう期待を込めた後半だったものの。開始直後に出端をくじかれる追加点を決められ、逆にリードを広げられてしまうことに。さらにはCB川上が負傷退場、想定外のタイミングで鍋田が緊急出場など、まさに泣きっ面に蜂状態。
また、苦手のUスタでは、今回もダメなのかーーー。
しかし。
そんな窮地に陥ってからが、むしろ本番でした。
後半から出場のショウセイがシュート、そのこぼれ球を安光がクロス、ヨシキのヘディングシュートへと繋げて1点を返し、反撃の狼煙を上げると。
相手決定機を体を投げ出して阻止した、鍋田の魂のディフェンス!
それに触発されるように、直後には末木の今季初ゴールによって、同点に!
もちろん、同点で良しとして終わらせる気など無い。
現地に詰めかけたカターレファン・サポーターの大声援を受け、躍動する選手たち。
すると、試合終了間際の90+1分、途中出場の伊藤がシュート!
鮮やかな軌道を描いたボールがゴールに決まると、アウェイ側スタンドのボルテージも限界突破!
劇的な大逆転で、勝ち点3をもぎ取ったカターレ。苦しい状況にもあきらめることなく勝利を追い求めた頑張りが、見事に勝利として実を結んだのでした。

首位を独走する大宮にも敢然と立ち向かい、勝利こそならなかったものの勝ち点1をもぎ取った前節のカターレ。
だからこそ。
もしここであっけなく敗れるようなことがあれば、その大宮戦の奮戦も価値のないものに堕してしまうことでしょう。
もちろん、そうあってはならない。
いかに、継続性を発揮するか。それが、苦手のアウェイ長野戦にあっても。
月始めに対戦した相性最悪・アウェイ沼津戦では、先制を許してしまったその1点を最後まで取り返せず、0-1で無念の敗戦となりました。
それを繰り返すわけには、断じていかない。順位浮上に向けては、なんとしても勝ち点3を奪い獲る必要がありました。
隣県対決ということで、遠くのアウェイはなかなか行けなくても、長野には行くというカターレファン・サポーターも多く。前売りの段階で600人を超え、当日はそれ以上であったという、アウェイスタンドを青く染めた「現地組」。その声援を受けては、チームも気合を入れて必勝を期さねばなりませんでした。

しかし、必勝の思いとは裏腹に。
27分、長野のFKの場面で。ライン際から折り返されたボールを杉井 颯に頭で押し込まれてしまい、先制を許してしまったのでした。
ゴール正面で競り合う選手たちを超えて、そのままゴールラインを割るかと思われたFKで蹴り出されたボール。そのとき、一瞬の判断ミスが命取りとなりました。
実際にはラインを超えておらず、ギリギリで池ヶ谷 颯斗が折り返すと。それをまんんまと決められてしまった、と。
もちろん、チャンスをしっかりとモノにした長野、ということではあるのですが・・・それよりも、自分たちの判断の甘さが招いた自業自得感があり、どうにもこうにも苦い失点の仕方となってしまった印象です。
その直後にも、失点の起点となったFKの位置と同じようなところから直接狙われるも、なんとか田川が掻き出して難を逃れるという危ないシーンも。
追う立場となったカターレですが・・・どうにも、相手ディフェンスに手を焼き、相手陣内に侵攻する攻撃につながらない。
ハス交換から機を窺い続けるという、いつも通りといえばいつも通りという展開ながら。それが、どうにも効果的な攻めになっていない。
パスを繋ぐことそのものは結構としても。それが、得点のにおいのする攻撃につながっていたかと言えば、さにあらず。
練習でやってきたパターンと言えばそうなのでしょうが・・・あまりにも、練習通りというか。実戦で、一瞬の隙さえ逃すことなく相手ゴールに迫っていくぜ!という迫力が、出せませんでした。
もちろん、前節の大宮戦で上手くいったからといって、それが即、別のクラブ相手にも通用するかと言えば、決してそんなこともないのでしょうけれど。相手だって研究もすれば、対策も練ってくるでしょうし。
けれど、だからこそ。
それを踏まえてなお、相手の上を行く強さを発揮せねばならないのに。
少なくとも2点を獲らねばならないなかで、正直、あまり良くない展開が続いているなと感じ。相手よりもまず、自分たち自身でブレない攻めのカタチが見せられたらよかったのですが、どうにも。

