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小学校高学年の頃引っ越しをした。近くの社宅に住んでいた男の子と仲良くなったのだが、その友人が僕の音楽的興味を洋楽に向けさせる原動力となった。中学生になって、彼は僕に2枚のLPレコードを聴かせてくれ、この2枚はそれから先長く聴くことになるものになった。1枚はポール・マッカートニー&ウイングスの「グレイテスト・ヒッツ」。そしてもう1枚がビリー・ジョエルの「ストレンジャー」だ。既にビリー・ジョエルの名は知っていたが、アルバムで洋楽アーティストを聴くというのはおそらく初めて(但しビートルズという例外があることを後に知ることになる)。オープニングの排気音から三拍子のラストの曲まで歌詞カード見ながら一生懸命に聴いた。英語のスピードに付いていこうとしていた。♪イタリアンレストランにて・・・は目で歌詞を追うのがやっとだった。今思うとあの頃って腰を据えて音楽を聴けたよなぁ・・・今と違って。
中学3年でピアノを独学で弾くようになり、弾き語りに興味を持つようになった。高校時代の友人とビリー・ジョエルの楽譜を貸し借りしては、次々とレパートリーを増やしていった。♪ストレンジャーのイントロが弾けたときは感動したし、♪オネスティが弾けたときは嬉しかったよなぁ。たった2小節のイントロだけど、あのコードを自分の手で弾けた!という感動はやってみないとわからない。
高校の音楽の時間に実技テストをすることになり、僕は友人Aに手伝ってもらって ♪素顔のままで を歌った。間奏のサックスソロは他の管楽器で演奏した。当時ほんとにピアノに夢中で、自宅では家に帰るとピアノに向かって声張り上げていたから、親は迷惑だったろうねぇ。そのうち自作曲を書くようになるのだが、これもビリー・ジョエルを聴かなかったらしなかった行動だ。最初に「ストレンジャー」を聴かせてくれた友人は、後にそのLPを僕にプレゼントしてくれた。しかも「ニューヨーク52番街」とセットでくれた。今でもその2枚は僕の手元にある。これ以外で好きなアルバムは名曲 ♪ニューヨークの想い を収録した「ニューヨーク物語」。特にラストを飾る ♪マイアミ2017 はビリーの楽曲中で最も好きな曲だ。イントロのピアノは練習しまくったもんだ。かなり前のことだが「FMfan」誌にビリー・ジョエルへの思いを長い文書にして投稿したら掲載してくれた。これも嬉しかったな。