映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

乙女なげやり

2008年10月04日 | 本(エッセイ)
乙女なげやり (新潮文庫 み 34-7)
三浦 しをん
新潮社

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「乙女なげやり」 三浦しをん 新潮文庫

以前読んだ「夢のような幸福」の続編といって良いでしょう。
曰く「痛快ヘタレ日常エッセイ」。
テイストはほとんど同じなので、実はこれを読み始めて、
う~ん、わざわざ買うまでもなかったかなあ・・・とちょっと思ってしまいました。
しかし、おそるべし、あまりの面白さに、
いつしかそのような微々たる後悔は吹っ飛んでしまいました・・・。

ちょうど、TVで「白い巨塔」のドラマをやっていた時期に書かれたものなんですね。
たびたび、外科医財前教授の話題になる。
そうそう、あれは私も必死に見ていました。
つい、力が入っちゃいますますよね。
その雰囲気をしっかり思い出してしまいました。

その他、弟君とその友人ジロー君との怪しい交友とか、
母君を襲った悲劇とか、
いつもの彼女のヴィゴへの妄想愛などなど。
読みどころ満載です。

それで、思い出しましたが、先日見た「刑事ジョン・ブック--目撃者」という20年も前の映画にヴィゴ・モーテンセンがチョイ役で出ているのを発見しまして、
その時に、私は「しをんちゃんに教えてあげたい!」と思ったのでした。
まあ、考えてみればちょっと調べればわかることなんで、
言われなくたって彼女は見ているに違いない・・・。
たぶん、ごく最近も「イースタン・プロミス」を見て、大いに盛り上がったことでしょう。

「乙女なげやり」まさに、「言いえて妙」の題名ですね。
しをんちゃんにぴったり。
(・・・なんだか馴れ馴れしいけど、勝手に親しみを抱いてしまって、
しをんちゃんと呼びたい雰囲気になっちゃいました。)

バスの中で吹き出しそうになるほどの楽しいエッセイもいいのですが、
早く小説の方もドンドン文庫化して欲しいと切に思うのでした。

満足度★★★★