■Children Of The Light(光の天使)/Rosemary Butler
from「幻魔大戦」(1983年・日)
監督=りんたろう
声の出演=古谷徹 小山茉美 池田昌子 江守徹
僕は平井和正の原作を読んだことがないので、物語全体をどうこう言うことはできない。おまけにキャラデザインの大友克洋も特に好きでもないので(劇場版の「AKIRA」は観て気分が悪くなった・笑)、そっちはその道の方がネットにはうようよいるだろうから、お任せするとして。僕はこの映画の音楽について語ることにしませう。
このSF絵巻のサントラを担当したのは、青木望氏とキース・エマーソン大センセイ(笑)。プログレ(少し)好きな鍵盤弾きの僕にとっては信仰の対象!(言い過ぎ)。キース先生は、ELPの活動から離れた80年代、映画音楽をちょくちょく担当していた。代表作は、ダリオ・アルジェント監督の「インフェルノ」やスタローン主演のポリスアクション「ナイトホークス」。一方で、青木望氏は「銀河鉄道999」の音楽を担当していた方で、暖かみのあるストリングスの音色が印象的な曲を聴かせる。さらに、ハルマゲドン序曲 では和太鼓の佐渡國鼓童が参加。異なるスタイルの音楽家コラボレーションだけに、ミスマッチを感ずる方も多いとは思う。しかしそれぞれの楽曲には面白いものもある。例えばラストを飾る壮大なプログレッシヴ・ロック 地球を護る者 は、キース先生の作風からすれば妙に明るいが、なかなか聴き応えがある。
さて、日本のチャートでも上位にランクインした主題歌 Children Of The Light(光の天使) に話を移そう。歌っているのはローズマリー・バトラー。この前年、角川映画「汚れた英雄」の主題歌 Riding High(汚れた英雄) が日本国内では大ヒットを記録した。彼女は70年代にガールズグループのヴォーカルでデビュー、以後ボニー・レイット、ドゥービー・ブラザース、リンダ・ロンシュタットらのアルバムでセッションヴォーカリストとして活動した。ボズ・スキャッグスやジャクソン・ブラウンのツアーメンバーとしても活躍した。ソロでの目立った活動はこの角川映画が最初と言ってもよい。このヒットの後、ソロアルバムがリリースされている。Children Of The Light(光の天使) は、キース先生のペンによるスケールの大きなバラード。サビのハリのあるヴォーカルは、初めて聴いたときゾクッ!としたものだ。四分音符を刻むオルガン風の音色、イントロの美しいシンセストリングスは印象的だ。いつかこの曲演奏してみたい!。これは僕の長年の想いなのだが、実現のメドはついていない(泣)。
※Keith Emersonの曲が流れる80年代の主な映画
1980年・「インフェルノ」 (音楽担当)
1981年・「ナイトホークス」 = I'm A Man (音楽担当)
1983年・「幻魔大戦」 = Children Of The Light 他 (音楽担当)
1984年・「マーダーロック」 = (音楽担当)
1989年・「デモンズ3/ザ・チャーチ」 = (音楽担当)
※Rosemary Butlerの歌が流れる80年代の主な映画
1982年・「汚れた英雄」 = Riding High(汚れた英雄)
1983年・「幻魔大戦」 = Children Of The Light(光の天使)
1983年・「ウイニングラン」 = Call Of The Winds(ウイニングラン)
1984年・「愛情物語」 = Chotto Matte Kudasai Call Of The Winds(ウイニングラン) When A Man Loves A Woman(男が女を愛するとき)
1985年・「シャイなラブレター」 = Just A Dream Away (with Arnold McCuller)
幻魔大戦_予告篇