Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

tak's Movie Awards 2010

2011-01-01 | tak's Movie Awards
日本アカデミー賞よりも権威はないが、同じくらいに歴史はあるわが映画賞tak's Movie Awards。 中学3年のときに、「ロードショー」や「スクリーン」の真似して始めたものが、もう30年目になっちまった。つくづく僕もバカだと思うのだが、これも映画への愛情表現。作り手がその映画に込めた愛情、観客が銀幕に向けた愛情、過去の作品へのオマージュも作り手の愛情。映画を観ることで様々なことに気づかされたり、知ったり。そして知識となったことにまた愛を感じたり。この年齢になると観る映画がかなり限定されてくるだけに、選ぶ努力をせねばならないというのも現実。 そんな中鑑賞した映画から、今年のお気に入りを発表しまする。

★対象は2010年に観賞したすべての映画(映画館・VTR・DVD・BS・地上波全て含む)。新作・旧作を問わない。
★劇場公開することを前提に製作された映画を対象とする。いわゆるVシネ・OVAなどビデオリリース目的の作品は含まない。

■作品賞=「(500)日のサマー」(2009年・アメリカ)

2010年 最初に行った映画館でこの映画の予告編を観た。ビビッ!ときた。友達が恋人に発展する展開の映画は昔から大好き(例えば「恋人たちの予感」とか)だったけど、この映画には斬新なアイディアと映像があるとともに普遍的な恋愛の確信がある。「すべては偶然の産物。運命と感じるかは自分次第。」予告編でビビッときたことも、大好きなホール&オーツが銀幕から流れたことも、この映画を一緒に楽しんでくれた友達と出逢えたことも、ましてや千円で観られる映画館で上映されたこともすべては偶然。それらを嬉しく、大切に思えるのは、すべて自分自身の心の問題。二つの画面で恋愛の理想と現実を見せられた場面には、これまでの自分の心を見透かされたようで胸があつくなっちまった。「これは恋愛映画ではない」と前置きしている映画でありながら、ここまで恋愛を深く掘り下げた映画はこれまでなかった。

以前に知り合いの元校長先生に「映画をたくさん観る人は恋愛ができる人です。takさんもその一人。」と言われたことがある。(毎年のように言ってる気がするが)こういう映画を観てドキドキできる自分を発見することは、もしかしたらそんなエナジーを補給することなのかもしれないね。

ベスト10
「インセプション」 (クリストファー・ノーラン/2010年・アメリカ)
「インビクタス 負けざる者たち」 (クリント・イーストウッド/2009年・アメリカ)
「カティンの森」 (アンジェイ・ワイダ/2007年・ポーランド)
「(500)日のサマー」 (マーク・ウェブ/2009年・アメリカ)
「17歳の肖像」 (ロネ・シェルフィグ/2007年・イギリス)
「ジュリー&ジュリア」 (ノーラ・エフロン/2009年・アメリカ)
「チェンジリング」 (クリント・イーストウッド/2008年・アメリカ)
「ハートロッカー」 (キャサリン・ビグロー/2009年・アメリカ)
「抱擁のかけら」 (ペドロ・アルモドバル/2008年・スペイン)
「ロシュフォールの恋人たち」 (ジャック・ドゥミ/1966年・フランス=アメリカ)

■特別賞(アニメーション作品賞)=「涼宮ハルヒの消失」(2010年・日本)

ここ数年ほどアニメやコミックに夢中になった時期はない。 職場の何事にもお詳しい同僚やちょいヲタな若い子たちと接していた環境が理由のひとつ。中でも「涼宮ハルヒの憂鬱」にはとにかくハマった。萌え?・・・それも理由のひとつだろうけど(汗)、僕にとっては現実を超越した設定が、高校時代に夢中になった「うる星やつら ビューティフルドリーマー」を思い起こさせたことが何よりも大きい (詳しくはこちら)。ライトノベルはほぼ読破したし、「ハルヒ」と名がつけばとりあえず興味をもってしまう・・・ダメな40代男子になってしまった。いやいや、好きなことを好きと言えないことはよくないことだ !。劇場版単独で「ハルヒ」の世界を理解するのは困難だろう。ハルヒ初心者には、せめてテレビ版の七夕エピソードだけは見ておくことをおすすめするが、それでもきっと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のようなドキドキ感を得られるのではなかろうか。もちろん映画はファンの期待を裏切らず、原作の行間からにじみ出てくる感情を見事に映像化してくれている。原作の「消失編」が大好きな僕は、不覚にも3回泣いてしまった(「グリーンマイル」を観たスピルバーグのコメントみたいだ・笑)。京アニ、グッジョブ!。

