◾️「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2/Back To The Future Part 2」(1989年・アメリカ)
監督=ロバート・ゼメキス
主演=マイケル・J・フォックス クリストファー・ロイド リー・トンプソン トーマス・F・ウィルソン エリザベス・シュー
80年代育ちの「BTTF」リアルタイム世代なのだが、僕はその時期にハリウッドの娯楽作を避けがちだった。硬派を気取っていたつもりはないが、この三部作が製作された80年代後半(昭和60年代から元号が変わる頃)の僕は、ミニシアターとクラシック専門館に夢中で、みんなが観ているヒット作は、ビデオや地上波の映画番組で観ることが多かった。「トップガン」なんて毛嫌い映画の筆頭で、友達と家呑みしながら観たっけ。トム・クルーズ映画なんて14型テレビで十分!とか生意気なことを言ってたもんです(汗)。「BTTF」もヒット作の一括りに不幸にして入ってしまった一本で、後にテレビで観てあまりの面白さに「しまった!映画館で観ればよかった!」と後悔したものだ。その反省から「PART2」は映画館へww
マーティとドクが向かったのは2015年。ここで描かれた未来像の数々は、その2015年を、また「ブレードランナー」で描かれた2019年も過ぎた今見ると面白い。空飛ぶ自動車はさすがに実現してはいないし、携帯電話やインターネットこそ出てこないけれど、実現したものも実際にある。公開当時もこの未来像は大きく話題になっていた。80年代育ちの僕らは、アンティークショップのウィンドウに置かれた80年代カルチャーの数々と80'sカフェの描写が楽しくて。公開当時の最先端を過去のものにしてしまう面白さ。イギリスの音楽番組でバーチャル司会者として登場したマックス・ヘッドルーム(懐)風の接客ロボには笑った。しかもその画面には第1作で大統領になったのを信じてもらえなかったロナルド・レーガンが登場するしww
二転三転するハラハラドキドキ、再び1955年で巻き起こす騒動は続けて観ているからこその面白さ。シリーズ3篇に共通する繰り返しネタ(目覚めたらママがいる、ビフがからかう台詞、馬糞に突っ込む場面etc)も楽しい。こういう映画を観続けているからこそ面白いポイントは、映画を観る楽しみを改めて示してくれる。
2020年の今、金曜ロードショーが3週連続で三部作を放送したのはそんな映画の楽しさを若い世代に伝える上でも意義あることだったと思える。映画人口を増やすためにも、手軽に映画に触れることができる地上波映画番組はもっと見直されていいはずだ。