無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

無農薬リンゴを分けていただきました。

2015-09-07 07:43:13 | 日々の自然菜園
本日、ときどきの予報。


お蔭さまで、先日9/1新発売になりました拙著新刊『1㎡からはじめる自然菜園』(学研)も高評価をいただき、感謝です。

菜園教室をはじめて9年目。生徒さんの疑問やご要望と数々の質問から生まれた自然菜園が、
今度は、菜園プランと混植の特集でつづる新しい菜園本です。

堆肥や肥料による土づくりも大切ですが、無農薬で無化学肥料の場合同じような考え方で土づくりするとすごく難しく、足りなくても多くても病虫害に悩まされる傾向があります。
それよりも相性の良い組み合わせを混植し、野菜自身が耕し、野菜を育てながら生き物が住める環境を調え、生き物によって土を豊かにし、次に相性の良いものを植えることの方がシンプルで無難です。

つまり、菜園プランが大切です。


そこで今回は、1㎡から大きな畑まで、持続可能で、どんどん豊かになる組み合わせで繰り返し育てることができ、どんどん良くなるリレープランをご紹介させていただきました。
このプランは、無農薬で、有機資材も低投入で育てることができる自然菜園プランなので、草を刈って敷いて草マルチしながら育てることがコツになります。

このブログのコメント欄から、菜園に関するご質問の他に、本の感想や疑問点、そして今後知りたいことなどご要望ございましたら、どんどんお寄せください。
今後もみなさんの疑問、質問、学びのシェアによって菜園が身近なものになっていってくれたらなーと思います。





8/1にAzumino自給農スクールで行われた自然農法見学会で気になったのが、この1本のリンゴの樹でした。

「つがる」というリンゴの種から育てた樹で、無農薬でたわわに実をつけていました。

このリンゴの実が落ちずに赤くなっているのか、味はどんな感じなのかとてもに気になったので、週末の菜園教室を終えてから再び師匠中川原さんの畑を訪れてみました。






赤く色づいてきているリンゴが落ちずに実っていました。


外見も「つがる」と「フジ」を合わせたような感じでした。

かじってみると採れたてのリンゴらしい詰まったパリパリ感に加え、ジューシーな汁の中に、酸味と風味が豊かでちょっと若かったので、粉っぽさと青リンゴ感がありましたが、皮と実の相性もよく、一気に1つ食べてしまいました。
リンゴの産地長野県で生まれ育ったので、他県の方よりもいろいろなリンゴを食べてきましたが、好みのリンゴでした。

リンゴがあまり好きでないことと、最近のリンゴは甘すぎるだけで1個完食できないほどの単調な甘みと異なり、酸味の風味の良さに、完熟したらさぞ美味しいのだろうと思いました。


帰宅後、元生徒さんでもあり友人でもあるリンゴ農家さんがくれた採れたての「つがる」と食べ比べを一緒にしました。

左が、無農薬のリンゴで、右が友人の落下防止剤を打っていない「つがる」です。

通常の市販の「つがる」は、落下防止剤がほぼ使われております。
というのは、みのると落下してしまい商品価値をなくす「つがる」がなぜ育てられるようになったというと、落下防止剤により落下を防ぐことができるようになったからです。

友人も試しに3本の「つがる」を落下防止剤を打たなかったところ、その3本は多くの落下してしまったそうです。
これは、貴重な落下防止剤を打っていない「つがる」ということになります。

落下防止剤を打つとパリパリ感がなくなり、軟化しやすく、味が落ちやすいのですが、落下した実は市場に出せないので、仕方ないそうです。


手で持った感じが違います。どちらも採ってから24時間以内で、ほぼ同一の標高のリンゴですが、重さが違いました。
無農薬のリンゴの方が、小さいのに比重が重いのか、盛った感じが重く感じ締った感じでした。



落下防止剤なしの「つがる」

無農薬リンゴ

を割って比べてみると、
実生で生まれた無農薬リンゴはまだ若いので、若干青く、無肥料でもあるので、肩が張りお尻がくぼんでおり、タネが充実していました。

それに比べて、「つがる」皮も全体的に真っ赤で実も真っ白で、均一で、タネは未熟で、全体的に丸く調った綺麗な形でした。

今回いただいた貴重な無農薬リンゴは出荷はありません。また「つがる」と「フジ」の交雑種なので、「つがる」より晩生になっているようです。

私も「紅玉」リンゴの実生から3年間苗を育てているので、今回の試食と見学は有意義で、今後の指標になる出会いでした。
実生が一つの品種になるのは何百分の一の確率と伺ったことがあります。

また、奇跡のリンゴでしられる木村さんのように、8年かけて無農薬無肥料で育てられているリンゴもいまだ一般的にはなく、青森でも有機JAS規格の無農薬リンゴ農家も3軒のみと伺っております。

まだまだ未知数な無農薬のリンゴ。
通常長野県では、12回の農薬散布が防除の基本になっており、産地だからこそ、無農薬で育てると病虫害を増やすと、試験栽培も犬猿されるほどで、
減農薬栽培も産地では忌み嫌われる次第です。

それほどに、無農薬の道は遠いかと思われるリンゴの栽培ですが、今回改めて無農薬リンゴの可能性と道筋が見えてきました。

家庭菜園で、無農薬を自給するところからできたらなーと思い、地域と共に歩めたらと思います。
改めてリンゴが好きになりました。
コメント (25)
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