■監督賞=クリント・イーストウッド
「インビクタス 負けざる者たち」(2009) 「グラン・トリノ」(2008) 「チェンジリング」(2008)


「今、最も長生きして欲しい映画人は誰?」と尋ねられたら、僕は迷わず「クリント・イーストウッド」と答える。 繰り返し書いてきたことだが、打ち上げ花火のような見世物だらけの現代ハリウッドで、きちんと人間を見つめた映画を撮ることができる監督。しかも国境や時代を超えて、世界に語るべき物語があるうちは死ねない!とばかりに次々と秀作を生み出していくその意欲。そして、僕らはイーストウッド監督のメッセージをきちんと受け継いでいける映画ファンでありたいと思っている。

今年の10人
アンジェイ・ワイダ 「カティンの森」(2007年)
神山健治 「東のエデン 劇場版」(2009年)
キャサリン・ビグロー 「ハート・ロッカー」(2009年)
クリストファー・ノーラン 「インセプション」(2010年)
クリント・イーストウッド 「インビクタス 負けざる者たち」(2009年)「グラン・トリノ」(2008年)
ジム・ジャームッシュ 「リミット・オブ・コントロール」(2009年)
ジャック・ドゥミ 「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)
中島哲也 「告白」(2010年)
マーク・ウェブ 「(500)日のサマー」(2009年)
ニキータ・ミハルコフ 「12人の怒れる男」(2007年)

■主演男優賞=モーガン・フリーマン「インビクタス 負けざる者たち」(2009年・アメリカ)

社会科の教科書でネルソン・マンデラ氏や南アフリカのことを知っていても、マンデラ氏がいかに祖国を愛していたか、その為に人種間の対立を深めてはいけないと考えていたことを、僕ら日本人は知らない。イーストウッド監督は、そのエピソードを単なる美談に終わらせない。人種や国境を越えた敬意を込めて人を賛美している。そんな監督の気持ちを、銀幕で表現したのはこの人の演技あってこそ。この映画を、モーガン・フリーマンが演ずるマンデラを多くの人に観て欲しい。

今年の10人
クリント・イーストウッド 「グラン・トリノ」(2008年)
ジェレミー・レナー 「ハート・ロッカー」(2009年)
ジョセフ・ゴードン・レヴィット 「(500)日のサマー」(2009年)
ジョニー・デップ 「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年)
スティーブ・マックィーン 「ブリット」(1968年)
ダニエル・ディ・ルイス 「NINE」(2009年)
モーガン・フリーマン 「インビクタス 負けざる者たち」(2009年)
ラッセル・クロウ 「3時10分、決断のとき」(2007年)
リー・マーヴィン 「特攻大作戦」(1967年)
レオナルド・ディカプリオ 「インセプション」(2010年)

■主演女優賞=ペネロペ・クルス「抱擁のかけら」(2008年・スペイン)

今年の女優賞はほんっとに悩まされた。アンジェリーナ・ジョリーの絶叫"Did you kill my boy?"は今でも耳に残っているし、バーグマンが年下男性との別れに"I'm old!"と叫ぶのも涙した(NHKドラマ「セカンドバージン」にハマっていたのもその理由か?)。松たか子の淡々とした怖さ、愛を貫くマルティナ・ゲデック、ひっくり返りそうな裏声のメリル・ストリープ、ケイト・ウィンスレットの熱演・・・誰を選んでもよさそうだし。でもそこから選べといわれたらペネロペ!。「抱擁のかけら」の彼女は、ほんとうに輝いている。ファムファタル、わがまま女、恋に燃える女。ペネロペ・クルスの実力と魅力に心から浸れる映画。

