◼️「リトル・ミス・サンシャイン/Little Miss Sunshine」(2006年・アメリカ)
監督=ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ハリス
主演=グレッグ・キニア トニ・コレット スティーブ・カレル アビゲイル・ブレスリン
不祥事で活動自粛していた映画コメンテーター有村昆氏が、テレビ番組「ロンドンハーツ」でイジられてるのをテレビで見た。ひと言だけインタビューして引っ込ませる意地悪な企画。唯一の質問は「活動自粛中にどんな映画を観てましたか」。自分の蒔いた種で離婚にも発展した。映画で発散してたのかな、逆にどーんと重いの観てたのかな。有村氏の答えは「リトル・ミス・サンシャイン」だった。
ミスコンの全米大会に、7歳のオリーブが繰り上げで地区代表として出場できるようになった。オリーブの父親リチャードは自己啓発セミナーでひと山当てると意気込んでおり、母シェリルは気が気でない。さらに自殺未遂をしたシェリルの兄フランクと一緒に暮らすことになり、オリーブの兄ドウェーンはパイロットになる夢を達成するまで口をきかない無言の誓いを実行中。オリーブのミスコンの振り付けを担当したのは、ドラッグ中毒で口の悪い祖父エドウィン。問題だらけの家族は、フォルクスワーゲンの黄色いバンで一路、ミスコン会場のあるカリフォルニアを目指す。その珍道中を描いた物語。
カリフォルニアへの道中は、次々と事態が悪化していく。冒頭自信満々だったリチャードは自己啓発セミナーのアイディアが受け入れられず、破産の危機。ドウェーンはパイロットとなる上での更なる問題が発覚。そして祖父エドウィンが…。映画とはいえ、ここまで追い詰められるなんて…と辛すぎる展開に驚くが、そこを勢いと話しかけるフランクの優しさで乗り越えていく様子が面白い。特に祖父の× ×が積まれた荷台を警察官に見られる場面の緊張感と、予想を超えたトラブル回避に大笑い。
ミスコンに集う人々のお高く止まった感は、様々な映画で目にしてきたが、主催者側まで選民意識に支配されてるような様子にイライラする。オリーブには世界が違うぞ。出場をやめさせようとするリチャードとドウェーンだが、ここまで頑張ってきたからとオリーブはステージに向かう。ここで祖父の振り付けがとんでもない事態を引き起こす。
ダメだよ!おじいちゃん!🤣
ミック・ジョーンズのSuper Freakをバックに開き直った家族が繰り広げる大騒ぎ。サイコーやんw。
「女とヤリまくれ」とけしかける祖父役アラン・アーキン。経験こそ価値みたいな言い方するお年寄りいるよね。ここにちょっとイラッとしたが、ところどころ良いこと言う。「お前は内面も外見もキレイだから大好きなんだ」言われたら嬉しいよな。
やってることはやっぱり問題だらけなんだけど、この旅で一家の結束力はきっと高まったはず。そして観ている僕らを勇気づけてくれる行動や台詞が散りばめられていて、とても励まされた気持ちになる。ポンコツ車で走り出す一家に幸あれ。