スポーツ報知 9月16日(水)7時32分は配信
農林水産省が15日、今月7~11日の「野菜小売価格緊急調査」でキャベツが1キロあたり206円となり、平年に比べ41%高いと発表した。今夏の天候不順で育ちが悪く出荷量が減っているためで、他の野菜も軒並み値段が上がり、高止まりの可能性もあるとしている。また、先週の関東・東北水害のため、収穫時期を迎えていた茨城県内の稲作が大きなダメージを受けたことも明らかに。農家、消費者の双方にとって頭の痛い秋となっている。
関東・東北地方に大きな被害を与えた台風や8月の猛暑など、今年の異常気象は食卓にも大きな影響を与えた。大手スーパー「イオン」の東北地方の店舗では、15日のキャベツ1玉の値段は178円。昨年の同時期と比較すると40円高いという。同社では「夏の日照りに加えて、この前の洪水も影響しているようです」とみている。
一方、東京都新宿区の小倉屋青果店では、北海道産が1玉280円。店主の栗林健二さん(72)は「普段は180円前後、安い時は150円くらいなんですけど」。高値の理由は「8月上旬の高気温と最近の長雨。キャベツに虫がわいちゃう。9月に入ると学校給食が始まって需要が上がるし、トリプルパンチですね」と話した。
全国の小売店470店を訪問し、農水省が毎週公表している調査結果で価格の高騰を示した。キャベツ1キロの値段は206円で、2010~14年の9月の平均価格と比べると41%高い数字。キュウリは736円で24%、トマトも796円で13%高かった。
農水省によると、特にキャベツが高いのは、この時期の主要産地である群馬県の嬬恋村で8月1、2日にひょうが降ったため。ひょうが積もってキャベツの表面が傷み、出荷量が減少したことで、店頭で品薄になったことが原因とされている。
今年は「キャベツ受難の年」だ。3~5月に食べることのできる「春キャベツ」は千葉、神奈川が主な産地だが、同地域では日照不足と長雨が続き、思ったような収穫量をあげることができず。それに伴い、5月にもキャベツの値段が高騰した。
今回の水害では茨城、栃木、宮城の各県をはじめとした各地で、農作物にも被害が出た。農水省は影響について「まだ判明していない」としているが、今後の価格動向の不安定要素となる可能性は十分に考えられる。
◆とんかつ和幸「影響はない」 キャベツおかわり自由のとんかつ定食のチェーン店を展開する和幸商事は、価格高騰について安定供給のため、嬬恋村のキャベツ畑と年間契約をしているため「大きな影響はない」と説明した。嬬恋のキャベツ畑は今年、ひょうに見舞われたが、被害は最小限に抑えたという。キャベツのおかわり自由を中止する予定はなく「市場で高い時こそ召し上がりに来ていただきたい」と話した。
◆野菜小売価格緊急調査 小売店の価格動向を早く把握するため、農林水産省が週1回実施している。各都道府県の10店舗(計470店舗)を対象に、現在はキャベツ、レタス、キュウリ、トマトの4種類の価格を調べ翌週に発表する。月に1度の頻度で公表する総務省の消費者物価指数(全国)よりも、足元の動向を速やかに把握できる利点がある。』
お天気を人間の力ではどうすることも出来ません。早く天候が安定して新鮮な野菜が流通するようにお祈りします。