行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

“シーズンダブル”ならず、実力差を見せつけられ完敗。天皇杯敗退 ヴィッセル神戸戦

2024-06-13 23:13:46 | カターレ富山
0-2で敗戦。
わかってはいたはずだし、覚悟もしていたはず。
けれども・・・いざ、「現実」を突きつけられたら、やはりショックではあります。
3週前のカターレにとっての歴史的ジャイアントキリングは、やはり単なる偶然、ラッキー、マグレでしかなかったーーーそう言われている気がして。
負けてあたりまえのところをあたりまえに負けただけ、富山なんて所詮J3クラブなんだから気にすることはないーーーそんなふうに言う者もいるでしょうが。
そうではないだろうと。
ラッキーだろうがなんだろうが、勝ったことは事実。そして、圧倒的実力差をみせつけられて負けたことも、事実。
先のルヴァンカッププレーオフラウンドの札幌戦を含め、格上・J1クラブと1シーズンに4度も公式戦で渡り合ったという経験。
偶然やラッキー、マグレだけで、そもそもそういう対戦にまで持ち込めたのか?ということ。
この天皇杯2回戦にしたって、1回戦で関西大学に不覚をとっていたならば、実現しなかった対戦でもあって。
これでルヴァンカップ、天皇杯の両方のカップ戦で敗退となりましたが。
負けたら終わりで、無かったことになる?
そんなわけあるか。
いかにして、この経験をこの先続くリーグ戦にフィードパックしていくかが問われます。

先のプレーオフラウンド第2戦より中2日、田川を除く10人を総とっかえとなったスタメン。そのなかで特筆すべきは、2年目の鍋田が今季初スタメンに起用されたことでしょうか。
序列的には、今瀬が起用されるはずであったでしょうが、無念の負傷離脱。それでも、ただの穴埋め、代役とは言わせない!という気概が求められるところの起用であったかと。特定のメンバーではなく、チーム全員が一丸となって臨むシーズンにあっては。たとえ出場機会が少なかろうが、鍋田とて立派なカターレの一員。格上の神戸との対戦にあっても、臆している場合ではないぞ、と。
一方の、神戸。
いかに前回対戦の雪辱を期す富山戦とはいえ、リーグ戦仕様のガチメンバーそのままでは、さすがになく。ガチメンバー基準からは数ランク劣るような編成ながらも、それでも。先のルヴァンカップがほぼ2軍ぐらいだったとすると。そのときから6人を変更した今回は、1.5あるいは1.4軍くらいに上げた上で。さらに7人のサブメンバー枠に、武藤 嘉紀、山口 蛍、酒井 高徳、大迫 勇也の、いわゆる四天王を控えさせ。
それでなくとも、一片の油断もなく汚名返上に燃えているメンバーたちにかかれば、勝利そのものは赤子の手をひねるより容易いはすなのに。
富山には、勝たせる可能性を1%たりとも与えないつもりなんだな、と。

まさか、確信犯的な意図をもっての演出とは、さすがに考えたくもないですが・・・。結論から言えば、前半のうちに先制ゴールを許してしまい、ただでさえ格上を相手に追う展開を強いられることとなったのですが、そのゴールの仕方というものが。
ボランチの井手口 陽介による絶妙なスルーパスをゴールラインギリギリで中央へと折り返す、というかたちで。中央で待っていたのは、宮代 大聖。
ディフェンスを引きつけながらの鮮やか過ぎる反転ターン、そのままグラウンダーのシュートをゴールに流し込み、先制。J1レベルとはなにか、一流選手とはなにかを考えさせられる、ぐうの音も出ないゴールでした。
そう、その攻撃パターンが、ルヴァンカップのときとまったく同じ。しかも、同じ前半15分。さらには、「戦犯」という言い方は良くないとは思いつつも、PKを失敗してまさかの敗戦の一因となってしまった宮代のゴール。
宮代にとっては、大きな大きな屈辱を受けた富山戦。汚名返上、名誉回復を期してリベンジにかける意気込みというものは、やはり並みならぬものがあったでしょう。
それでも・・・狙って同じパターン、決めるべき選手が決めてのゴールであったとするならば。釈迦の掌の上の孫悟空どころじゃないぞ、とか。
もちろん、宮代にとってはゴールを挙げられたのでそれでスッキリ、というものでもなかったようで。
前線への抜け出しからディフェンスの寄せもものともしないボディバランスからシュートを放つと、惜しくもポストに嫌われ、といったシーンも。
どうやら、勝つ条件だけ整えてあとは舐めプ、ということにはならなさそうだ、と。

普段のJ3ではまず味わえないような、鋭い寄せにミスを見逃さないプレー精度に。
あからさまな劣勢を強いられるカターレ。
ただ、それでも。
まったくのノーチャンスであったかといえば、そうでもなく。
34分、この日最大のビッグチャンス。
ピッチ中央あたりでのボールの跳ね返しが伊藤に渡ると、そのまま得意のドリブルで突進。GKと1対1という場面を作り出してシュートを流し込むも・・・僅かに枠外、ゴールならず。
これも、経験でしょう。
決めなければならないシチュエーションで、決めきれなかった。もちろん覆水盆に返らずではありますが、それでも。こういったケースで決められるようになれば、伊藤もサッカー選手としてもう1ランクも2ランクもレベルアップできるだろうにーーーそんなシーンであったかと。