今年の10人
アンジェリーナ・ジョリー 「チェンジリング」(2008年)
イングリッド・バーグマン 「さよならをもう一度」(1961年)
カトリーヌ・ドヌーブ 「インドシナ」(1992年)
キャリー・マリガン 「17歳の肖像」(2007年)
ケイト・ウィンスレット 「愛を読むひと」(2008年)
ソン・イェジン 「四月の雪」(2005年)
ペネロペ・クルス 「抱擁のかけら」(2008年)
松たか子 「告白」(2009年)
マルティナ・ゲデック 「クララ・シューマン 愛の協奏曲」(2008年)
メリル・ストリープ 「ジュリー&ジュリア」(2009年)

■助演男優賞=スタンリー・トゥッチ「ジュリー&ジュリア」(2009年・アメリカ)

成功を収めた人の陰には必ずよき理解者とよき協力者がいる。料理の伝道師として成功し人気者になった主人公には、赤狩りという時代の荒波にもまれ続けた外交官の夫の支えがあった。優しく妻を見守る視線、一緒に感動を共有すること、励まし続けること。女性の成功物語である映画で夫婦のあり方を考えさせられてしまったのは、この人の好助演あってこそ。

今年の10人
アンソニー・パーキンス 「さよならをもう一度」(1961年)
稲垣吾郎 「十三人の刺客」(2010年)
ヴァンサン・ペレーズ 「インドシナ」(1992年)
ジーン・ケリー 「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)
ジェーソン・ロバーツ 「大
統領の陰謀」(1976年)
ジェフリー・ドノヴァン 「チェンジリング」(2008年)
ジョセフ・ゴードン・レヴィット 「インセプション」(2010年)
スタンリー・トゥッチ 「ジュリー&ジュリア」(2009年)
デヴィッド・シュリース 「縞模様のパジャマの少年」(2008年)
マット・デイモン 「インビクタス 負けざる者たち」(2009年)

■ 助演女優賞=マリオン・コティヤール「インセプション」(2009) 「NINE」(2009)
 
最近アメリカ映画での活躍がめざましいマリオン・コティヤール。 この2本の映画はどちらも主人公の妻という役どころ。片や主人公を時間の狭間という深い闇に沈み込ませる運命の女。片や女癖の悪い主人公に泣かされる耐える女。どちらでも強烈な印象を残してくれる。「NINE」のラストシーンで、それでも主人公を見守る彼女の姿は優しくそして美しい。次点の菅野美穂が演じた先輩花魁も見事だった。「エコエコアザラク」の頃からいい女優だなぁと思ってたけど、脇役でここまで神々しさを感じたのは初めてだったかも。

今年の10人
エマニュエル・ベアール 「天使とデート」(1987年)
エレン・ペイジ 「インセプション」(2010年)
菅野美穂 「さくらん」(2007年)
シャーロット・ランプリング 「ある公爵夫人の生涯」(2008年)
ジャクリーン・ビセット 「ブリット」(1968年)
ジュディ・デンチ 「NINE」(2009年)
ペネロペ・クルス 「NINE」(2009年)
マリオン・コティヤール 「インセプション」(2010年)「NINE」(2009年)
ダニエル・ダリュー 「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)
メラニー・ロラン 「オーケストラ!」(2009年)

■ 音楽賞=ミシェル・ルグラン「ロシュフォールの恋人たち」(1966年・フランス=アメリカ)

映画が与える夢は人を幸せな気持ちにしてくれる。「ロシュフォールの恋人たち」を観ることの幸福感は、言葉で表現することがとても難しい。オープニングから恋のゆくえにハラハラするラストまで、もうウットリしっぱなし。今年はミシェル・ルグランの楽曲がCMに使われたりもしたし、僕はルグランのベストアルバムを愛聴したし、魅力を再発見した年でもあったかな。

今年の10人
アルベルト・イグレシアス 「抱擁のかけら」(2008年)
カイル・イーストウッド&マイケル・スティーブンス 「グラン・トリノ」(2008年)
椎名林檎 「さくらん」(2007年)
ジョルジュ・オーリック 「さよならをもう一度」(1961年)
ステルヴィオ・チプリアーニ 「ラストコンサート」(1976年)
セシル・コルベル 「借りぐらしのアリエッティ」(2010年)
マルコ・ベルトラミ 「3時10分、決断のとき」(2007年)
ミシェル・ルグラン 「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)
モーリー・イェストン&アンドレア・グエラ 「NINE」(2009年)
ラロ・シフリン 「ブリット」(1968年)

