せっかくそう教えてやったのに、その提言を一蹴するかのように、きょうの各紙が報じた。
「画然とした差がある」として修正に否定的だと(7月10日毎日)。
安倍首相はどうやら見切り発車で安保法案の成立を決めたようだ。
そして、見切り発車は安保法制案だけではない。
ついに川内原発が8月10日にも再稼働するという(7月10日読売)。
誰が見ても杜撰な新国立競技場建設も、「代替案では五輪に間に合わない」(下村大臣)として見切り発車し、10月から着工する(7月10日東京)。
どんなに沖縄が反対しても、辺野古移設はもちろん強行だ。
TPP交渉と言いながら、その実態は日米二国間交渉である米と自動車部品交渉も、対米全面譲歩に向けて最終局面だ(7月10日読売)。
もちろん、70年談話は閣議決定を避けた時点で言いたい放題の談話となる。
どうせ中国や韓国は何を言っても反発するのだから今更妥協など無意味だというわけだ。
ここまでやりたい放題を決めた安倍首相の真意はどこにあるのか。
すべてまとめて国民の信を問えば文句はないだろう、というわけだ。
その言葉とは裏腹に、安倍首相は解散・総選挙を決めたということだ。
いまならまだ勝てる。
いまなら国民の支持は野党には向かわない。
周到な調査に基づいて、そう見切ったのである。
野党はまたしても安倍首相にしてやられることになる。
国会の外の反安倍デモは一体何なのか。
それが政治に反映しなければ安倍首相は痛くもかゆくもない。
彼らはどの政党に投票するつもりなのか。
そう問われた瞬間にデモの機運は雲散霧消する。
安倍暴政を阻止できるのは選挙で懲らしめるしかないのだ。
そして選挙で堂々と迎え撃って大逆転できる策は野党の一本化しかない。
選挙協力とかオリーブの木などという間抜けな策ではない。
反安倍暴政に対抗する新党の結成しかない。
受け皿が一つなのだから、今の世論調査では確実に勝てる。
しかし、新党結成は、今の政党、政治家では100%不可能だ。
なぜか。
政治家のエゴがあるからだ。
それを見越した安倍首相の強気である。
いまこそ新党憲法9条の出番である。
それは既存の護憲・リベラル・左翼政治家の寄せ集めではない。
おなじような顔ぶれが、再び政権欲しさに再登場するような、彼ら、彼女らのための新党ではない。
これまでに一度も政治に登場しなかった者たちが、政治家の特権をすべてを否定し、国民と一緒になって既成政治と戦う、そういう、まったく新しい政党だ。
誰がヒーローになるのでもなく、誰が得をするのでもない、声なき声を政治に代弁する無償の政党である。
そういう政党が国民の気持ちをわしづかみにして日本を動かす時が来なくてはいけないのである。
誰かがそれを言い出さなければいけない。
誰かがそれを始めなければいけない。
そしてその時は安倍暴政が国民をなめきって見切り発車しようとしている今しかない(了)