仲良しの
ポップンポールさんと、近頃始めたばかりの
twitterで会話していて、もち上がった緊急企画。これまでも「好きな××10選」と題して、
尾崎亜美、
YMO、
ビリー・ジョエルなどやってまいりました。何故か今回はオフコース。しかしこれは僕にとっては自虐的な企画。中学生のときに好きだった女の子Cちゃんがオフコース熱烈ファンで、僕は彼女に振られて以来オフコースを封印していた。ボーリング場で「さよなら」が流れると動揺してガーターを連発するようになったり、CDショップで小田和正の声が聞こえると売り場を立ち去ったり。しばらくアンチオフコースを宣言していた。でもね。実はいろんな意味で好きだった楽曲はある。数年前に突然「愛をとめないで」が聴きたくなってレンタルして数日オフコースを取り憑かれたように聴き続けたことがある。やっぱり心のどこかに残ってるんだよね(その模様は
こちら)。
■眠れぬ夜
上記のCちゃんと僕はクラスでも席が近かった。音楽の話題でよく話したっけ。彼女と初めてオフコースの話をしたとき話題に上ったのはこの曲。「詞がいいんよね」。あの頃聴く音楽って愛だの恋だのばかり。そういえばオフコース楽曲は”愛”がつくものが多い。でも「眠れぬ夜」はちょっと違う。
あれが愛の日々ならもういらない
愛にしばられて動けなくなる/何気ない言葉は傷つけてゆく
愛のない毎日は自由な毎日/誰も僕を責めたりできはしないさ
・・・愛って窮屈なもの。そういう感覚は恋に恋する年頃にはよくわからない。でもそれを感じさせるフレーズが、妙に心に残ったのは確かだ。愛は窮屈。それを僕に再び歌で聴かせることになるのは槇原敬之の
「ANSWER」だったりするのだが。
| 眠れぬ夜 オフコース EMI MUSIC JAPAN INC. |
■愛をとめないで
僕がオフコースの楽曲を初めてすごい!いい!と思ったのは「愛をとめないで」。今でもこの曲は究極のラブソングだと思うのね。歌うのは惜しみない愛情。それを告白する男の純なる心情が今聴いても胸を打つ。
僕が君の心の扉を叩いてる/君の心がそっとそっと揺れ始めてる
愛をとめないで/そこから逃げないで
僕の人生が二つに分かれてる/そのひとつがまっすぐに・・・
エンディングの余韻は何度聴いてもいいよね。起伏のあるアレンジは、一節にはボストンの影響とも言われているようだ。後にプログレ好きになる僕にとっては好きになって当然だったのかもしれない。ピアノで弾き語りしたいなぁ。
■思いのままに
伝わらない思いでも自分の思いにまっすぐ。そんな男の歌は僕らを恋愛に対してポジティブにしてくれる。この曲はそんな一曲。”歌に思いを託す”というシチュエーションは小田和正楽曲には多いよね。でもそれはとってもロマンティックだし、その気持ちは音楽を愛する人ならきっと共感できるはず。
ひとつの夢をいつも僕は追いかけてた/ひとつの歌にその夢をのせて歌った
君にはただの愛のうたも/僕にはこんなに切ない愛の調べ
君は君の歌うたえ/僕はこの思いを調べにのせて
| 思いのままに オフコース EMI MUSIC JAPAN INC. |
■僕の贈り物
小田和正のやさしさを感じる曲、というと僕はすぐにこの曲を思い浮かべる。綴られた手紙のような詞に懐かしさを感じる穏やかなメロディーが心に残る。
冬と夏の間に春をおきました/だから春は少しだけ中途半端なのです
このころはなんとなく心楽しくて/知らないうちに誰かをすきになったりします
それでも好きな人ができなかった人のために/この歌は僕からあなたへの贈り物です
自分が秋生まれだからからか・・・「中途半端なのです」というフレーズに愛着があるんだよねぇ。