ハーフタイムを挟み、後半へ。そのタイミングで、マテウスに代えてショウセイを投入する決断をした小田切監督。追い付き追い越すために点を獲る、それに向けての決意表明。
そうだ、前半のうちに追いつくことは叶わなかったけれど。ならば、後半の早い段階で・・・そう、開始から10分、いや5分以内に追いつくくらいの勢いでもって、反撃につなげなけrーーー
そんな思いすらもまとまり切らないうちに。長野のキックオフから始まった後半の開始から、ものの1分も経たないうちに。
山中 麗央に決められてしまい、追いつくどころか引き離されてしまったのでした。
その失点の仕方もまた・・・。
自陣右サイドでの山中と河井との競り合いで、その河井が接触から倒され。ファウルだ!と思いきや、それがスルーされ。
またも、一瞬の意識のエアポケット。
その一瞬が致命傷、そのままの勢いで押し切られるかたちでゴールにまで繋げられてしまったと。
これにも布石があって。
札幌戦にしろ、神戸戦にしろ。ここ最近のJ1クラブとの対戦では、J1基準のジャッジで笛が吹かれていました。カターレにとってみれば、いつも通りの感覚でいては、キツい当たりをされてもファウル判定されないということ。いやがおうにも、J1基準にアジャストする以外になかったということ。
それがどうだ。
いざ、J3リーグ戦に戻ってみれば。ジャッジ基準が、やっぱりJ3仕様じゃないか。
だったら、河井が倒されたシーンだって、J3基準ならファウルだったはずだろ?なのに、なんでこういうときだけ見過ごされてるんだよ!
・・・いや、どう言ったところでカターレ側の甘さと言われるだけでしょうが。
そんな苦い失点で、2点のビハインド。さらに言えば、その2点目を決めた山中と言えば、昨シーズンの同カードでハットトリックを決めた張本人でもあり。
およそ、カターレ側とすれば、おもしろくないどころの騒ぎではない展開を強いられることとなってしまったのでした。
さらに、追い打ちをかけるかのように。
52分、自陣ゴール前で接触プレーがあったかと思えば、担架が出場する事態に。川上が負傷退場、鍋田が緊急出場することとなりました。
静まり返る、アウェイ側スタンドのカターレファン・サポーター。
おいおいおいおい。
今瀬、下堂が負傷離脱中だというのに、今度は川上かよ!CBに受難過ぎるだろ!
弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂。
これで、このまま敗れては・・・ダメージが大きいどころの話じゃないぞ。
まさに、絶体絶命のピンチに立たされることとなってしまったカターレ。

ただ、それでも。
そんな危機的状況にあっても。むしろ、ここからが本番でした。
56分、相手ゴール前で吉平が体を張ってボールを収めると、そのこぼれ球をショウセイがシュート!それは相手GK金 珉浩のファインセーブで弾かれてしまいましたが。
1失点目の逆パターンとでも言うのか。長野がほんの一瞬だけ危機を脱した安堵感を感じていたなか、ボールはラインを割っていなかった。それを安光が折り返したところ、ゴール前に詰めていたヨシキが頭で合わせてゴール!
1点を返し、差を詰めることが出来たカターレ。そう、あきらめてなどいない!
その直後、カウンターから前線の近藤 貴司に繋げられてしまい、そのままシュートされてしまう!という場面で。
並走していた鍋田がしっかりと体を張ってコースを切り、ゴールは許さず。
そして、そのまた直後。またも鍋田が魅せました。
68分、リーグトップの11得点を挙げている長野のエース・浮田 健誠が裏へのボールに抜け出し、田川と1対1、まさしく絶体絶命という場面で。
背後から猛ダッシュで追いすがっていった鍋田が、渾身のスライディング!見事に阻止し、魂のガッツポーズ!
下手をすればPKにもつながりかねなかったシチュエーション。そのリスクを恐れて、ほんのわずかでも躊躇があったら、追いつけずに決められてしまっていたことでしょう。
決定的な3点目を決められていたかもしれなかったピンチを、阻止。まさに、試合の転換点であったかと。

ピンチの後にはチャンスあり、というのもサッカーのお約束ですが。
大ピンチを脱した直後の71分。
右サイドから西矢が中央へと上げようとしたクロスが、相手ディフェンスに当たって軌道が変わるも。それに冷静に対処したのは、末木。右足を振り抜いたシュートがゴールに突き刺さり、同点に!
末木の今シーズン初ゴールで、試合を振り出しに戻したカターレ。
ピンチ直後のチャンスを活かしたというシチュエーションもさることながら。個人的な見解ではありますが、その時間帯も良かったと思います。
まだ、70分過ぎ。逆転のチャンスは、もちろんある。そして、流れはカターレ側に大きく傾いている。
だったら、やるしかないでしょうよ!
80分には、古巣対戦となる坪川、そして得点の期待をかけて伊藤を投入。最終局面へと、舞台を整えるカターレ。

しかして、そのときが。
試合時間が90分を超えてアディショナルタイムに突入した、まさにそのとき。
相手陣内でのカターレのパス回しから・・・本当に、長野にとってみれば「なぜそこにいる?」という認識であったかもしれません。ペナルティーエリア内、角度にして45度といったポジションで、まったくのフリーでボールを受けた伊藤。
その伊藤が放ったコントロールされたシュートは、きれいな弧を描き。ゴール隅、サイドネットへと吸い込まれ。
信じていた、勝ち越しゴール。
サッカー専用スタジアムたるUスタで、ごくごく至近距離のアウェイ側スタンドからそんなシーンを見せられては。まさしく、狂喜乱舞のカターレファン・サポーター。この日一番の大歓声が上がりました。
そして。
川上の負傷などもあって7分あったアディショナルタイムでしたが、しっかりと油断なくプレー。最後の最後まで隙を見せず。
タイムアップ、試合終了。
あるいは、負け試合。昨シーズンの同カードに続き、Uスタでの嫌な思い出が上書きされかねない展開でしたが。
それを覆す、劇的逆転劇。
価値ある勝ち点3を手にしたカターレに、惜しみない賞賛が贈られたのでした。

総じてみれば、甘さの出た失点シーンなど、反省材料も少なくないことは事実ですが。
それでも。
ピンチにあっても、屈しなかった。
自分たちの力を信じ、それを勝利につなげてみせた。その手応えと、自信。
この経験は、今後に活かされていくはず。もちろん、そうしていかねば。
余韻に浸る間もなく、次戦の岩手戦はすぐにやって来ます。
言うまでもなく、狙うは連勝。
後にシーズンを振り返った時に、「あのとき長野戦での逆転勝利があったから」と言えるように。
さらなる飛躍を、期待します。