北海道はじめ都心や各地でゲリラ豪雨があり、雨の怖さに驚いている中で、朝日新聞社長が記者会見を開き誤報について謝罪した。社会の公器“新聞”が犯した事件についての会見で、社幹部の苦渋に満ちた表情が強く印象に残った。
今年に入って朝日新聞が読者や関係者に対し、いろいろなトラブルを起こしていたのだが、“ようやく!今になって・・・遅いのでは・・・”と思いつつ、この新聞社は体をなしていないと改めて強く感じざるを得ない。
従軍慰安婦問題については国際問題にまで発展している。単に誤報だったという謝罪では済まされない。
言論機関として、根底にある社の体質を深く掘り下げ、読者にきちんと報告しないと納得できない。
会見のきっかけは、5月20日付朝刊。独自に入手した吉田調書などを基に、「所長命令に違反 原発撤退」の大見出しで、「所員の9割に当たる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、福島第2原発へ撤退していた」などと報じた件だ。
木村社長は「命令違反とした表現を取り消す。東電の関係者に深くおわびを申し上げる」と謝罪。杉浦信之編集担当の職を解くとともに関係者を処分し、社長自身も社内改革後に進退を判断する意向を示した。
週刊誌はじめ他の新聞社が厳しく糾弾し続ける中、間違いはすぐに訂正しないと大きな問題になることを証明したのが約30年前の従軍慰安婦の記事だろう。大嘘つき吉田清治氏の話をきちんとした裏付けもないままに出し、大きな取り返しがつかない国際問題になってしまっている。
この問題は社内できちんと総括していたのだろうか?
東電吉田所長の調書誤報についても然り。社内(編集局内)に特ダネに対する“焦り”があったに違いない。
事実を事実として伝えるという当たり前のことが出来ない言論機関は、一度失ったわれわれ国民との信頼関係を取り戻すことは相当難しいと言わざるを得ないだろう。