Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

引き裂かれた女

2025-01-25 | 映画(は行)


◼️「引き裂かれた女/La Fille coupée en deux」(2007年・フランス)

監督=クロード・シャブロル
主演=リュディヴィーヌ・サニエ ブノワ・マジメル フランソワ・ベルリアン

お天気キャスターのガブリエルは、母が経営する書店で開催されたサイン会で中年作家シャルルと出会う。シャルルに夢中になった彼女。一方で富豪の御曹司ポールがガブリエルにアプローチをかけてくる。シャルルは妻と良好な関係でありながらも、奔放なナイトライフを送っていた。この人間関係が悲劇に向かって動き出す。実際に起こった建築家殺害事件を基にしたクロード・シャブロル監督の愛憎ドラマ。

マチルダ・メイ出演作を検索していて見つけた作品。おーっ、サニエたん♡主演なら挑んでみるかと観る候補に挙げていた。

シャルルの仕事場でもあるアパルトマンをガブリエルが訪れて、今までも女性を連れ込んだんでしょ?と尋ねる。マチルダ・メイ演ずる担当編集者とも、きっといろいろあったに違いないと、観ているこっち側も勝手な想像をしてしまう。「君が最後だ」と答えるシャルル。それまでの彼、彼の人柄、目の前にいるガブリエルに彼がどんな気持ちでいるのかが、短い台詞なのにバシッと伝わる。にもかかわらず、ガブリエルを突然冷たくあしらうシャルルの仕打ちは酷いよな。

御曹司役のブノワ・マジメルは、観客を嫌な気持ちにさせる役割をうまく演じている。世間知らずのボンボンで言動にはイライラさせられる憎まれ役だが、世間ズレしていないピュアな一面をチラッと感じさせるのがいい。

人気キャスターだったヒロインが事件後に受ける仕打ちも酷い。そんな彼女に再び小さなスポットライトが当てられるラスト。映画前半との表情の変化こそが悲劇の重さ。

男と女にまつわるディープな話だが、シャブロル監督は無駄にエロスを映像に持ち込まない。美女ぞろいのキャストだけに物足りなくも思うけど、それよりもままならない人間模様こそが監督の視線の先にあるのかと。





コメント
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