無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

石川と富山の友人の自然農園を見学させていただきました。

2012-09-30 06:43:57 | 出張菜園教室
本日、のち、大雨の予報。


先日、北陸への出張の道中、日本海を望む、田一枚の平均面積が1.8坪の小さな棚田が広がる輪島市の「白米千枚田」に立ち寄り、
昔から続く、コメ作りの一端を見ました。

ちなみに、白米千枚田などは平成23年6月、「能登の里山里海」が国内初となる「世界農業遺産」に認定されました。


その他にも、能登の仁江海岸にある「奥能登塩田村」では、日本でただ一ヶ所、江戸時代からの「揚げ浜式製塩」が続けられてきました。
夏の炎天下、砂と海水による塩田作業は大変な重労働で、今でも塩田村の浜士は手間ひまかけ揚げ浜塩をつくっています。


石川県羽昨では、6年前に長野県松本市波田にある(公財)自然農法国際研究開発センターで、共に研修した友人の元屋和則さんが、

2005年脱サラ、自然農法野菜研修後、自然農で半自給生活。
2010年は企業で有機農業を担当。 2011年は働きながら有機稲作を勉強中&無肥料低農薬りんご栽培を始め、
2012年からは自然栽培稲作、低農薬りんご等で営農開始。
ホームページは、自然農園「もと屋」、販売サイトはhttp://motoyanaturefarm.blog129.fc2.com/


先祖代々の農地を守るため、山間の棚田や


伝統的なハザ掛けも行い、


現在は、木村式自然栽培を学び、低農薬・草生栽培でリンゴも手掛けていました。


王林に、


フジが実っていました。


もう一人、2011年春より富山県高岡市で有機野菜よりこだわった無農薬・無化学肥料の野菜を栽培しインターネットで販売をしはじめた友人、嶌田直幸さんの「しまだ農園」も立ち寄りました。

2009年に、長野県の波田町にある(公財)自然農法国際研究開発センター(自然農法センター)にて自然農法の研修を受けました。

そして、2010年には、愛知県豊田市の「松本自然農園」という有機農家さんのところでさらにもう一年、有機栽培での農業研修を受け、去年11月で修了し、

2年間にわたる研修で得た知識と経験をいかして、新規就農した富山で美味しい野菜を作りたいと思い日々奮闘しております。


当日は、週2回の野菜の出荷・配達日。そして地元NHKの取材の日。

忙しいにもかかわらず、快く時間を割いてくださいました。


先の元屋さんも嶌田さんもサラリーマンをやってからの新規就農者。

しかし、先祖代々の農地を活かし、自然農法を学び就農。

嶌田さんは、レストランや地元への配達・配送を1人で手掛けている若手のホープです。


当日に100サイズの段ボールに入った野菜は、
空心菜、パプリカ、ナス、ホウズキ、ピーマン、ジャガイモ、キュウリ、オクラなど様々です。

耕作放棄地が多くなる農村では、田畑が荒れ、若者が都市し出てしまい、離農が進んでいる中での情熱的な就農です。

私たちは野菜を買っています。食べ物の多くをスーパーやデパートなどで買う消費者です。
資本主義の社会では、購買者の選択が社会を作っていきます。

自分たちが支持したい企業や個人の商品や食べ物を買うことで応援ができます。
また、逆に支持したくないことにお金を使わないこと(非売運動)もどちらも選択でき、
その結果、応援された(お金を支払った)企業や個人が生き残り、社会ができます。

高い安いだけで、購買すると、お金はどんどん、都会や一部の企業や個人に流れてしまい、
伝統や風土が荒廃してしまいます。

もし野菜を買うことがありましたら、そのお金でどんな社会を支えたいのか、どんな環境や歴史を孫たちに残したいのか考えて買ってみるのはいかがでしょうか?


