負け犬に手を差し伸べない国
* * * * * * * * * *
リーマン・ショック後のアメリカ。
住宅ローン返済不能により自宅を差し押さえられた人々の実話を元にしています。
母と、小学生の息子と暮らしているナッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)。
大工の仕事をしていましたが、リーマン・ショックで、新築の仕事が激減。
収入が乏しくなりローンの返済が滞っています。
ある日、いきなり不動産ブローカーのカーバー(マイケル・シャノン)が
警官を伴って乗り込んできて、自宅を差し押さえられ、
強制退去させられてしまうのです。
待ったなし、貴重品だけ持って今すぐに・・・と。
平和な生活があっという間に崩れ去る、恐ろしい場面です。
この辺は手持ちカメラで撮影されていて緊迫感があります。
そもそも市民の平和を守るはずの警官がこんなことに加担しているというのも、
どうにも違和感があります。
カーバーは言うのです。
「アメリカは負け犬に手を差し伸べない。
この国は、勝者の勝者による勝者のための国だ。」
このシーンを見れば正に、それが冗談ではないことが痛感されます。
さてしかし、やむなくモーテルに身を落ち着けたナッシュですが、
あろうことか、カーバーの儲け話に乗り、
組んで仕事をすることになるのです。
法の穴をすり抜け、自分と同じような境遇の人々の家を差し押さえて、大儲けをする。
それは失った自分の家を取り戻すためではあったのですが・・・。
次第に法を犯すことまで手掛けるようになり・・・。
家というのは、他の家具などとは違う大切なモノですよね。
それがなければホームレスになってしまうということももちろんありますが、
それは家族との大切な場所であり、自分のアイデンティティの源でもある。
それを簡単に奪ってしまうというのはいかにも残酷です。
私にはアメリカの話、と割り切ることはできません。
この日本も「負け犬に手を差し伸べない」国になりつつあります。
「今」を考えるために、おススメ。
「ドリームホーム 99%を操る男たち」
2014年/アメリカ/112分
監督:ラミン・バーラー
出演:アンドリュー・ガーフィールド、マイケル・シャノン、ローラ・ダーン、ノア・ロマックス、アルバート・ベイツ
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リーマン・ショック後のアメリカ。
住宅ローン返済不能により自宅を差し押さえられた人々の実話を元にしています。
母と、小学生の息子と暮らしているナッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)。
大工の仕事をしていましたが、リーマン・ショックで、新築の仕事が激減。
収入が乏しくなりローンの返済が滞っています。
ある日、いきなり不動産ブローカーのカーバー(マイケル・シャノン)が
警官を伴って乗り込んできて、自宅を差し押さえられ、
強制退去させられてしまうのです。
待ったなし、貴重品だけ持って今すぐに・・・と。
平和な生活があっという間に崩れ去る、恐ろしい場面です。
この辺は手持ちカメラで撮影されていて緊迫感があります。
そもそも市民の平和を守るはずの警官がこんなことに加担しているというのも、
どうにも違和感があります。
カーバーは言うのです。
「アメリカは負け犬に手を差し伸べない。
この国は、勝者の勝者による勝者のための国だ。」
このシーンを見れば正に、それが冗談ではないことが痛感されます。
さてしかし、やむなくモーテルに身を落ち着けたナッシュですが、
あろうことか、カーバーの儲け話に乗り、
組んで仕事をすることになるのです。
法の穴をすり抜け、自分と同じような境遇の人々の家を差し押さえて、大儲けをする。
それは失った自分の家を取り戻すためではあったのですが・・・。
次第に法を犯すことまで手掛けるようになり・・・。
家というのは、他の家具などとは違う大切なモノですよね。
それがなければホームレスになってしまうということももちろんありますが、
それは家族との大切な場所であり、自分のアイデンティティの源でもある。
それを簡単に奪ってしまうというのはいかにも残酷です。
私にはアメリカの話、と割り切ることはできません。
この日本も「負け犬に手を差し伸べない」国になりつつあります。
「今」を考えるために、おススメ。
「ドリームホーム 99%を操る男たち」
2014年/アメリカ/112分
監督:ラミン・バーラー
出演:アンドリュー・ガーフィールド、マイケル・シャノン、ローラ・ダーン、ノア・ロマックス、アルバート・ベイツ