◾️「マスク/Mask」(1994年・アメリカ)
監督=チャック・ラッセル
主演=ジム・キャリー キャメロン・ディアス ピーター・リーガート ピーター・グリーン
表情の豊かさで笑いをとれるジム・キャリー。同じコメディアン出身の男優では、ウディ・アレンやロビン・ウィリアムズ、スティーブ・マーチンみたいに話芸で笑いをとる人が好きなもので、ジム・キャリーのニッタニタして笑わせてしまう芸風をすごいとは思うけど、好みではない。
そんな彼の芸風を最新SFX技術でデフォルメさせたヒット作がこの「マスク」。原作はコミックなんだそうで、銀行に勤める冴えない男が偶然拾った古代の魔法のマスクでコミカルなスーパーマン に変身するお話。その活躍ぶりは、それまでの生活で抑圧されていたものが一気に爆発するような迫力である。密かに憧れていたギャングの情婦(これが女優としては本格的な出演作となったキャメロン・ディアス)のハートも射止めてしまうことに。しかしマスクの力に頼らず、自信ある一人の男として行動するラストは予想通りなんだけど、すっかり乗せられてしまう。
最大の見どころは特殊技術によるオーバーなギャグとアクション。飛び出す心臓や眼玉、落ちるアゴ。アニメーションでしか表現できなかったりギャグを実写映画でやっているのは特筆すべき。ラテン系ダンスミュージックが流れるミュージカルシーンも楽しい。肩の力を抜いて、流れに逆らわず楽しむべし。
☆
…と1996年の僕のメモに書いてあるのだが、2020年目線だとこの程度のCG合成なんて今や当たり前。「マスク」は確かに楽しかったけど、CGが笑わせてくれるならコメディアンいらないよねと、意地悪な気持ちでもあったんだよね。