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加賀野菜を作った篤農家松本佐一郎氏の軌跡を訪ねて

2012-09-29 08:16:14 | 出張菜園教室
本日、


久々に北陸に出張してきました。

帰ってきて溜まったメールを確認していると、
拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)の増刷が決まりました。
手にとっていただき誠にありがとうございます。

初版ゆえに、未発見の誤字脱字、誤植などございましたら、大変申し訳ないのですが
今月中であれば増刷の訂正に間に合うので、コメント欄にご指摘ください。
ご協力よろしくお願いいたします。





この度、北陸に出張する用事ができました。
ちょうど、加賀野菜「打木源助ダイコン」「打木赤皮栗カボチャ」生みの親
篤農家松本佐一郎さんの特別展示会を見てきました。


加賀野菜のパネル展や、


「打木赤皮栗カボチャ」も展示されていました。

このカボチャは、極早生で豊作品種で、3年前まで我が家でも自家採種しながら育てていましたので、
本家本物を目で見て触れて良かったです。


現在も、地元の松下種苗さんでは加賀伝統野菜の種子が販売されているものも紹介されていました。


加賀野菜とよばれる野菜は、現在も多くの料亭や旅館、食事処で提供され、


加賀野菜で染めた珍しいものも展示されていました。


展示場では、オリジナルダイコンソングが流れる中、


「打木源助ダイコン」「打木赤皮栗カボチャ」生みの親 篤農家松本佐一郎さん





新聞記事や


野菜が生まれるまでの貴重な資料、


生涯のつけた日記や、


松本さんの「農の秘訣」

「天を敬い、地に親しみ、作物を愛することが農の秘訣」と現在にも通じる大切な教訓がちりばめられていました。

彼の一生を知り、現代にまで残る古くて新しい伝統品種の歴史を学び、たった1人のたぐいまれなる努力が伝統品種を作り育てたことを知り、
背筋がピンと伸びた感じがしました。

現在の野菜の多くがあるのは、無名かもしれませんがこのような篤農農家さんが全国で育んでくれた結果です。
現在、在来種が失われつつある現状で、家庭菜園で育てやすく、美味しい品種が少しでも残ってくれればと思います。

今回の出張では、農の原点、大切なことを再発見し、有意義なものになりました。

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Azumino自給農スクール畑コース9月(久々の座学)

2012-09-25 06:14:20 | 自然菜園スクール
本日、の予報。


拙著『これならできる!自然菜園』が農文協さんから発売され、もうすぐ1カ月になろうとしております。

皆様の御蔭で、アマゾンで、家庭菜園部門、作物栽培部門両部門で1位になりました。農文協さんでも一番売れているそうです。ありがとうございます。

売れると売れたで、背筋を正される心地もします。
まだまだ若輩なので、本に負けぬようこれからも精進していきたいと強く思いました。

これからもよろしくお願いいたします。


23日(日)は、Azumino自給農スクール(畑コース)開催日でしたが、朝から大雨のため、お昼の会場でもある安曇野地球宿さんの1室借りて座学を行いました。


Azumino自給農スクールでは、『これならできる!自然菜園』の中にも出てくる野菜の種採りを実際に行いました。


トマトは、ゼリーごと種子をかき出し、1~2日発酵させてから洗います。


キュウリも完熟した黄色くなったキュウリを追熟させてから、種子とゼリーをかき出し、


トマト同様、1~2日発酵させてから洗います。

ゼリーに被われた種子は、発酵させることでゼリーが綺麗に洗い流すことができ、保存しやすくなります。


自家採種する時のポイントを白板を使って説明しました。

野菜には、固定種、在来種、一代交配種(F1)などその特性を知っておくことで、自家採種のためだけでなく、その特性から栽培そのものに与える影響や長所短所が見えてきます。


野菜には、季節に合わせて種を蒔ける野菜、まだ蒔けない野菜などあります。

日本は四季があるので、その気象を活かして、いろいろな野菜が栽培できます。


今回用意した、自然菜園に向いた野菜たちも、寒さに強い弱いと分類することが出来きます。


ランチは、そのまま地球宿さんで、裕子さんが作る菜園ランチ『Deve Cafe』で、黒豆のエダマメご飯などを頂きました。

午後は、天気予報が外れ、雨が奇跡的に止みましたので、予定通り午前中座学で学んだことを外で実践することができました。


【拙著のご紹介】

『これならできる!自然菜園』


『コンパニオンプランツで失敗しらずのコンテナ菜園』

好評発売中~

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おしゃれな雑誌「エココロ」にイラストで自然菜園プランター掲載!

