◼️「銀河鉄道999/The Galaxy Express 999」(1979年・日本)
監督=りんたろう
声の出演=野沢雅子 池田昌子 肝付兼太 井上真樹夫 麻上洋子
松本零士作品には「宇宙戦艦ヤマト」以来夢中になった。スポ根や屈強な男子が殴り合うようなコミックに馴染めなかった少年にとって「銀河鉄道999」は、作品世界を空想することでさらにイマジネーションが広がるのがたまらない魅力だった。テレビシリーズは小学校高学年の頃に放送開始。最終回は中学の部活で放送時間に間に合わないから、学校隣の文房具屋さんで「おばちゃん!お願いだからテレビつけて!999の最終回見せて!」と頼み込んで友達と一緒に見たっけ(恥)。
さてその劇場版。公開されたのは中学1年の夏休みだった。叔父に連れて行ってもらったのだが、なんと「エイリアン」第1作とハシゴ鑑賞する羽目になる。「私はあなたの青春の幻影」「さらば少年の日よ」に涙した数時間後、不気味なクリーチャーと流血に少年は絶句した😱。リドリー・スコットとH・R・ギーガーに感動をグチャグチャにされた少年は、さらに銀河鉄道999、松本零士作品に夢中になるのだったw。
東映動画の、いや日本映画の大傑作の一つ。あの上映時間の中に途方もない物語のエッセンスを綺麗に収めたことがまず見事。松本零士センセイの訃報を聞いた晩に改めて観たのだが、無駄が全くないことに驚かされる。原作からセレクトされたエピソードがうまく構成されていて、劇場版だけの新たな展開も加えられている。それらのどこが欠けても言葉足らずになるし、映画の魅力が損なわれてしまう。見せ場をつなぐパートも登場人物を掘り下げるのに重要な描写があり、全く飽きさせることはない。
ハーロック登場場面のカッコよさ、アンタレスの男気。ほんとにいい台詞がいっぱい。
この映画で鉄郎が着てたロング丈の緑色のジャケット。真似したくて、似たデザインのデニムジャケットをオーバーサイズで着ていたことを思い出した(恥)。それだけ当時の僕はこの作品に愛着があったのだろ。
松本零士センセイのご冥福をお祈りします。