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僕の音楽的ルーツを探求する(回顧する)企画第7弾はアランパーソンズ・プロジェクトの登場。僕とその仲間達が洋楽に狂い始めるのは高校3年のとき。忘れもしない4月のある日、大分のローカル局で「ベストヒットUSA」の放送が始まった瞬間からだった。それまで大分ではMTVが流れる専門番組もなく、正直言ってそういう番組に僕らは飢えていた。そこに小林克也氏のあの声が響いたから、もう大変。それまで邦楽野郎だった奴らまでもが、一斉に洋楽に目が向いた。そりゃぁもう大騒ぎだった。その記念すべき回の2曲目に流れたのが、♪ドント・アンサー・ミーだった。フィル・スペクター風のサウンド(そんな言葉は当然後に知ることになるけれど)、アメコミ風の映像、美しいハーモニー・・・1曲目のリック・スプリングフィールドの衝撃もこのビデオのインパクトには勝てなかった。
プロデューサーが立ち上げたプログレッシヴロックのプロジェクト。バンドとは違い首謀者はフロントに立つことすらないし、ライブはしない・・・そんな事実が僕の興味を駆り立てた。僕は遡って代表作たるあの名曲♪アイ・イン・ザ・スカイを聴くことになる。その哀愁漂うメロディーとアルバムに収録されたヴァラエティに富んだ楽曲に僕は夢中になった。単なるラブソングを歌っていない。アルバムも統一されたコンセプトの下で製作され、扱うテーマも神秘性・社会性を感じさせる。ちょっと知的なものに憧れていた当時の僕には「好きなアーティスト」と公言するのにこれ程かっこいい!と思えるものはなかったのだ(同じ意味でティアーズ・フォー・フィアーズも好きだった)。思えばその後からプログレ(ちょっと)好きになるのだが、きっかけはおそらくここからだ。
♪ドント・アンサー・ミーを収めたアルバム「アンモニア・アヴェニュー」や「アイ・イン・ザ・スカイ」以外にも好きなアルバムは多い。名曲♪旅人は星を数える(NHK教育「天才テレビくん」でのカヴァーには感動した!)を収めた「ヴァルチャー・カルチャー」、エドガー・アラン・ポーの世界を歌ったコンセプトアルバム「怪奇と幻想の物語」、ロック色の強い「ステレオトミー」、仰天のライブアルバム!「ザ・ベリー・ベスト・ライブ」等々。スケールが大きくて哀愁漂うバラード曲が特に好きだ。