2012-09-21 07:30:58 | 日々の自然菜園
本日、時々


昨日は町内の鳥獣対策電柵の施工ボランティアに参加してきました。

安曇野も広いので、場所によりますが、特に山側に隣接する地域では年々鹿、猪、猿などによる農業の鳥獣被害が大きくなってきました。

2kmに渡る電気柵は、材料費予算だけでも約800万と高額です。人件費はボランティアです。
隣りの地域で、電柵を張ったため、追われた獣たちが小川を越えてこの地域に流れ込んで来たための対策施工でした。

安曇野三郷では、コメ、ソバ、果樹であるリンゴ、モモがおもな農作物で、被害が大きくなってきています。
個人で対応できるレベルではないので、地域あげての対策施工になりました。

山の暮らし(炭焼き、木こり、マタギ)がなくなり、里の暮らしの都市化が広がる中、
宮崎駿監督作品「もののけ姫」での獣の反撃が現実になってきております。
自然に生きる感謝と、豊かさを取り戻す必要だと感じました。



暮らしとエコ、つながるココロ。みんなのコミュニケーションメディア雑誌「エココロ」が家に届きました。

女優さんなど世間に疎い私ですが、先月このおしゃれな雑誌から、プランターできる自然農を記事にしたいと依頼があり、取材を受けたからです。

通常は、農的なことが載ることがあまりないおしゃれ雑誌から依頼が来るとは思いませんでした。
私自身も10数年前までは、東京でプランターや市民農園で家庭菜園をやっていたので、今回の趣旨を聞き、少しでも身近なところで種を蒔けたらという思いから依頼を受けることにしました。


イラストと文章で、ベランダで始める自然菜園をテーマに、
ビギナーでも失敗しない6つのポイントなど紹介しています。

1.虫がつきにくい野菜を選ぶ
2.プランターは生活動線上に置く
3.一度植えたら、根を抜かない
4.短期間で育つ野菜を栽培する
5.コンパニオン同士で植える
6.ミミズの力を借りる


そして、必要最低限の道具、場所、土の入れ方、種まきの仕方、苗の植え方を紹介し、


サラダカブ×シュンギクの組み合わせ
ミニトマト×バジルの組み合わせ


ミニキャベツ×サニーレタスの組み合わせ

土をミミズによって循環させる方法を紹介し、


栽培のQ&Aで7個のよくある質問に答えていくそんな流れになっております。


今年3月に発売された拙著『コンパニオンプランツで失敗しらずのコンテナ菜園』(家の光協会)

のシンプルバージョンといった感じです。

私は田舎で暮らしていますが、畑の露地野菜よりも早く育てたい場合や、キッチンガーデンとして今もプランターを数個育てています。
暮らしの中に、野菜がある生活はとても瑞々しく、心地の良いものです。
是非、身近に野菜の種を蒔いてみてくださいね。


9月23日(日)は、Azumino自給農スクール畑コースAzumino自給農スクール畑コース開催日です。


【拙著のご紹介】

『これならできる!自然菜園』


『コンパニオンプランツで失敗しらずのコンテナ菜園』

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あずみの自然農塾9月(種採りと長鎌講習)

2012-09-19 15:43:54 | あずみの自然農塾(シャロムヒュッテ)
本日、のち


取材協力させていただいた学研ムックから『自然農法で野菜づくり』が発売されました。

この本は、日本における自然農・自然農法・自然栽培を網羅した自然に野菜を育てたい方向けの雑誌テイストの本です。
表紙には、あずみの自然農塾の参加者の畑が載りました。

シャロムヒュッテでの仕事が縁で、後半の数十ページに、私が自然農の畑の基本を紹介させていただきました。
これから自然農・自然農法で畑を考えている方に特にお奨めです。

