- 80's Movie Hits! - 目次はこちら
■Paradise/Phoebe Cates
from「パラダイス/Paradise」(1982年・カナダ)
監督=スチュワート・ギラード
主演=フィービー・ケイツ ウィリー・エイムス リチャード・カーノック
80年代銀幕アイドルの中でも、特に日本での人気が高かったのは何と言ってもフィービー・ケイツだろう。母親が中国系なので、ルックスが日本人にとっては親しみやすい。ピンク色のビキニがまぶしかったビールのCFを覚えているでしょうか?。ディスコでスカウトされた後、「セブンティーン」や「エル」誌で表紙を飾るモデルとなった。雑誌を見たプロデューサーが彼女を気に入り、カリブ海でモデルの仕事中の彼女にスクリーン・テストしたい旨の電報が届く。そして、いきなり本作での主役デビューとなった。
砂漠のオアシスにティーンエンジャーの男女(と猿が1匹)が取り残され、いつしか二人は愛と性に目覚める・・・とまぁ「青い珊瑚礁」の陸地版というお話(先に製作した方が勝ちだからこんな言い方されるんだろうけど)。当時高校生だった僕らには「パラダイス」は衝撃でした。洞窟で水浴びする場面、水面にトップレスの自分を映す場面、お話はどうでもよくって目に焼き付いたシーンの何と多いことか。「ゴールデン洋画劇場」で予告編が流れた翌日はクラスでも話題になっていたし、親の目を気にしながら観たよな記憶が・・・。あぁ若気の至り。でも不思議といやらしさはなく、健康的なイメージの方が先だったけど。フィービー本人が歌う主題歌 Paradise は、イタリア・チャートで10週連続首位を独占した記録がある(ちなみに「ラ・ブーム」の主題歌 Reality は8週連続首位だったとか)。この曲の作者は、ドーンの大ヒット曲 Tie A Yellow Ribbon Round The Ole Oak Tree(幸せの黄色いリボン) を手がけたL・ラッセル・ブラウン。歌詞の中に
♪you kissed me once, I kissed you twice~
と出てくるのだが、これって女のコの方が積極的なお話だからこんな歌詞なんだ、とか言いながら仲間内で納得していた(恥)。
本作を含む初期3作品はヌードシーンがあったが、以後そうした場面は全くなくなり、スピルバーグに起用された「グレムリン」でファン層を広げた。それからは「天使とデート」や「再会の街 ブライト・ライツ ビッグ・シティ」などがあるが、あまり目立った役柄でもなかった。ケビン・クラインと結婚し、現在は舞台での活動が多くなっている。チェーホフやシェークスピア作品を演じているそうだから、「初体験リッジモント・ハイ」でニンジンしゃぶってる彼女しか知らない輩は驚きだろうな。2001年には、その「リッジモント・ハイ」でフィービーに性の手ほどきを受けていたジェニファー・ジェイソン・リー監督作「アニバーサリーの夜に」で久々の映画出演をした。ともあれ80年代青春組の僕らにとっては、あの「パラダイス」の”水浴び”と「リッジモント・ハイ」の”赤いビキニ”で永遠の存在となったのだった(笑)。