行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

示した確かな成長の証。勝利こそならずも、首位を圧倒する 大宮アルディージャ戦

2024-06-18 05:07:01 | カターレ富山
1-1のドロー。
正直なところ、なんとも評価の難しい試合となりました。
ここまでわずか1敗、まさに独走状態と言うにふさわしい戦績でもって、今シーズンJ3を席巻している大宮。その実力を遺憾なく発揮された日には、先の札幌戦で途切れた今シーズンホーム公式戦無敗に続いて、リーグ戦でも敗戦、記録断絶もやむなしか?という見方もありましたが。
いざ蓋を開けてみれば。
いったいどちらが首位独走クラブだよ?というレベルで、大宮を圧倒してみせたカターレ。
ただ・・・それを、勝利に繋げられなかった。
試合の大半でこちらペース、大宮にとってはチャンスらしいチャンスもほとんどなかったなかで。
そのワンチャンスをモノにするかたちで、先制点を許してしまい。
試合を支配しながら、その1点だけで敗れて大宮に勝ち点+3追加、そして独走継続、追うカターレが勝ち点0という最悪なケースも想定されました。
それでも、その最悪を回避してみせた。
今節はホームゲーム市町村サンクスデーとして上市町が充てられましたが、その上市町出身のショウセイが、やってくれました。
試合も大詰めの88分、起死回生の同点ゴールを決めて、敗戦を阻止。結果、ドロー決着に。
勝たねばならない試合を落としたとも言える一方で、負け試合でそれを回避してみせた、とも言えます。
いずれにしろ、確かなのは。
ルヴァンカップと天皇杯、その両カップ戦において格上クラブとの対戦で培ってきたチカラ。それが、しっかりとカターレの実力底上げにつながっているということ。
最良の結果にこそつながらなかったものの。
それでも。
この先リーグ戦だけに集中することとなったカターレですが、その行く先に希望を照らす一戦となりました。

気温30℃、雨こそほぼ降らなかったものの、曇り空の下、湿度の高い蒸すようなコンディション。試合中には飲水タイムも設けられた、厳しい状況での試合となりました。
リーグ戦としては、約1か月ぶりのホームゲーム。4011人という動員は、平均3000人を割り込んでしまっている今季リーグ戦として見れば多いほうではあったものの。
8200人の神戸戦、7700人の札幌戦を経験した後、ということで・・・単純な比較は出来ないにしろ、いささか物足りなさというものは、やはり感じました。
6月に8試合組まれている公式戦の5戦目。
GKに田川、左SBに西矢。安光が出場停止で出られないなか、代わって神山を右SB起用。CBは下堂と脇本。河井とボランチコンビを組むのは、大宮U18出身でもある瀬良。2列目には松岡、ヨシキ、吉平と並び、1トップにマテウスが起用されました。
5連戦の5戦目ともなりましたが、しっかりとマネジメント出来ていた選手起用にあっては、それほど心配もなかろうと。首位の大宮がナンボのもんじゃい!というくらいに。

いざ試合が始まってみると・・・。
あれ?こんなもんだっけ?と。
大宮にとっても、リーグ戦金沢・天皇杯京都・リーグ戦富山と続くアウェイ3連戦の3戦目。もちろん全試合同じメンバーというわけにもいかないなかでは、ターンオーバー編成となっていたことでしょうけれど。
それにしたところで・・・ちと、ヌルくありませんか?
ルヴァンカッププレーオフラウンドで、ホーム開催の第1戦で勝ちきれず、第2戦で必勝を期し本気を出してきた札幌。
天皇杯2回戦で、ルヴァンカップでジャイアントキリングをくらったリベンジに燃え、本気を出してきた神戸。
それらJ1クラブの強度を思い出すに・・・やはり、ヌルいと。
J3勢で唯一のルヴァンカップ1stラウンド突破クラブとなったカターレ。
確かに、PK決着など、運の要素もあったことは確かではありますが、それでも。
PKと言ったところで、そもそもその状況に持ち込むまでもなく敗れていては、話にならなかったわけで。格上相手にも喰らいついていったからこその勝利であったことそれそのものは、間違いありません。
首位を独走する大宮よりも、公式戦真剣勝負の場数を踏んでいるカターレ。それは、紛れもない事実であって。その手応えを、こうしてリーグ戦でも発揮していけるならば。巻き返しに向けて、これほど頼もしいことはないと。