【1日目】

今月のあずみの自然農塾の1日目では、7月にみんなで収穫した小麦で夕食に水餃子など作る準備として、始まって早々うどんを捏ねました。


秋が深まるにつれて、夏野菜の種採り、いわゆる自家採種が始まります。

まな板にのっているのでは、善光寺キュウリの完熟果実です。


あずみの自然農塾では、自家採種を体験してもらいます。
自家採種というと大変な気がしますが、体験してしまうと簡単に出来そうな気がしてしまうから不思議です。


今回は、1日目にトマトとキュウリの自家採種のその一を行いました。
トマトなどの自家採種は、発酵も含めて2~3日かかるためです。


その後、シュンギクの収穫の仕方、


ダイコンの間引きのタイミングの調べ方、


そして前回、草の中に種まきした在来蕎麦が見事に長方形に発芽していました。
蕎麦の白い花は綺麗です。


その蕎麦の畑の隣りに、前回同様草の中に、今回は野沢菜を種まきしました。


自然農ならではの種まき方法ですが、草を刈る前に種を蒔き、みんなで寄ってたかって草を刈り敷く、


耕さずこの刈って敷いた草の中から、自然に発芽生長してくる妙が自然農ならではです。

【2日目】

2日目は、(公財)自然農法国際研究開発センターの中川原先生をお招きして、長鎌講習会を開きました。


長鎌など刃ものを扱う際に、欠かせないのが研ぎです。

研石の種類や鎌の研ぎ方をて取り足とり教えてもらいました。


次は、畑に出て実践です。

伸びたメヒシバを研いだ長鎌でサクサク刈っていく姿に、みんな見せられていました。


その後は、みんなで実習です。

前後左右を気を払いながら、長鎌で草を刈っていきます。
機械と異なり、振動もガソリンもない長鎌で身体を使って草を楽々刈る体験でした。


2日目は、初日にかき出したキュウリやトマトの種子が発酵し、あとは洗って沈んだ種を乾かすだけです。


洗って沈んだ充実した種子をネットに入れて脱水して完了です。
あとは風通しの良いところで乾燥させれば、3~4年種の寿命がある限り種まきできます。


2日目に、自然農の田んぼに行くと、黒米、農林48号が頭を垂れていました。


実りの秋です。

ハッピーヒルも実り始めていました。
3種類の稲がきれいに実ってきた田んぼで記念撮影。

稲刈りが今から楽しみです。


9月23日(日)は、Azumino自給農スクール畑コースAzumino自給農スクール畑コース開催日です。


【拙著のご紹介】

『これならできる!自然菜園』


『コンパニオンプランツで失敗しらずのコンテナ菜園』

好評発売中~
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キュウリの自家採種

2012-09-11 19:20:25 | 自家採種
本日、時々、大


ついに、先日2冊目の著書『これならできる!自然菜園 耕さず草を生やして共育ち』(農文協)が発売され、
そこでも取り上げましたが、キュウリの自家採種をご紹介します。


キュウリは、黄色い瓜からその名がついたように、
食べる時の緑のキュウリには、種がまだ入っていません。

キュウリの食べごろから、40日ほどそのまま畑でキュウリを生らしておくと、
写真のように50cm以上の大きさ、重さ1㎏ほどの巨大黄色い瓜になります。


種を切らないように、半分に割ると、


種がゼリーに入って、綺麗に並んでいます。


キュウリの種は、実の中で発芽しにくいように、ゼリーに包まれています。

このまま洗うとカビが生えやすいので、


乾いた容器などに種をゼリーごとかき出します。


容器に入れて1日置くと、ゼリーが発酵し種とゼリーが分離して洗いやすくなります。

発酵後、種を洗い、水に沈んだ種子を良く乾燥させたら自家採種完成です。

キュウリは品種によりますが、1本から100~300粒の種が採れます。
種の寿命は、保存状態がよければ、3~4年は持ちます。

種子の数からすると、1本あれば3~4年分余裕ですよ。
今の一代交配種(通称F1)の市販キュウリの種子は、1粒約30円ほどだったので経済的でもあります。

現在TPP加入すると、自家採種出来ない社会になるかもしれませんが、
各自の畑に合った野菜が失われる危機です。

自家採種について、各自で出来る幸せを噛みしめております。
もし、病気の出ていないキュウリの樹に、黄色くなったキュウリがあったら、自家採種してみてくださいね。
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田んぼで稚魚(鯉)生きていた~

2012-09-10 06:25:09 | 日々の自然菜園
本日、時々予報。


昨日、Azumnino自給農スクールの田んぼで大発見がありました。

田んぼの見回りをしていると、バシャバシャっと元気よく水をかきわけて逃げる音。
最初トノサマカエルが足音で逃げている音だと思ったのですが、何か違う。

もしかして、と浅瀬を良く見ながら歩き回ると、7月に回収出来ず取り逃がした鯉の稚魚、通称「鯉子」が大きくなって発見されました。


6月末に田んぼに成魚を放ち、7月に回収したときに、100匹くらいの鯉の稚魚が生まれていて驚いたものです。
100匹くらい生まれた稚魚のうち回収できたのは13匹程度。

