Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

Greateset Albums(その1)甲斐バンドストーリー/甲斐バンド

2005-04-23 | 僕のGreatest Albums


自分の音楽的ルーツを探求しようという企画、その第1弾。今回は甲斐バンド。

小学校高学年の頃、巷で流行っている音楽にやたらと興味を持つようになった。「ザ・ベストテン」のランキングや、ローカルラジオ局の音楽番組のヒットチャートを毎週ノートに記録していたりなんかした。まずは世間がいいというものから聴き始めて、次第に自分の好みが明確になっていく。これは何をするにしてもそうだと思うのだけど、僕の音楽的趣向もそのうち明確になっていく。中学生になり「好きなミュージシャンは?」という質問が友人達との会話に上るようになると、僕は迷わず「甲斐バンド」と答えていた。

思えば甲斐よしひろの詩の世界は、中坊には早すぎる(笑)。でも僕はそこに流れる70年代的な大人の空気をものすごく魅力的に感じていた気がするのだ。
♪あなぁたに抱かれるぅのは、今夜ぁ~あ、限りねぇ(きんぽうげ)
♪あの娘は一世紀前のぉ、セックスシンボルぅさぁ(一世紀前のセックス・シンボル)
♪あたしを捨ててぇ行っちまたぁ、ああぁんたぁのせぇなかにぃ(そばかすの天使)
それにロックバンドなんだけど、どこか歌謡曲なんだよね。
♪北へぇ向かう夜汽車は、オレのぉなぁかのぉ~、心のようにぃすすりぃ泣いてたぁ(安奈)
人生に疲れて北へ向かうという構図は演歌っぽいじゃない?この辺り、僕がマセたガキになっていった原因のひとつとも思われるのだ。

中学時代、好きだった女の子と音楽の話をしていて、僕が甲斐バンドが好きと言うと彼女は言った。
「あの人歌うまい?今度の新曲(♪ビューティフル・エネルギー)で歌っているドラムの人の方が歌うまいじゃない。」
・・・お前にはわからねぇ!甲斐バンドのよさはそんなとこじゃねぇんだよ!。あの哀愁、男の静かなるやさしさが根底に流れる歌詞の良さがさ!。なーんてことを彼女に言い返すこともできずにおりました(笑)。NHK-FMの「サウンドストリート」は中学時代夢中になって聴いた番組だった。そこで流れた数々の曲も僕の興味をかき立ててくれたものさ。今回選んだ「甲斐バンドストーリー」は初期も初期、♪HERO(ヒーローになる時、それは今)までの代表曲を集めたベスト盤。FMの番組で全曲流していたのをエアチェックして繰り返し聴いた。バンドの歴史を網羅したベストも多々あるが、これ程聴きこんだものは他にない。オリジナルアルバムで一番好きなのは、 ♪感触(タッチ) を収めた「マイ・ジェネレーション」だな。

甲斐よしひろ氏の詩は映画にインスパイアされたものが多い。♪男と女のいる舗道、♪3つ数えろ、♪地下室のメロディーなど映画のタイトルからとったものも多い。
♪君はいつまでぇも、銀幕のぉ~ヒロイン、ラストぉシーンは悲ぁ~しぃく
と歌う名曲 ♪シネマクラブ。この後、
♪舗道に影だけを、舗道に影だけを、残してはぁ~
と続き、「第三の男」のラストシーン、歩き去るアリダ・ヴァリを思わせる。
また名曲中の名曲 ♪ポップコーンをほおばって も映画好きでなきゃぁ書けない詩。
こんなところも今の僕を作りあえげた要素となっているのは間違いないだろう。


コメント (3)
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