0-0で試合を折り返し、勝負の後半へ。
51分に下堂が負傷交代、予期せぬところで川上が代わって出場というアクシデントがありましたが。それでも、試合の流れが変わるまでには至らず。
後半もカターレペース。ならば、いかにチャンスをモノにして決めきるか。
こういった場面で、いたずらに手をこまねいていては、手痛いしっぺ返しをくらうことになるーーーこれまでも何度もあったジンクスですが。
もちろん、そんなのは願い下げ。勝つべき試合を、勝つしかないだろ!
・・・が。
なんというか。良い予感というものは、往々にして無視されたりするのに。
なぜ、悪い予感というものは、かくも的中してしまうのでしょうか。
試合も終盤の82分。
アルトゥール シルバに4試合連続となるゴールを決められてしまい、先制を許すこととなってしまいました。
昨年まで2シーズンに渡ってカターレでプレーし、彼の実力というものは、他クラブの比でないくらいに良く知るところですが。
こういった・・・大宮にとって、劣勢の苦しい場面。なのに、「そんなもん知らん」とばかりに、ゴールを決めてしまうところ。
「良い意味で空気を読まない」という彼のストロングポイントというものは、カターレを離れてなお健在であったということのようで。
それまで、大宮に決定機と呼べるほどのビッグチャンスがあったわけではなく。
まさに、ワンチャンスをモノにして先制、というかたちで。
逆に言えば、劣勢にあってさえもチャンスがあれば逃さない、ということ。
伊達に首位独走を成し遂げているわけではない、チームとしての強さというもの。それを突きつけてきました。

ただ、やられた側のカターレにとっては、たまったものじゃない。
ただでさえ大宮の独走を阻止しなければならないなかにあって、勝たねばならない試合を落とすかたちで勝利を譲り、差を詰めるどころか広げられてしまうーーーそれが、最悪でなくてなんなのか。
しかし、この日の大宮はGK笠原 昂史が大当たり。明らかにビッグチャンスという場面でも、ファインセーブに阻まれてしまい。どうにもこうにも、ゴールが遠い。
ジンクスに屈してしまうのか?
勝つべき試合を落とす、手痛いどころじゃすまない敗戦を、喫してしまうのか?
そんなこと、あってたまるか!

86分、シルバと杉本という得点源を下げて、ディフェンスのテコ入れを図る大宮。これ以上ないくらいに、明確なまでの逃げ切り戦略。1-0であろうがなんだろうが、勝てばそれで良いと。
もちろん、そんなことは許してはならないカターレ。あきらめてたまるか!
その2分後、88分でした。
西矢のスローインから末木、神山とつないでゴール正面へと送り込んだボール、それを思い切りよく蹴り込んだのはショウセイ!
抑えの効いた地を這うようなグラウンダーのシュートがゴールに突き刺さり、ゴール!
土壇場で、カターレのエースが大仕事をやってのけました。
ホーム札幌戦でも、終了間際に決めたショウセイですが。あのときも、0-2の敗戦寸前という状況で、それでも!と意地を示してみせたゴール。
あの経験が、しっかりとリーグ戦でも活きた格好。
そう、伊達に格上相手の修羅場をくぐってきたわけじゃないんだぜ!
その後も、サイドネットを揺らす惜しい場面、良い位置でのFKが直接決まれば・・・というところで決まらず、という場面などがありつつ。
スコアは、そのまま1-1で終了。
勝たねばならない試合を落とした。けれど、負け試合をドローに持ち込んでみせた。
見方はそれぞれではありますが、それでも。
カターレのチカラは、首位の大宮にさえも引けをとらない。
結果こそ伴わなかったものの、価値ある手応えを掴んだ一戦となったのでした。

評価そのものは、別れる試合。
勝利して首位・大宮の独走に待ったをかけねばならなかったところ、それを成し遂げることが出来ず。しかも内容的には圧倒していたにも関わらず、それを勝ち点3につなげることが出来ませんでした。
一方で、試合終盤で先制点を許してしまい、そのままでは負け試合となってしまっていたこともまた、事実。好内容の試合であったからこそ、それを事実上の逆転負けで落としてしまった、相手に勝ち点3を献上してしまっていたとしたならば。そのダメージというものは、いかばかりか。そんななか、最後の最後まであきらめなかったことによって、最悪の事態を回避してみせました。
差を詰められなかったことは、結果的にマイナスではあるものの。
最低限ドローに持ち込んで大宮の連勝を阻止。首位だからと言って、まったく歯が立たない雲の上の存在というわけでもなんでもない。それを確認できたことそのものは、決して無駄なことでもなんでもなかったわけで。ベストではないにせよ、ベターな結果を残すことは出来ました。

得られなかった勝ち点を数えるなーーー昨シーズン、同勝ち点にもかかわらず昇格を逃してしまうという結果をつきつけられたカターレ。そこから得た教訓。
もしも、の話をしていては、キリがありません。
それよりも。
敗退となってしまったものの・・・格上クラブと渡り合ってきたカップ戦で得られた経験値というものは、確実にカターレのチカラになっている。そのチカラを存分に振るったならば、独走首位の大宮にさえも引けをとらない。
そのことを確認できたからには。
シーズン折り返し地点まで、残り3試合という状況ですが。
中位からの巻き返しを図っていくにあたっては、上位相手であろうが心理的プレッシャーなど感じる必要がまるでない。ただひたすらに、勝ちを求めていくだけでいい。
だったら、やるだけのこと。
最良の結果こそ得られなかった大宮戦ではありますが。
リベンジそのものは、シーズン最終戦に組まれたアウェイ戦に譲るとして。
ここで得た手応えを、勝利に、連勝につなげていくためにも。
まずは、次戦・アウェイ長野戦。
大宮を苦しめたカターレの実力がフェイクではないと、勝って、連勝のきっかけとなる勝利でもって、証明せねば。
戦いは続きます。
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