その後中干し田んぼを乾燥させてしまったので、残り90匹は死んだものと、
田んぼの肥やしになってしまったのでは、と正直あきらめていました。

写真下の鯉子は、7月に回収できた稚魚を自宅の水槽で飼っていたもの。
上は、今回田んぼで救出された稚魚。

生まれた時は同じでも、この1カ月、田んぼにいることで2倍ほどの成長。この成長格差。
きっと田んぼでは、餌も豊富で稚魚たちにとっては天国だったに違いありません。


救出された1匹を水槽に入れると、
田んぼに比べ小さい水槽に不満と不安がありそうですが、元気に泳いでいます。

田鯉として知られる田んぼでの鯉農法。
田んぼが養鯉にかなった場所だと実感しました。

まだまだ田んぼに、合鴨や鯉を放ってまだ日が浅いですが、
やりようによっては、肉や魚の自給も兼ねた稲作が見えてきました。

今後も、鯉や合鴨を通じていろいろ教えてもらおうと思いました。
残り何匹田んぼにまだいるかわかりませんが、今度田んぼを干す際には、バケツと網を持って回収(救出)をしようと思います。

長野県では、除草剤が一般化するまで、大正・昭和と田んぼで鯉を養殖しながら、稲を育ててきました。
田んぼに鯉がいることで、害虫対策や草取りが楽になり、鯉も大きくなる仕組み。

海がない長野県では、鯉は貴重なタンパク質の食材。
現在もマクロビオティック(玄米生食)では基本、肉を食べない食養生法がありますが、
鯉は唯一の例外、産後の肥立ちが悪いなど身体を養う鯉は、身体を温め、滋養を増すとされています。

無理なく、自然にお米も育ち、副産物として鯉が田んぼで育つ。
やってみなければわからないことでしたが、今回の発見で鯉が田んぼに合っていることが実感できました。
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自然菜園の土づくり(化学肥料を使っていた田んぼの畑化編)

2012-09-09 06:51:06 | 日々の自然菜園
本日、の予報。


ついに、先日2冊目の著書『これならできる!自然菜園 耕さず草を生やして共育ち』(農文協)が発売され、
今の課題の一つは、元水田を自然菜園(畑)にすることです。

これから菜園を行いたい方が増えるに従って、畑でなかった元田んぼを借りることが多くなります。
田んぼは作土層が浅く、しかも水はけが悪いため、水田以外に使うとなると、作物を選びます。

元田んぼが、畑に自然な形で以降できたら、とても助かります。


元水田にも、2種類あります。

前水田と、元々水田の2つです。
去年まで水田をしていた前水田と、2年以上前まで水田だった畑ではどうも様子がずいぶん異なります。

写真のか細い稲は、前水田だったので、自然に稲が生えてきて今のような一部、稲が穂をつけています。
前水田は、畑の草が生えにくく、地力もあり、pHも通常で、水はけが悪い点を除けば、まあまあ野菜が育てやすく1年間はどうにかなりますが、

2年以上前に水田だったところでは、水はけが悪い上に、年々pHも低くなり、地力が落ち、痩せてくる傾向があるため、野菜が育てにくい傾向があるように思えます。


そこで、特に元々水田を畑として維持するには、しっかりと地力がつくような土づくりをしながら、水はけも改善しないと持続可能な畑として利用しにくく、一部の野菜は育つものの、育ちにくい野菜が多くなりがちです。


この前水田でも、来年以降から自然菜園が出来る畑にするために緑肥作物を育てて畑化することにしたので、参考になってくれたらと思います。

立っているところは、前水田です。現在は無数の緑肥作物の混播によって凄いことになっています。


背丈2mを超す緑肥作物は、今年5月、6月に2度蒔きした1年草のクロタラリア(マメ科)、セスバニア(マメ科)、ソルゴー(イネ科)、そして足元には耐湿性エンバクが生えています。


左側が、セスバニア。右側がクロタラリアです。


元水田の畑化に最も有力な緑肥作物の一つが、このセスバニアです。
主に湿地を好み、夏にかけて精力的に背を伸ばし、2mを越え、根も地中深くにも穴をあけ水はけをよくし、チッソ固定量は、レンゲの4倍ともいわれる田んぼの畑化には力強い緑肥作物です。



