行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

執念の「分け」残り。上位アドバンテージでPO決勝進出 FC大阪戦

2024-12-02 19:51:31 | カターレ富山
1-1のドローながら、プレーオフ上位アドバンテージによって勝利。
史上初の開催となったJ2昇格プレーオフ。誰も経験したことのない、負けたら終わりの一発勝負という、ヒリつくような緊張感のなか。ホームで迎え撃つリーグ戦3位のカターレと、アウェイで勝つ以外にないという、6位のFC大阪との対戦。
首尾よく先制したまでは良かったものの、前半終了間際に追いつかれ。後半は防戦一辺倒となったなか、守りを固めてドローに持ち込む選択をすることに。
猛攻をかわし続ける、まさに綱渡り状態。時計が遅々として進まないようなプレッシャーが、延々と続くなかで。それでも集中力を切らすことなく、気力を振り絞って耐え続けたカターレ。
スコアは動くことなく、1-1のままに試合終了。上位は引き分けても勝ち上がりというレギュレーションであるプレーオフ。そのアドバンテージを活かしたカターレが、決勝にコマを進めることになったのでした。

各地で同時に開催されたリーグ最終戦、その終了から1週間。
3位・カターレ富山のホームゲームとして、6位・FC大阪を迎えてのJ2昇格プレーオフ準決勝。朝から雨が降り続くあいにくの天候でしたが、5101人が会場に詰め掛け、決戦の行方を見守ることとなりました。
最強撃破を成し遂げた大宮戦からの継続性を重視ということなのでしょう。ほぼ同じような選手起用となったなかで、鍋田に代わって脇本、河井に代わって末木がスタメンに名を連ねることに。
同時刻に4位・松本山雅と5位・福島との対戦が、もうひとつの準決勝として開催されるなかで。いよいよ、ホーム県総は運命のキックオフのときを迎えました。

リーグ戦でのホームFC大阪戦は、2-0の勝利をおさめているカターレではあるものの。そのときの相手は、チーム最長在籍にして主力メンバーである元カターレの舘野 俊祐が不在であり、十全な体制ではありませんでした。事実、再戦となったアウェイでの対戦では、攻めあぐねて無得点に抑えられ、スコアレスドローとなっており。今シーズン3度目の対戦、簡単な試合になどならないであろうことは、明白でした。
リーグ最終戦では先制ゴールを挙げながらドローとなり、勝てば5位もしくは4位もあり得たなか、6位に順位を落としてのプレーオフとなったFC大阪。
昇格には勝利が絶対条件、かつアウェイ連戦でそれを為さねばならないという条件ですが、それがかえって闘志に火をつけていた部分というものはあったでしょう。
試合開始から、前へ前へと果敢にプレッシャーをかけてくることに。その傾向というものは予想通りであったものの・・・激しさという部分では、やはりリーグ戦での対戦以上の気迫を感じさせられました。
リーグ最少失点のFC大阪と、同3位のカターレ。お互いにそうそう簡単に得点できる相手ではないことは承知。それでもなお、勝つには得点が必須というなかで。
いかに相手を防ぎ切り、自分たちのチャンスを活かしていくか。
勢いという面では、引き分けが許されず勝つしかないFC大阪のほうが、やはり上。それをいなしつつ、自分たちの展開に持ち込まねばならないカターレ。
バチバチと火花散る、せめぎあいの時間が続くことに。

FC大阪が舘野の放り込みにFW増田 隼司が合わせて狙ってくれば、カターレのほうも前線のマテウスの繋ぎからショウセイがシュート、といった具合に。
それぞれが、自分たちのスタイルからどうやって得点に結びつけていくかを模索していくなかで。
試合が動いたのは、36分でした。
田川のロングフィードからの攻め上がりから、右サイドの松岡につながり。その松岡がペナルティーエリアやや外からシュート性のキック。そのボールがゴール枠から外れたかと思いきや、ゴールライン際でショウセイが足を伸ばしてギリギリから残すと。その折り返しを頭で合わせたのは、布施谷!GK永井 建成の頭上を越えたボールがゴールに吸い込まれ、ネットを揺らしました。
大事な大事な試合で、見事な大仕事。
勝つしかない相手に2得点以上を強いる、大きな先制点。ホームの声援を受けるカターレが優位に立つことになったのでした。

ただ、先制点を許したことが、かえってFC大阪を吹っ切れさせたというか。意気消沈することなく、逆に攻勢を強めてくることに。
距離に関係なく果敢にシュートを放ってくるなか、しっかりと田川がセーブ。防いでこそいるものの、FC大阪の時間帯がつづいていたなかで。
前半も終了間際のアディショナルタイムでした。
後方からのロングフィードに合わせて右サイドを走り込んできた増田が、そのトラップを右足のヒールリフトで前に浮かして守備の寄せをかわすという、素晴らしいテクニックを披露。虚を突かれて一瞬判断が遅れたカターレのディフェンスをよそに、ゴール隅を狙ったグラウンダーのシュート。それが決まって、同点に追いつかれてしまうことに。
この大一番で、そんなビッグプレーがでるのかーーーまさに、してやられた!というゴールでしたが。FC大阪にとってみれば、勝つためにやるべきことをやり切ったゴール。特別ではない、勝つためだ、と。
やはり、一筋縄ではいかない。
勝負の厳しさというものをあらためて突きつけられる形となったカターレ。同スコアで試合を折り返すことに。

