◾️「キングダム 大将軍の帰還」(2024年・日本)
監督=佐藤信介
主演=山﨑賢人 大沢たかお 吉沢亮 清野菜名 小栗旬
第1作を観た時、妙に居心地が悪かった山﨑賢人の今どきヤンキーな口調。礼儀知らず世間知らずなのに、さすがに4作目にもなるとこれが頼もしく聞こえてくるから不思議。本作のラストでは、兵士たちに語りかけ、大将に代わって号令まで。出しゃばりにも程がある。でもその図々しさも許せてしまう頼もしさ。将軍の馬からの景色を覚えておきなさい、と言われる場面の、これまでにない真顔とまっすぐな視線。信の成長物語はまだまだ止まらない。やっぱり面白いな、このシリーズ。
「キングダム」は人の上に立つ者はどうあるべきか、というリーダー論を、主人公信と一緒に様々な登場人物から考える物語でもある。人の痛みを知るからこそ戦のない世のために中華統一を目指す秦王、第2作に登場する麃公(トヨエツ)の大局を見る戦運び、先頭に立って突っ走る縛虎申、それぞれの立場で発揮されるそれぞれのリーダーシップ。そして人柄も実力も兼ね備えた天下の大将軍王騎(大沢たかお)。それらは百人大将となった信の行動にも大きな影響を与えていく。
第4作となる「大将軍の帰還」は、事実上王騎将軍が主役だ。ここにきて王騎をめぐる過去の出来事が明らかになる。これが実にドラマティック。キングダムの映画化は、過去の出来事を描く回想シーンが異様に長い。囚われの身だった時代の秦王を描く第3作前半は、かなりの尺を費やしていた。秦王の信念を描く上では重要なエピソードで、僕もやたら感動したのだけれど、戦いの行方だけに大きな期待をした観客には多少焦ったいのかもしれない。第4作でも、秦国武将の一人摎をめぐる過去のパートが登場する。ホウ煖との因縁を語る上でも重要な部分だが、これが映画全体の話を途切れさせることもなく、むしろ王騎の人柄を印象づけることにも成功して、クライマックスに向かう観客に見届ける覚悟をさせるようにも感じられた。映画自体は確かに長尺になったけれども、無駄には感じられなかった。戦闘シーンとそれ以外のシーンのバランスがいい印象。
羌瘣が尾到の死を悼む言葉から彼女に芽生えた仲間意識が感じられる場面、王騎にかけられたひと言に摎がキュンキュンする場面、草刈正雄の昭王の言葉、王騎が馬上で語りかけるラストまで、挙げたら止まらないくらいにいい場面がある。もちろん原作の良さがあってのものだが、佐藤信介監督はどんどん登場人物が増える群像劇をうまく演出していると感じた。本作は短い場面でも心に残るのはそのせいだろう。
この先まだまだ話は続くのだが、映画化はどうなるんだろう。
小栗旬演ずる李牧のキャラがなーんか嫌い。喋りに加えて、あの南蛮渡来みたいな装束は何だよ、戦場だぞ。第4作では側近のカイネも台詞が増えてきて、二人が並ぶ場面では急に映画の重厚感が薄れる気がしてならなかった(個人の感想です)。昨年第3作を観た後、
😒「李牧でしたっけ?小栗旬が出てくると途端に空気が軽くなるから、個人的に嫌いなんですよねー」
と原作未読の僕は職場で発言した。すると上司からひと言。
😼「何言ってるんですか。李牧はこの後の超重要キャラクターなんですよ。」
ありゃ🙄そうなのか。ってことは、小栗旬のチャラさにこれから耐えなきゃいけないのか。大丈夫かオレ。でも「片腕必殺剣」みたいな要潤の華麗な剣さばきが、きっとこんな僕をこれから救ってくれるはずw
王騎ロスになりそうです。ンフフフ。
「キングダム」は人の上に立つ者はどうあるべきか、というリーダー論を、主人公信と一緒に様々な登場人物から考える物語でもある。人の痛みを知るからこそ戦のない世のために中華統一を目指す秦王、第2作に登場する麃公(トヨエツ)の大局を見る戦運び、先頭に立って突っ走る縛虎申、それぞれの立場で発揮されるそれぞれのリーダーシップ。そして人柄も実力も兼ね備えた天下の大将軍王騎(大沢たかお)。それらは百人大将となった信の行動にも大きな影響を与えていく。
第4作となる「大将軍の帰還」は、事実上王騎将軍が主役だ。ここにきて王騎をめぐる過去の出来事が明らかになる。これが実にドラマティック。キングダムの映画化は、過去の出来事を描く回想シーンが異様に長い。囚われの身だった時代の秦王を描く第3作前半は、かなりの尺を費やしていた。秦王の信念を描く上では重要なエピソードで、僕もやたら感動したのだけれど、戦いの行方だけに大きな期待をした観客には多少焦ったいのかもしれない。第4作でも、秦国武将の一人摎をめぐる過去のパートが登場する。ホウ煖との因縁を語る上でも重要な部分だが、これが映画全体の話を途切れさせることもなく、むしろ王騎の人柄を印象づけることにも成功して、クライマックスに向かう観客に見届ける覚悟をさせるようにも感じられた。映画自体は確かに長尺になったけれども、無駄には感じられなかった。戦闘シーンとそれ以外のシーンのバランスがいい印象。
羌瘣が尾到の死を悼む言葉から彼女に芽生えた仲間意識が感じられる場面、王騎にかけられたひと言に摎がキュンキュンする場面、草刈正雄の昭王の言葉、王騎が馬上で語りかけるラストまで、挙げたら止まらないくらいにいい場面がある。もちろん原作の良さがあってのものだが、佐藤信介監督はどんどん登場人物が増える群像劇をうまく演出していると感じた。本作は短い場面でも心に残るのはそのせいだろう。
この先まだまだ話は続くのだが、映画化はどうなるんだろう。
小栗旬演ずる李牧のキャラがなーんか嫌い。喋りに加えて、あの南蛮渡来みたいな装束は何だよ、戦場だぞ。第4作では側近のカイネも台詞が増えてきて、二人が並ぶ場面では急に映画の重厚感が薄れる気がしてならなかった(個人の感想です)。昨年第3作を観た後、
😒「李牧でしたっけ?小栗旬が出てくると途端に空気が軽くなるから、個人的に嫌いなんですよねー」
と原作未読の僕は職場で発言した。すると上司からひと言。
😼「何言ってるんですか。李牧はこの後の超重要キャラクターなんですよ。」
ありゃ🙄そうなのか。ってことは、小栗旬のチャラさにこれから耐えなきゃいけないのか。大丈夫かオレ。でも「片腕必殺剣」みたいな要潤の華麗な剣さばきが、きっとこんな僕をこれから救ってくれるはずw
王騎ロスになりそうです。ンフフフ。