こちらは、夏のマメ科緑肥作物のクロタラリアです。
クロタラリアは、乾燥した場所が好きなので、セスバニアと一緒に蒔くことで、セスバニアが生えにくい乾燥したところに生えてくれるため、全面を覆うことができ、チッソも固定してくれるので土を豊かにしてくれる緑肥作物です。


その他にも、イネ科のソルゴー、エンバクを混ぜることで、
イネ科の根が土を耕してくれ、ワラは大量の有機物として生き物の餌や住処になり、いずれは腐植や団粒化に役立ってくれます。

今回はこの4種類の緑肥作物を5月に一度混ぜて全面に蒔いてから管理機で耕し、生えが悪いところなどに上から更に6月蒔き足して現在上の写真のように、2mを超す緑肥ジャングルになっています。


夏も終わりになってきたので、この夏の緑肥ジャングルに、秋から春にかけて土を肥やしてくれる3種類の緑肥作物を蒔き足すことにしました。




クリムソンクローバー(下)、レンゲ(右)、アルサイククローバー(左)の3種類です。

前回も数種類の緑肥を混ぜて蒔きましたが、今回も混播することで、適地適作で前面に多種多様なマメ科が生えることを狙います。

前田んぼといっても、場所によって水はけに違いがありますし、均一に見えてなかなか異なる環境です。その場その場にあった緑肥が繁茂してくれることで、その場に合った畑化が出来ることを狙います。


これらの緑肥を混ぜて夏の緑肥ジャングルの上から蒔いた後、夏の緑肥作物が花を咲いているうちに刈ります。

2mもの緑肥を刈り敷くと、すっきりし元田んぼだったのがうなずけます。


刈る前に次の緑肥を蒔くことで、根元に種が落ちて、刈ったワラが土に還り、次の緑肥作物を養います。


10日経っていってみると、夏の緑肥ジャングルを刈った足元で、すでに秋冬のハコベなどに混じってレンゲやクリムソンクローバーなど前回蒔いた緑肥作物が芽を出していました。

9月末に様子を見て、レンゲを蒔き足すかもしれませんし、10月には、ライコムギなど緑肥ムギの種を蒔き足そうと思います。

最初5月には耕しましたが、それ以降は蒔き足すのみで、耕しません。
機械では耕さないのですが、緑肥作物の根によって深く、浅く耕してもらっていますので、来年の春には水はけのよく、肥えた畑になってくれていると思います。

今回の元田んぼの畑化は、緑肥作物のみを使った抜本的改革になりました。

堆肥を入れて耕すことで土の化学的改良も大切ですが、生物(緑肥作物)の力で、物理的にも化学的にも田んぼだったところの土を畑にする効果はとても高く、それからでも堆肥は間に合うので1年余裕があれば、先に緑肥作物を導入するのも手かと思います。

まずは緑肥作物で、水はけをよく、水持ちのよい団粒構造を発達させ、マメ科による窒素固定で土を肥沃化させ、それでも足りない場合に、モミガラ堆肥のような元田んぼに向いた堆肥を導入すると最高です。

元田んぼは、水はけを良くし、通気性を高めてあげれば、あとは乾燥さえ防げれば、粘土固有の日持ちの良さが野菜を健やかに粘り強く育ててくれ最高の畑になります。


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自然菜園の土づくり(化学肥料を使っていた畑回復編)

2012-09-07 19:23:38 | 日々の自然菜園
本日、


ついに、先日2冊目の著書『これならできる!自然菜園 耕さず草を生やして共育ち』(農文協)が発売され、
自然に野菜を育てたい方に向けて一層わかりやすくお伝え出来るようになりたいと思いました。


今回は、元々化学肥料を中心に菜園を行っていた農地100㎡を1年かけて自然菜園に切り替える一つの試みをご紹介いたします。

今まで家庭菜園を行っていたことからも、野菜が育つ畑であることはわかるのですが、自然に生えてくる草を見る限りでは、
スギナや痩せ地に生えるキク科の草が多い畑でした。

これから自然菜園を行う場合、直前まで畑をやっていたのか。全く畑でなかったのかは重要なポイントになります。

土壌分析の結果は、
pH 6.3 (適正値5.5~6.5)
EC 0.05 (適正値0.1~0.2)
CEC 26.9 (適正値20~30)
カルシウム 654 (適正値300~500)
マグネシウム 171(適正値70~120)
カリウム 140(適正値16~115)
塩基飽和度 130(適正値70~100)
有効態リン酸 50(適正値20~100)
※適正値は、全体のバランスや、土壌のタイプや栽培方法によって異なります。