思えば、ルヴァンカップのときも前半終了時点では0-1の折り返しでした。
その後の展開を思い返すに、たとえ一方的な展開であろうが、神戸が攻勢を緩めるわけはなく。
むしろ後半に入ってギアをあげてさえいたか、というなか、神戸に追加点。
60分、波状攻撃の勢いそにままに、ジェアン パトリッキがゴールに流し込むかたちで、リードを2点に広げることに。
前回対戦の勝因は、運の要素も少なくないPK決着ということもあるけれど、それよりは“劣勢のなかでも追加点を許さなかったから”という要素が大きかったかと。
前回対戦でもスタメン出場していながら、ゴールを挙げるという役割を全うしきれずに交代となったパトリッキ。その彼にとっても、この天皇杯2回戦はリベンジの舞台として、待ち望んでいたのではなかろうかと。

サッカーのジンクスとして、「2-0は危険なスコア」とよく言われますが。
それは、さらに突き放すのか守りを固めるのかが曖昧になってしまった結果、相手に反撃を許してしまうという状況を戒める教訓でもあります。
ただ。
リベンジに燃える神戸にとってみれば。
一応のセーフティーリードともとれる2点もあれば、あとは流してそれなりにーーーとかヌルい判断など、するわけがなく。
70分には、山口、酒井、大迫の元日本代表の3人を一挙投入。1%にすら満たないかもしれない逆転負けの可能性を、完膚なきまでに潰しにかかることに。
カターレのほうも松本、松岡、瀬良、吉平らを途中出場させて打開を試みるも、やはり奏功せず。劣勢を耐え凌ぐのが精一杯と。

そして、試合終了。
わかってはいた。わかってはいたはす。普通に考えたら、昨季J1王者に歯が立たないことくらい。
たとえ主力抜きでさえも、10回、20回やって勝てるかどうか・・・のところ、1回目で勝ってしまった。
リベンジに向けて、その汚名を雪ぐべく主力投入もいとわない姿勢、それでなくとも勝つしかないホーム・ノエスタで。さらには、富山側にアウェイかつ連戦の影響があるとなれば・・・もともと万に一つも勝てる要素がないようななかで、さらに上乗せ上乗せ、というか。
その結果が、これ。
あたりまえのように、負けた。それ以上でもそれ以下でもなかったかと。

ただ、それでも。
神戸の四天王の投入について。
もちろん、神戸側の都合としてーーー前の公式戦から10日も空いたとなれば、実戦感覚を取り戻すため、という意味もあったでしょうが。
見方を変えれば・・・誰がどう見ても神戸のワンサイドゲーム。そんななかで、わざわざ彼らを出場させる必要があったのか?と。
格下の富山が無様な抵抗を見せた挙句、大事な選手たちに怪我を負わせてしまう可能性も、決してゼロではない。勝ち確の試合で、わざわざリスクを負う必要などなかったのではないか?
天皇杯2回戦の他会場では、福岡が8得点、清水が9得点、広島に至っては11得点もの大量得点でアマチュアクラブをフルボッコにした、という結果がでていますが。
もしも、劣勢に立たされ続ける中で心が折れてしまっていたならば、カターレもまた大量失点・ジェノサイドを受けていたかもしれません。
けれど、そうはならなかった。
最初からリードした段階で舐めプ、ということであれば、リスクを見越しつつ主力投入ということもせず、のらりくらりと時間つぶしに徹していたかもしれません。そうはしなかった神戸。
それは、すなわち。
たとえ防戦一方でも。たとえ逆転の目がほとんどなくとも。
それでも、カターレ富山はファイティングポーズをとりつづけた。
主力投入は、曲がりなりにもルヴァンカップでは勝利し、天皇杯でのリターンマッチを実現させた富山に対する、言わば褒美だ、とでも捉えるのが妥当なのかもしれません。
自分たち流の、出来る限りの「おもてなし」でもって遇するぞ、という神戸の計らいであったかもしれません。

2つのカップ戦が終わり、残りはリーグ戦のみとなったカターレですが。
この先やらねばならないことと言えば、ズバリ、カップ戦での普通では得られない貴重な経験の数々を、リーグ戦での勝利にフィードバックしていくこと。
残念だけど仕方ないね、とか、もともと無理だったものを気にするな、とかいう話じゃない。
実力相応の結果、と言えばそれまでなこの天皇杯2回戦ではあるものの。
この先やらねばならないことはと言えば。
J2復帰という悲願を今度という今度こそ成し遂げること。それによって、神戸の皆さんからも、「ほら、あいつらはやっぱり骨のあるやつらじゃないか」などとお褒めの言葉を賜るような、それくらいでなければ。

大きなチャレンジは、一区切り。
けれど、まだまだ道半ば。
カップ戦は譲れても、J2への道は、譲るわけにはいかんのだ。
次なる戦いに向けて、進み続けていかねばなりません。
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