勝負の後半戦。逆転を狙うFC大阪の攻勢は勢いを増し、カターレはなかなか反転攻勢につなげられない。耐える展開が続くことに。
59分に松岡に代えてヨシキ、マテウスに代えて松本を投入しましたが、攻撃のためというよりは、守備のための交代策というか。勝ち越し点を積極的に狙いにいくのではなく、なんとかボールをキープすることで相手の攻勢をしのぐ、というような起用であったかと。
あと・・・あまり言いたくないですが、どうにもこの試合の審判のジャッジに不服。
正直、FC大阪に荒いプレーが少なくないなか、ファウル相当であろうプレーが見過ごされ。
あきらかに押してるじゃないか!今、手を掛けていただろうが!
文句のひとつもふたつもみっつも言いたくなるなかで、出たイエローが前半では安光の1枚だけ。
審判のジャッジに文句を言うことはよろしくない、それはわかっているけれど。
どうにもこうにも、承服しかねるシーンが幾度も。
いうまでもなく、負けたら終わりの一発勝負というなかで。審判の不可解ジャッジで試合を壊されるなんてことは、絶対にあってはならないのに。
耐える展開のなか、どうにもこうにもストレスがたまる展開。
紛れというものは、あってはならない。
実際、1週前の大宮戦ではPKからの失点で1点差に詰め寄られ、それをどうにかこうにか逃げ切っての勝利、ということもあっただけに。
追い付かれて1-1というこの試合、それこそファウルでPKとかいうことにでもなれば、それは致命的ということにもなりましょう。
FC大阪の攻勢をひたすら耐え続けるなかで、フェアなのか?というジャッジ基準をも考慮しつつのプレー。スタンドから応援するだけでもメンタル的にキツかったというのに、実際にピッチでプレーするカターレ選手たちの心情は、いかばかりかと。

74分には、瀬良に代えて坪川、布施谷に代えて鍋田を投入することに。
攻撃カードとして伊藤や井上を入れる選択もあったなかで、これは明確な守備固めのサイン。
つまりは、ドロー狙いの逃げ切り戦略。
実際、残り20分ほどもあろうなかで、もうすでに相手陣内コーナーフラッグあたりで松本・ヨシキらでボールをこねくり回す、いわゆる「鹿島る」プレー。
普通であれば、85分から90分くらいで時計を進めるためにおこなうプレーを、残り時間がまだまだある状況で、もう?
これがもしも、自分たちが逆の立場で、勝つしかない状況で相手がそういったプレーをしてきたら。
そりゃもう、ふざけんな!とばかりにブーイングを飛ばしていたのではなかろうかと。
とはいえ。
上位アドバンテージとして、引き分けでも勝ち上がりというレギュレーションであるプレーオフ。それを踏まえた上での選択。別に、リスペクトに欠けたアンフェアなプレーというわけじゃない。カターレとしても、取り得る選択肢のなかで、やれることをやり切るという姿勢の表れであり。決して卑怯でもズルでもない。
それに・・・大量点差があってなお時間稼ぎ、などではなく。
なにかのこちらのミスでもあれば、途端に逆襲をくらうリスクもあるなかで。いまひとつジャッジに信用を置けないなかで、それこそなんらかのきっかけで‘PK、なんてこともないわけじゃない。
言わば、綱渡り状態。
続くFC大阪の攻勢。繰り出されるクロスに、ロングスローの雨あられ。
耐える、カターレ。しのぐ、カターレ。
ああ、なんて時間の長いことか。

結果として。
スコアが動くことは、ありませんでした。
終盤は、ほぼ一方的に攻められる展開ながらも。判断ひとつ間違えば致命的、そんなリスクにさらされ続けながらも。
それでも、集中力を切らすことなく耐え凌ぎ続けたカターレ。それが最後まで崩れることはなく、タイムアップを迎えたのでした。
1-1のドロー。試合としては、引き分け。
しかし、レギュレーションにより上位アドバンテージによってカターレの勝利となり、勝ち残りが、プレーオフ決勝進出が決定しました。
猛攻及ばず、ピッチに崩れ落ちる舘野、永井らFC大阪の選手たち。
決勝進出となったカターレと、敗退となりシーズン終了となったFC大阪。
まさに、明暗ここに極まれり。
こういう結末もあり得ると、頭ではわかっていましたが。本音を言えば、スッキリと勝ちきって威風堂々と勝ち名乗りを上げたかった、というところはあるにせよ。
それでも。
苦しい戦いを制したのは、カターレ富山。
ドロー狙いは消極的で潔くない?狙ったからといって簡単にドローにできるなら、どれだけ楽なことか。そんな甘い相手ではなかったことは、この試合に関わったすべての人の共通認識でしょう。
困難なミッションを完遂し、勝ち残った事実そのものに、なんの恥もあるものか。
胸を張って決勝進出。それこそが、カターレのやるべきことです。

試合後、舘野がゴール裏に挨拶に来てくれました。5月の対戦では出場停止で来られなかったところ、プレーオフというかたちで来られたというのも、なんとも巡り合わせというか。
古巣であり、チームを離れてからもカターレの動向をチェックしていたという舘野。地元でもある県総での対戦にフクザツな思いもありつつも、チームのためにしっかりとプレーし、大きな脅威としてカターレの前に立ちはだかりました。
敗退が決まった無念は、当然あることでしょう。それでも、カターレに絶対昇格してください!応援しています!との熱いエールをくれました。
もちろん、その思いに応えねばなりません。

残り、1試合。
最後の戦いを制し、必ずや昇格を果たす。

戦いは、いよいよクライマックスを迎えます。
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