■主題歌賞=♪Cinema Italiano(Kate Hudson)「NINE」(2009年・アメリカ)

10年前、「あの頃ペニーレインと」でバックステージの女神だったケイト・ハドソンが、今度はステージの上でこの上ない輝きをみせる名場面!。ミュージカル「NINE」を代表するこの曲はとにかくかっこいいし、映画への愛情にあふれている。

今年の10曲(挿入歌含む)
♪Alice (Avrill Lavine) 「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年)
♪Alietty's Song (セシル・コルベル) 「借りぐらしのアリエッティ」(2010年)
♪Chanson Des Jumelles (Catherine Deneuve (dubbed by Anne Germain) and Françoise Dorléac (dubbed by Claude Parent)
「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)
♪Cinema Italiano (Kate Hudson) 「NINE」(2009年)
♪futuristic imagination (school food punishment) 「東のエデン 劇場版Ⅰ」(2009年)
♪Gran Trino (Jamie Cullum & Don Runner) 「グラン・トリノ」(2008年)
♪Light Prayer (school food punishment) 「東のエデン 劇場版Ⅰ」(2009年)
♪Non, Je Ne Regrette Rien (Édith Piaf) 「インセプション」(2010年)
♪カリソメ乙女 (椎名林檎) 「さくらん」(2007年)
♪優しい忘却 (茅原実里) 「涼宮ハルヒの消失」(2010年)

▲ベスト恋愛映画=「四月の雪」(2005年・韓国)

ヨン様主演作なので顔見せ映画のように思われがちだけど、僕はフランス映画を観ているような錯覚に陥った。台詞は気が利いているし、ストーリー上で大事なところは映像だけでじっくり見せる演出は見事。僕が「スポットライト」「恋愛時代」と、今年ソン・イェジンに夢中になったのはこの映画のせいだ。ほんとうにラストシーンがいい映画は、きっと忘れられない映画になる。

▲ベストコメディ映画=「ミックマック」(2009年・フランス)

異形なる者、はぐれ者への愛情を描き続ける映画作家ジュネ。ティム・バートンも同様のテーマを追いかけている人だけど、ハリウッドのシステムに属さない分だけジュネ監督は本当に好きな題材を好きなように撮っていると感じる。武器商人をこてんぱんにやっつける痛快さと、フランス映画らしい優しさにあふれた佳作。

▲ベスト活劇=「十三人の刺客」(2010年・日本)

東映時代劇のクラシックといういい素材を、やりたいように大人が遊んで作り上げた快作。華麗な殺陣がみられる映画ではないけれど、武士としていかに生きるか、男としていかに筋を通すかを徹底したエンターテイメント作品として完成させた三池監督の職人芸に映画愛を深く感じてしまうのだ。

▲ベストミステリー/サスペンス=「インセプション」(2010年・アメリカ)

ハリウッド大作を嫌う僕だが、この映画は別モノ。ノーラン監督の個性がエンターテイメントとして見事に活かされていて、これまでにない斬新なSFサスペンスになっている。複雑な多層構造がわかりにくいという声もあるが、ノーラン監督作が 理解しやすかったらそれこそ返金ものでさぁ!。

▲ベスト人間ドラマ=「インビクタス 負けざる者たち」(2009年・アメリカ)

人が人を変える、政治を変える、国を変える・・・マンデラ氏が いなかったら南アフリカってどうなっていたのだろうか。イーストウッドはどこの国を舞台にしてもそこへの敬意を忘れない。単なる美談に終わらない。

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12月31日(金)のつぶやき

2011-01-01 | Weblog
21:03 from web
ミニシアターが次々閉館しているなんて・・なんとも悲しいですね。一過性の動員数を伸ばすことだけでなく、鑑賞者を育てることこそ映画界は取り組むべきなのだ。☆恵比寿ガーデンシネマ、休館決定!17年の歴史に幕!ラストはウディ・アレン『人生万歳!』 http://bit.ly/hKGN1I
21:50 from web
ドリフの年末特番で「とべ!孫悟空」を30年ぶりに見て大感動。うちの子たちもコントに大ウケしてる。今のお笑いってドタバタがないから新鮮なんだろう。ヒゲダンスの真似して遊び始めた子供をやっと鎮めたのは9時頃のこと。だって紅白が水樹奈々の出番だったんだもん!さあ!次はPerfumeだ!
by t_somelikeithot on Twitter
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Greatest Albums(その3)Arrival/Abba

