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うちのルーク(6歳児)の夏休みの宿題に読書感想文がある。1年生から感想文かぁ、と思ったけれどやらねばならぬ。400字以内でよいのではあるが、小学校1年生が思いつく感想がうまいこと400字で収まるのか、また400字までいけるのか・・・。ルークは本好きな子なのであれこれ家で読んでいる。また読み聞かせは僕も家族も熱心なのでなおさらである。
そんなルークが今回感想文に選んだ本とは今年読書感想文コンクールの課題図書になっている「アリからみれば」というかがく絵本のようなもの。まずルークが口にした感想を書き留める。ここで決して親の感想を入れてはいけないし、親が望むような感想に誘導することもしてはならない。次に組み立てを話し合い、いざ原稿用紙へ。ここでも親の文章にしてはならない。あくまでも原稿用紙の使い方を教える程度にしなければならない。そしてどうにか文章らしきものが完成した。ふぅ。
虫嫌いの僕は正直「アリからみれば」は避けたかった。面白いけど”かがくグラビア”なのね。グラビア見て感想文・・・それは難しい。もう1冊の課題図書である中川ひろたか作の「ないた」の方が僕はグッときたので、できればそっちで書いて欲しかったなぁ。絵本の主人公である男の子は一日一回は泣いている。転んでは泣き、叱られては泣き・・・。でも大人は泣かない。なぜだろう・・・でもお母さんの布団に入ったらお母さんの目から涙が・・・。戦争で家を焼かれて泣いている子供の挿話もさりげなく入っていて、「なく」ということについて考えさせられる、ユーモラスでホロリとくる絵本。先頃永眠された長新太先生の絵がまた見事。ちょっとした線で表情や心情がひしひし伝わるのが魅力。長先生の「へんてこライオン」がルークも僕も大好きなのである。
一応この本も感想文を書く候補だったのでルークに感想を聞いた。すると
ルーク「大人は泣かないよね。僕も大人になったら泣かないようになるかな。」
アナキン「そうだねぇ。」
ルーク「でもさ、ちち(注・”ちち”と呼ばれている)。僕はちちを泣かしたことがあるよ。」
アナキン「いつ?」
ルーク「ほら、ぼくが”いつもおしごとごくろうさま”ってはじめて言ったときだよ。」
アナキン「・・・」
そういうことを作文に書いて欲しかったなぁ・・・と心底思う父親でありました。