映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ペネロピ

2008年10月21日 | 映画(は行)
ペネロピ

ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント

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魔法を解くのは王子様じゃない

                  * * * * * * * *

おとぎ話仕立てのラブコメ・・・、とはいえ、これはなかなか楽しめました。
名門の家であるウィルソン家。
しかし、過去に悪行の人物がいて、魔女の呪いを受けてしまう。
その呪いとは一族に女の子が生まれると、豚の顔になるという。
そしてそれは、名家の人間にありのままの彼女を愛してもらうことでしか解くことができない。
さて、そうしてこの家に生れ落ちたペネロピ(クリスティナ・リッチ)は、豚の鼻。
彼女は母親によって、世間からひた隠しに、屋敷の中だけで育てられる。
のろいを解くために、幾度もひそかなお見合いが組まれるのですが、
相手の男性は、彼女を見るなり逃げ出してしまう。
最後に現れた男性こそ、彼女ののろいを解くことになるのか・・・?

このような不幸な身の上でありながら、
ペネロピは実に聡明で、ユーモアもあり、心優しい女性なのです。
こんな境遇で、このように成長したことこそ、奇跡と思われますが。

このストーリーの良いところは、
真実の愛に目覚めた王子様とのキスでは問題は解決しないところなんですね。
ペネロピは、王子様の愛を待つだけの生活から、
思い切って外の世界に飛び出します。
そして、自らその豚の鼻を世間にさらした時、ことは順調に進み始めるのです。
自ら行動し、自分の運命は自分で切り拓く。
やはり、現代の女性はこうでなくてはなりません。
そして、個性豊かな自分を好きにならなくては。
ここでは結局、嫌悪を隠して彼女と婚約した男性も、
彼女と心を交わした男性も、
のろいを解くことはできないのです。
古風なおとぎ話に端を発しながら、
現代風につけた結末に拍手を送りたいと思います。

クリスティナ・リッチは、豚鼻でも、結構キュート。
そして、ジェームズ・マカヴォイ、ちょっといたずらっぽい目をしたこの青年、
ステキでした。
「ウォンテッド」なんかよりずっと良かった。
「つぐない」よりも、この方が好きですね。
また、別の作品で、ぜひみたいです。

2006年/イギリス/101分
監督:マーク・パランスキー
出演:クリスティーナ・リッチ、ジェームズ・マカボイ、キャサリン・オハラ、リース・ウィザースプーン