危険な家の危険でない恋
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中年男女のラブストーリーです。
若い人がそんなもの、見たがるはずもなく、劇場はオバサンばかりでした・・・。
自分もその一人なんで、なんとも言えませんけど。
隣の席でおにぎりなんか食べ始められたら、こりゃもうロマンチックも消えますわ・・・。
これがリチャード・ギアとダイアン・レインだからまだ見られるんだよなあ・・・と、
ふと現実に帰ってしまったりする。
さて、夫とは別居中の主婦エイドリアンは、海辺の小さなホテルの留守番を引き受けます。
シーズン・オフの泊り客は男性一人のみ。
彼は高名な外科のキャリアを捨てたポール。
どちらもこれまでの人生に行き詰っており、人気のない海岸のホテルに二人きり。
そこへハリケーンが接近し、電気も消えて・・・と、
非常に安直なシチュエーションで恋に落ちる二人・・・。
まあ、不倫というわけでもなし、いいんですけどね。
それで、お互いにまた生きる力を取り戻してゆく、と。
最後の初恋・・・ですか。
これくらいの年でそのように、瑞々しい初恋のような感情を燃え上がらせることができるのはうらやましい気もします。
でもね、今はもう見たくない夫かもしれないけれど、
かつてはやはり、燃え上がる恋の末結婚したはずではないでしょうか。
人の気持ちはうつろうもの。
結婚と恋愛は別。
そりゃ私も、イヤというくらいそれは承知しているんですけどね。
だからこそ、これがほんとに最後の初恋かどうかなんて、わからないです・・・。
ちょっと、チープに過ぎる気がします。
余談ですが、この海岸の家は怖すぎ。
ちょっと、高潮が来たり、地震で津波でもあったら一巻の終りですよね。
そもそも、こんな風をさえぎるものがないところだから、やはりハリケーンなんかが来たら非常に危険だと思う。
いくらなんでも、ここは避難しておくべきだったのでは???
なぜかいちゃもんばかり付けたくなっちゃって困りました。
でも、結局私は泣けちゃったのですが、
それは二人の恋の行方のためではなくて、
傷心の母親を気遣う娘の気持ちが胸にしみたから。
ちょっと、母親には反抗的で、父親とよりを戻して欲しいと思っていた娘なんですよ。
その娘が母を気遣うようにまでなるなんて。
・・・親はなくても子は育つ。
この映画の海岸はノースカロライナのアウターバンクスというところだそうです。
中で、カニ祭りなんて催しがあって、これにはちょっとそそられました!
2008年/アメリカ/97分
監督:ジョージ・C・ウルフ
出演:リチャード・ギア、ダイアン・レイン、スコット・グレン、ジェームズ・フランコ