僕の音楽的ルーツを探求する企画第8弾。今回は憧れのアーティストの一人宇崎竜童。ダウンタウン・ブギウギバンドを初めて聴いたのは小学校中学年くらいかな。♪カッコマン・ブギ や ♪スモーキング・ブギ を面白がっていた記憶がある。でもそうした不良っぽいイメージを覆したのは、小学校高学年の頃見た、スタジオ・ライブのようなNHKの番組。阿木燿子をステージ上に招いた竜童氏は「彼女に捧げます」みたいなことを言ってバラードを熱唱した。「くーーーーっ!かっちょいい!」マセた小学生はそう思い、愛する女性に歌を捧げるという行為に猛烈に憧れを抱いた。後にタイロン・パワーの「愛情物語」やジェームズ・スチュワートの「グレン・ミラー物語」の同様の場面に感動してしまうのは、これがルーツなんだ。
さて、宇崎竜童のキャリアの中で最も聴きこんだアルバムは・・・となると、和製ロックのプロジェクト「竜童組」だろう。角川アニメ「カムイの剣」のサントラで和太鼓の林英哲と組んだのが始まり。オープニングを飾る ♪八木節イントロデュース は、ホーンセクションを従えてワイルドに歌う印象的な曲。当時竜童氏がレギュラー出演していた「夜はタマタマ男だけで」という男性オンリーの異色トーク番組でも生演奏されていた。他にも和と要素が巧く織り込まれた曲が心地よい。同番組のエンディングでもあった名曲 ♪新宿レイニーナイト も素晴らしい。最初のリリースではLPに未収録だったがCDには収められている。他にも山口百恵ら他の歌手に提供した楽曲のセルフカバー「しなやかに、したたかに~女たちへ」、ノエビア化粧品のCMでは ♪絶体絶命 をカバーしているのもかっこよかった。最近はこれまでのキャリアを振り返るベストアルバムや、世良公則、岩城滉一とのGENTLE3の活動も話題となった。こういう大人の音楽に酔いたい・・・近頃やたらとそう思うのだが。