- 1
維新、「改革」競い自民に対抗 次期衆院選へ公約点検
子育て政策や規制改革など402項目
日本維新の会は次期衆院選をにらんだ公約の総点検をする。14日には8時間かけて所属議員や公認予定者に402項目の政策を解説する勉強会を開く。党の方針への理解を深めたうえで意見を募る。地盤の関西以外に支持を広げる全国政党化が課題で子育てや規制緩和などで目玉政策を探る。
次期衆院選で目標とする野党第1党に向け、自民党と改革路線を競い対立軸にする考えがある。財源の確保など現実的な説明も必要になる。
音喜多駿政調会長が主導し「マニフェスト・ブートキャンプ」と題した勉強会を初めて開催する。2022年参院選で掲げたマニフェストをもとに、経済、社会保障、外交安全保障などのテーマごとに説明する。
オンラインを含め150人規模の参加を予定する。維新は次期衆院選で全289小選挙区への候補者擁立をめざす。出馬予定者は新人が多く、教育体制が課題だ。
音喜多氏は14日の勉強会冒頭に「(地方議員や候補予定者の)急増で粗製乱造にもなるのではないかと指摘されている」と言及した。
「一人一人の候補者、所属議員をレベルアップさせていく」とも語った。有権者が政策について議員らに質問した際に「自信を持って維新としての回答が返ってくる土台づくりをしたい」と意気込んだ。
維新は議員定数や経費の削減といった「身を切る改革」に力を入れてきた。より幅広い層の支持を得るため、地域政党として大阪で実績を残してきた教育の無償化などの少子化、子育て改革の全国展開も訴える。
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)や農業分野といった岩盤規制の改革でも独自色を出せるかが焦点となる。政策勉強会で得た意見や党内での議論を踏まえ、次期衆院選の公約に落とし込む。
維新の馬場伸幸代表は最近、自民党を意識した発言が目立つ。7月23日にインターネット番組で自民党と維新の関係を「第1自民党と第2自民党でいい」と表現した。「自民党との改革合戦が政治を良くする」との文脈だった。
岸田文雄政権では規制改革や子育て改革が進んでいないとの分析が維新内にはある。7月26日の都内での会合では「自民党と維新は保守という原点は同じだが、(違いは)大きく改革をするかどうかだ」と指摘した。
野党は最近の国政選挙で対立軸を明確にできずに敗北し続けてきた。維新は他の野党に加えて、自民党との違いを公約で明確にする方針だ