| 僕の贈りもの オフコース UNIVERSAL MUSIC LLC |
■一億の夜を越えて
実は鈴木康博の楽曲がかなり好き。こういうロック系の曲がオフコースの楽曲の幅を広げ、魅力を増しているよね。
いくつもの靴をはきすてた/いくつもの夜が流れた
誰かが言った回り道してる/いいさいいさもう迷わない耳をかさない
突っ走るだけ一億の夜を越えて/信じるがまま心叫ぶまま
この疾走感がたまらなかったなぁ。
■save the love
鈴木康博の曲でいちばん好きなのはやっぱりこれ!。8分間に及ぶ大作でカンサスやボストンを思わせるプログレ的な楽曲。
涙あふれるならあふれるままに/怒り止まらないなら戦うがいい
その繰り返される詞に初めて聴いたときは心を支えられたような気になったものだ。大学時代に友人がバンドでやろう!と言っていたけど実現しなかったなぁ。この曲はやっぱりライブ盤で聴きたい。
■生まれ来る子供たちのために
大ヒットした「さよなら」の後にリリースされたシングル。地味な印象だが、それだけ聴いて欲しかった曲。今この年齢になって改めてこの曲のよさ、書かれた意味がわかる気がする。あの頃は若すぎてわからなかった。オフコースが歌ってきた”愛”がいかに広いものだったのかを思い知らされる。
君よ/愛する人を守り給え
大きく手を広げて子供たちを抱き給え
ひとりまたひとり/友は集まるだろう
ひとりまたひとり/ひとりまたひとり
■たそがれ(ENDLESS NIGHTS)
大学時代同じアパートに住んでいた古くからの友人は熱烈なオフコースのファン。その頃僕は洋楽かぶれ時代で、またアンチオフコースを宣言していた。しかし彼のあまりの勧めにアルバムを聴かされたりすることになる。その中でとっても気に入ったのが「たそがれ」。ランディ・グッドラムが書いた英語詞である「ENDLESS NIGHTS」を日本語詞でシングルにしたもの。やさしいメロディーとボーカルの掛け合いが美しい。TOTOに夢中になってた頃だからかなぁ・・・。
夕陽がおちるビルをよこぎって/やがてみんな見知らぬ人になる
過去も未来も別れも出会いも/ひとつになって静かに時はとまる
愛はたそがれ/光と影に酔い/すべては夢うつつ
■夏の終り
多くのアーティストにカヴァーされるオフコースの楽曲。なかでも矢野顕子がアルバム「峠の我が家」でカヴァーした「夏の終り」は名曲。季節の変わり目に置き忘れたような切なさと、伝わらない思いの切なさがこの曲からはにじみ出てくる。
夏は冬に憧れて/冬は夏に帰りたい
あの頃のこと今では素敵にみえる
やさしかった恋人よ/そのあと何を言いかけたの
僕の言葉があなたをさえぎるようにこぼれたあの時
| 夏の終り オフコース UNIVERSAL MUSIC LLC |
■愛の唄
オフコースを敢えて避けていた頃、聴かない理由を尋ねられて楽曲のもつ優しさを「なんか甘くって・・」と言っていた気がする。でも前述のとおり、オフコースが歌ってきた”愛”は恋愛という限定されたものではない。あの頃はそれがわからなかったのかもね。「愛の唄」はそんな優しい愛情を歌った典型のような曲。20年ぶりに聴いたとき、僕はこの曲の歌詞を一言も間違えずに歌えた。歌詞カードも手元にないのに。それだけ自分の中に刷り込まれていたのかなぁ。
泣きぬれてただ一人/さみしいたそがれには
恋人よ/振り向けばやさしい思い出をあげよう
| 愛の唄 オフコース EMI MUSIC JAPAN INC. |
・・・と10曲選んでみました。あれ?アンチオフコースだったくせいに意外とちゃんと聴いてるんだなぁ・・・。これで中学以来の封印は完全に解けたかな。ご意見ご感想お待ちしております。