まずまずです。土の養分はバランスが大切で、EC低めの、塩基(マグネシウム、カルシウムやカリウム)が多い結果となりました。

通常の栽培をしていると、
窒素系の化学肥料や苦土石灰(マグネシウム&カルシウム)やカリウムを投入するので、
流失しやすい窒素系の化学肥料が失われ、その結果EC(電気伝導度のこと)である硝酸態窒素の数値が少なくなり、
流失しにくいマグネシウム、カルシウムやカリウムが毎年蓄積して適正値を超えてしまう傾向があります。

この畑でも例外ではなく、その傾向があり、化学肥料で窒素系の養分を毎年投入すれば、他の肥料はあまり必要でなく普通に野菜が育ついい畑と言えると思います。

しかし、来年以降から低投入の無農薬・自然菜園に切り替えたいので、


4月から緑肥作物(エンバク、ソルゴー、クロタラリア、セスバニア)を投入し草と共に育て、
伸びたら、刈るを数カ月に一度行ってきました。

緑肥作物を導入した目的は、生きた有機物を育てることで腐植を多くし、生き物を増やしたかったからです。
今までは、化学肥料・農薬の漬けだったので、リハビリといった感じです。

ところが干ばつと猛暑だったせいか、土壌分析の数値とは異なり、以外にも緑肥作物たちも旺盛に育たず、
写真のように、緑肥の間にスギナが生えてくる痩せ地の傾向でした。

そこで、今回はさらなるテコ入れ(リハビリ後のトレーニング)をすることにしました。


根を残して、草刈りをしました。

根は、残しておくことで、土の中の生き物の餌になり、分解後腐植になってくれます。

今回は、刈る前に草の上から米ぬかを5kg全体に薄ら撒いてから刈りました。

刈った草に少量の米ぬかがまんべんなく混ぜるテクニックです。
米ぬかと新鮮な草が混ざることで、発酵しやすくなり土に還りやすくなります


今回は、堆肥をすき込むことにしたので、草を熊手で集め、


耕した後使うために、畑の外に山にして持ち出します。


耕す前に、クン炭を撒きます。




クン炭とは、お米の精米の際にでるモミガラを焼いた炭です。

pHは正常値の畑なので、アルカリである炭を入れ過ぎるとpH7以上になると野菜が育ちにくくなるので、
今回は、100㎡に20Lほど抑え気味に投入します。

投入する目的は、クン炭は炭なので、投入することで土壌中の生き物が増えてくれますし、
その結果土がフカフカしてくれます。


この畑は、粘土質が強い傾向があるので、クン炭が一役買ってくれればありがたいです。


クン炭を撒いてから堆肥の入った袋を配置します。


堆肥は、落ち葉を主に、モミガラ、自然鶏糞、米ぬか、壁土をいれた自家製のもので、
2年前に仕込んで、熟成させたものです。

堆肥には、肥料分を多く含んだタイプと、肥料分が少なく土壌微生物を活性化させ、団粒化や腐植を発達させてくれるタイプがあります。

今回は、落ち葉堆肥なので、後者のタイプです。


堆肥を畑に撒きます。

堆肥の撒き方にはコツがあります。


堆肥は、微生物の住処でもあり、エサでもあるので、全体にパラパラ撒くだけでなく、
ある程度固まりで配るように撒くと、効果的にすき込むことが出来ます。


今回は、小雨が時々降るような曇りの天気に堆肥を配ることが出来たので最高でした。
晴天に行うと、どうしても堆肥が乾燥したりして微生物が死んでしまうので、雨の後の曇りの日が最適です。