2011-01-01 | 僕のGreatest Albums


自分の音楽的ルーツを探求するシリーズ第3弾。この辺で洋楽を取り上げよう。本格的に洋楽を聞き始めたのは小学校高学年、アバが最初だった。もちろん、多くの人々と同じように ♪ダンシング・クィーン がきっかけ。もう少し上の世代だと初洋楽はBCRになるのだろうけど、BCRへの世間の熱狂ぶりは小学校低学年のガキンチョにはわからなかった。アバに関してはとにかく夢中になった。口パクだってわかっているのに、TV出演している音楽番組をわざわざラジカセで録音しなおしていた自分が、今思うと恥ずかしい。小学校6年のとき、映画「アバ・ザ・ムービー」が公開され(同時上映はジョン・デンバーとジョージ・バーンズ共演の「オー・ゴッド!」だった)、近眼少年はワクワクしながら観に行ったもんです。今をときめくラッセ・ハルストレムが監督していたというのは、後から知ったことだけど劇場で観ておいてよかった、と心底思う。思えばポスターを部屋にはった初めての洋楽アーティストだったな。ウン。

ヒットチャートでのアバは80年代に入って急速にその影を潜めることになるのだけれど、ミュージカル「チェス」で男性陣が、女性陣がソロアルバム出したりするのはやはり注目していた。アグネッタがピーター・セテラとデュエットした曲もありましたよね。

この「アライヴァル」は♪ダンシング・クィーンはもちろん、♪ザッツ・ミー、♪ノウイング・ミー、ノウイング・ユー、さらに今やうちの6歳児までもが口ずさむ♪マネー・マネー・マネー(笑)まで収録した捨て曲なしの名作。楽曲としては、このアルバム以外にも好きなものはたくさんある。例えば ♪サマー・ナイト・シティ や ♪ダズ・ユア・マザー・ノウ あたりのノリのいい曲たちは、アバのコピーバンドやろ!と言われたらすかさず選曲会議に出すだろう。誰かコピーバンドやりません?(どこでだ)。


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県庁の星

2011-01-01 | 映画(か行)
 
■「県庁の星」(2005年・日本)

監督=西谷弘
主演=織田裕二 柴咲コウ 石坂浩二 酒井和歌子

公務員はマスメディアにバッシングされがちだ。税金とってる側だし、当然見る目も厳しくなる。仕事でも異なる感覚の面があるのも事実。この映画でも「採算は関係ないでしょう」とか、「予算は使い切らないと」とか、「書類作れてナンボだろう」とか、ステレオタイプな公務員像が描かれる。民間企業で日々やかましく言われている「原価意識」とは程遠い感覚に映る。

そうした世間一般と違う感覚の人々を描くことから始まったのが、この映画の原作本。だから、この映画で公務員の仕事現場を知ろうと思って観てはいけない。どちらかというと”民間からはこう思われている”という映画だし、決して公務員、というか政治の世界をよく描いた映画ではないのだ。でもよーく考えて。多くの地道に仕事している一般の公務員は、こんな人ばっかりじゃない。

しかし、この映画は地方自治体を叩く物語ではない。世間と違う感覚の主人公が成長する物語としてなかなか面白い。クライマックスの県議会の場面、予算削減を提案する主人公が民間で学んだこととしていくつかの事項を挙げる。違う世界に生きてきた人同士が次第に理解し合う物語の展開は、ちょっとベタだけど決してクサくはない。成長物語としての感動があるからだ。しかしそれは意外な形で裏切られる。結局これが今のニッポンであるのかもな。それでもラストシーンはささやかな改革が実行されるところで幕を降ろす。

柴咲コウが健気にしっかり生きてる女の子をリアルに好演。彼女のちょっとした心遣いにこっちまでウルウルきちゃう。織田裕二はいつもの熱血漢ぶりは控えめだけど、こんなにいけ好かない役柄も珍しい。それが変わっていくのは、上手いなと思った。



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