昨晩お会いしましょう 松任谷由実 東芝EMI 1999-02-24 売り上げランキング : 16,158 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
自分の音楽的ルーツを探求する(単に回顧趣味?)企画第5弾。僕は勝手にプロジェクト・クンタキンテと呼んでいますが。
むかーし”ユーミンが好きな人は上昇志向、サザンが好きな人は現状維持派”とか言われていたのを聞いたことがある。実は僕はサザンにハマれなかった人で、どっち派?と聞かれたら迷わずユーミン。上昇志向?と思ったことはまあまりないけどねぇ。♪帰愁 や ♪まちぶせ ♪いちご白書をもう一度 など、ユーミン作と意識はしなくとも、幼い頃から何気なく耳にしていたユーミンのメロディー。
本格的にユーミンを聴き始めたのは、アルバムで言えば ♪守ってあげたい を収録した「昨晩お会いしましょう」からかな。ド派手な曲は少ないけれど、”歌詞がきちんと耳に残る”佳作ぞろいのアルバム。ユーミンの曲って聴く側の心に染みる歌詞が魅力のひとつだと思うのだ。荒井由美時代の曲はまさにそういう曲が多い。この「昨晩お会いしましょう」は、派手なアレンジがない分だけ、歌詞がひとことひとこと入ってくる。音楽って「聞く」(単に耳で感じる)ものではなく「聴く」(感じ取る)ものだからね。近頃の音楽にノレないのは何よりもそこがあるからかもしれない。しみじみ聴ける♪A HAPPY NEW YEAR や ♪手のひらの東京タワー(野宮真貴が近頃カヴァーしてるよね)のような曲がいい。♪カンナ8号線 のドライヴ感、そして一番好きなのは ♪夕闇をひとり かな。女性ロッカーへの憧れを歌った ♪グレイス・スリックの肖像 は静かだけど音楽をプレイする喜びがにじみ出る秀作。
ユーミンはどのアルバムにもその時期の思い出がある。社会人になったらリゾートしちゃうぞぉ!と思いながら聴いていた「SURF&SNOW」、友達がイチ押し!というのだけれど良さがわからなかった「Peral Pierce」、そのおどろおどろしさが大好きだった名盤「時のないホテル」、コピーバンドするならこれ!と思っていたけれどキャッチーな楽曲に腰が引けて選曲会議に出せなかった「REINCARNATION」(恥)、地味だけどアレンジのかっこよさが光った「ダイヤモンドダストが消えぬまに」、♪埠頭を渡る風のハモリをひたすら練習した「流線型’80」、配偶者アミダラMと一緒に聴いた「ALARM a la mode」・・・。でも久々にユーミン聴きたいなぁと思ったときに手にしてしまうのは、やはり「昨晩・・」だったりする。