中国に行ってみて日本研究者等と話してみると、
誤った印象を持たれていることがわかりました。
マスコミ報道の性質上、異常な事件だったり、
特殊な意見ほど大きく報道される傾向があり、
そのことが誤った印象につながります。
中国で日本を研究している専門家だったり、
日本語や日本政治を学んでいる大学生でも、
かなり誤解している様子でした。
例えば、彼らは本気で日本の核武装を心配し、
それについて質問してくることもあります。
日本人の感覚で言えば、一部の極右の人たちが、
非現実的な核武装論を唱えることはあっても、
ほとんどの人は核武装なんて考えていません。
それどころか、世論の過半数は原子力発電すら、
反対しているのが、いまの日本の実情です。
原子力発電に反対で、核武装に賛成という人は、
これまで一人も会ったことがありません。
核武装に賛成の人は、一割もいないでしょう。
しかし、中国の有識者は心配しています。
自国はすでに数十年前から核武装しているのに、
日本の核武装を心配するのは変な気もします。
しかし、中国人は日本の核武装を警戒しています。
こういう誤解は解いた方が、良いと思います。>
また、自民党の憲法改正案についても警戒感が強く、
自民党内でさえ自民党憲法改正案の反対派が多く、
憲法改正は難しい点を理解していない様子でした。
日本側にも多くの誤解があると思います。
日本の自衛隊の装備や兵力を丹念に見ていけば、
中国への侵攻・攻撃は不可能だとわかります。 ]
中国人は日本の侵略など恐れる必要はありません。
そのことを中国人もわかっていると思うのが、
平均的な日本人の思考パターンだと思います。>
しかし、日本の侵略を本気で恐れる中国人も、
かなりいるような印象を強く受けました。
中国の国力が増し軍備を増強してきたとはいえ、
米国と日本の同盟軍とは対抗できません。
そのことも中国人は理解していると思います。
数年前に北京で中国の軍人と意見交換しましたが、
彼らは米国、日本、台湾を「悪の枢軸」のように
見なしているように感じました。
日本人も理解しなくてはいけないことは、
中国側が日本や米国を恐れている点です。
第二次大戦では日本に国土の多くを占領され、
朝鮮戦争では米軍に痛い目にあわされました。
中国から見たら軍事的脅威かもしれません。
お互いの恐れや相手に対する過剰評価が、
戦争の原因になったケースは多いです。
過大評価も、過小評価も、どちらも危険です。
相手の見方を見誤ることも、たいへん危険です。
相手のことをよく理解することも重要です。
同時に相手の誤解を解くことも重要です。
相手国の情勢を正しく評価分析することや、
相手国に正しく日本を知ってもらうことに、
もっと力を入れるべきだと思いました。