◇学校法人「日本航空学園」に 約50年無断使用黙認

 山梨県内の国有地を地元の学校法人が約50年無断で使い続け、管理する財務 省関東財務局が把握しながら放置した末、2016年5月に評価額の8分の1で売却していたことが明らかになった。国は学校法人「森友学園」への国有地売却 問題を機に国有財産の処分の適正化に着手したが、ずさんな管理と不透明な取引の実態が改めて浮かんだ。

 財務省は国有地を売却した際、原則 的に所在地や買い手、金額、日付といった内容しか公表しておらず、毎日新聞が入手した売買に関する資料などで詳細が判明した。問題の土地は、同県甲斐市の 計約6566平方メートル。学校法人「日本航空学園」が運営する日本航空高校のキャンパス内にあり、同校がパイロット養成用の滑走路などとして使ってい る。

 財務省理財局などによると、国有地は旧建設省が管理して農道や用水路として利用されていたが、1960年代に学園が周辺の田畑を買収して滑走路などを整備した際、敷地内の農道なども無断でその一部にしていた。

 理財局は「土地の管理が旧建設省から移管された67年に無断使用を把握した」としている。無断使用の経緯や当時の交渉に関する記録は残されていないとされ、学園によると、80年代に国と学園が協議をしたものの価格面で折り合わなかったという。

  12年に会計検査院が国有地の処理促進を提言し、交渉が再開。財務局は土地の価格(相続税評価額)を約7180万円と算定したが、学園側は他人の土地を一 定期間占有し続けた場合に所有権を取得できる民法の規定(時効取得)を根拠に「本来なら無償譲渡すべきだ」と主張した。協議の末、財務局は減免措置を適用 し875万円で売却。使用料も減免措置を用いたうえ、民法上さかのぼることができる10年分の計約161万円を徴収した。

 日本航空学園は 「国有地という認識はあったが、国から(使用料などの)請求はなく利用していた」と説明。財務省理財局は「時効取得を主張される前に手続きを進めるべき だった。ただ、土地は他に活用方法はなく法令の基準に則して割引している」としている。【杉本修作、田中理知】

 ◇管理上のミスだ

  明海大の周藤利一教授(不動産政策論)の話 国有地は国民の財産であり、財務局に管理が移管された時点で学園に売却するか、せめて使用料を徴収すべきだっ た。ミスと言われても仕方がない。そもそも時効取得は、期間が超過すれば自動的に認められるものではない。学園に対し、国有地であることを定期的に通知し ていれば時効を主張されなかったのではないか。価格算定が財務省の判断を優先させる制度になっているが、原則プロの不動産評価を前提にすべきだ。

 ◇時効取得

  民法162条で規定され、他人の不動産などを20年間占有した者は、所有権を取得するなどとされている。「所有の意思をもって、平穏かつ公然と」といった 条件が設けられ、賃借を続けていたり、暴力などを用いて居座っていたりするようなケースでは認められない。長く続いた事実状態を尊重し、社会の混乱を避け ることなどが制度の趣旨とされる。』

 

親方日の丸の悪しきお役人気質で、財務省は、国有地、昔の官有地を自分達の損失にはならないので、使用料を徴収も長年放置していたのでは有りませんか。無責任過ぎます。

この国有地が、元旧軍飛行場だったかも分りませんが、

公共用財産 - 国が直接公共の用 に供し,または供するものと決定した国有財産 (国有財産法3条2項2号) 。行政財産の 一種で,理論上は公共用物である。公園、、道路,公園,広場,や公園になっていたのならや公共用財産、行政法上の公物と見なされて、時効取得は、困難なのでは有りませんか。

 

 

公共用財産の時効取得

公共用財産(国または地方自治体の行政財産)については、民法で規定する財産法の規律が及ばず、原則として時効取得の適用がないものとされている。

しかし、判例によれば、公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を全く喪失し、その物の うえに他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されるようなこともなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなく なつた場合には、右公共用財産については、黙示的に公用が廃止されたものとして、これについて取得時効の成立を妨げないとしている[

なお、通説および国側の主張としては、自主占有を開始した時点で、公共用財産が、既に前述の要件に言う状態(既に黙示の公用廃止)であることが必要 であるとしている。また国側の主張としては、公用廃止や機能喪失の有無が比較的な明確な里道、水路等は別段、普通財産のうち山林や原野については(現況の 変更や特段の明示した意思表示が無い限りにおいては)、占有の事実認定が難しいために取得時効の援用は困難であると言う立場を取っている。

https://www.mof.go.jp/about_mof/act/kokuji_tsuutatsu/tsuutatsu/TU-20010330-1268-14.pdf