堆肥が乾かない内に、堆肥と土を浅くすき込みます。


今回は、管理機(ミニ耕運機)に土寄せのアタッチメントをつけて、
牛や馬に鋤を引かせる要領で、耕すというよりも鋤耕しました。


深さ10cm程度の浅く、堆肥と土をざっくり混ぜるように全面すき込みます。

浅くすき込むことで、酸素が豊富にあるため堆肥の微生物も活性化し土に馴染みやすいものです。


刈った草をすき込んだ土の上に敷き直していきます。


草を敷くことで、土が乾きにくく、微生物が活動しやすく更に堆肥と土が馴染みやすくなります。


刈った草をすべて戻すことで、一見畑全体が元の草畑に戻った感じです。

草を外で発酵させてからすき込むこともグットです。

今回は、畑の土の様子を見ながら、今後の予定を決めようと思いますが、とりあえず土と堆肥が2週間~1カ月くらいはこのまま
草を敷いておこうと思います。


土づくりは、決まったやり方が一つではありません

今回は、緑肥作物を育てながら様子を見ながらの堆肥をすき込む選択でした。
来年から自然菜園できるように、土の団粒化、腐植化を進め、結果としてECが0.1位に高くなってくれたらいいなーと思っております。

土壌分析は、人間の健康診断と似ています。
診断結果はあくまで現時点の数値的な結果で、性格まで反映されているわけではありません。

それでもとても良い指標にはなります。
最初は、簡易の土壌分析がお奨めです。簡易土壌分析は、ホームセンターなどで500~3,000円から行えます。

簡易土壌分析を2~3年行いながら、土壌改良の結果の移行を確認していくといいと思います。

今回は、化学肥料などで、生き物が少なくなり、腐植も少なく、土が硬くなりやすい畑でした。
緑肥作物の生育も芳しくなく、テコ入れも必要だと思いました。

病弱な畑で、いきなり自然菜園を行うよりも、1年間集中して土づくりを行うのも手です。
9月に入り、猛暑も和らぎ、秋に土づくりのための堆肥投入はとても有効です。
秋から土づくりを行えば、冬で土の生き物が冬眠するまえに、土づくりが進み、来年春までに充分時間があるからです。

自然に土づくりをするということは、時間をかけて、生き物の力を借り行うことです。
化学肥料のようにはいきません。その代わり、持続可能な畑になるので一生ものの食べ物が育つ畑になります。


まだまだ試験的な取り組みですが、とても面白く有意義な取り組みです。
参考にしてみてください。

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秋空に、赤とんぼ飛ぶ、稲穂かな(ハッピーヒルの出穂)

2012-09-05 06:46:16 | 日々の自然菜園
本日、のちの予報。

今日は、長野市で2つの無農薬家庭菜園教室「ずくなし家庭菜園教室」開催日です。


ついに、先日2冊目の著書『これならできる!自然菜園 耕さず草を生やして共育ち』(農文協)が発売されたことで、
これからの菜園教室もより充実してくると思います。

月に1回の菜園講座だけでは限界があります。
特に、家庭菜園などやっておられる方は、やっていてすぐに知りたいこと、やりながら見ることが出来る手引書が1冊ある助かるのものです。

私も10年前までは、数冊の菜園書に首ったけで、その日に種まく野菜についてどうやったらいいのかいちいち確認しながら、種まきを行ったものです。

毎年約100人の生徒さんがいらっしゃるので、現在メールや直接のお電話からの個人的なご質問などはお断りしておりますので、

ぎっしり詰め込み過ぎた本なので、何回も読みながら実際に家庭菜園に利用していただき、更にわかりにくいことを菜園教室やこのブログのコメント欄でお気軽にご質問いただきたいと思います。



話は変わりますが、ようやくコシヒカリ


黒米(しなの深紅)の頭が垂れ、一番美しい季節がやってきました。




最晩生のハッピーヒルも早生のものを選抜し、大苗で植えることで、9月上旬の出穂になり、栽培が安定してきました。

うちでは、異常気象なので、全天候型に多種多様な7種類のお米を3枚の田んぼで育てております。


田んぼの畦(あぜ)のサトイモとショウガのコンパニオンプランツも順調にすくすく育っているので、
芋名月が楽しみです。


また田んぼの畦豆(青大豆)もマメコガネなどの来襲があったにもかかわらず何事もなかったのように実を実らせ始めました。

今年もお米が順調に育って、来年もお米がいただけると思うと感無量です。
野菜の栽培も楽しいのですが、お米を育てるのは違った意味でとても興味深いものです。

この猛暑の干ばつの中、よくぞここまで育ってくれたものと感心し、愛でる気持ちでいっぱいです。
最後の最後まで気を抜かずに、水管理中心ですが美味しいお米になってくれるよう手かげていこうと思います。

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