いよいよ新著『コンパニオンプランツの極意』(ブティック社)の発売があと4日後、2/22(火)になりました。
また、3/18には、『これならできる!自然菜園』から14年ぶりに、農文協から新著『苗で決まる!自然菜園 野菜の本気を引き出す』
も出ます。育苗する際に参考にしてみてください。
今日も雪が降り田畑は、真っ白ですが、道路は融ける、もうすぐ春を感じております。
今年は、自然菜園スクール「自然果樹コース」が剪定を実習することになったので、来週2/23(水・祝)までに、
まだまだ雪(雪)でも、室内で、去年2021年に自家採種したタネの整理がはじまって、結構毎日忙しいです。
上の写真は、「昔大玉トマト」で、良いタネとそうでないものを定規でより分けます。
今回、ある試みをしようと思い、松本在来タカキビも種をより分けました。
写真の上にあるのが種子用。 左下が、選別前、右下が選別ではねられたかけたり、胚乳がないものです。
一つ一つのタネに表情があり、形が悪いものや、割れてしまったものなど一つ一つ定規でより分けます。
現在、うちではほとんどの野菜のタネを自家採種しています。
一部は、試験場や種苗店さんに頼まれて生産を始めた出荷用の種子※1と、自分の自給用です。
自給用のもので、ちょっとまとめて多めに採種するので、一部余剰分を自然菜園スクール生限定で、直売はしておりました。
もちろん、農林水産省に登録された品種ではなく、家庭菜園で育てやすい、固定種、在来種です。
※1現在は、地元種屋さん「つる新種苗」さんで、「自然菜園」で検索すると、我が家の無農薬・無化学肥料栽培の自然菜園で育った種子や自然菜園グッツをネット購入できます。
新著2冊発売記念と、連載雑誌「野菜だより」(ブティック社)「やさい畑」(家の光)両誌で、夏野菜を2タイプ【ランニング野菜】【半袖野菜】を紹介させていただきましたので、そのご縁から
今回は種屋さんにはまだ売るほどないけどほぼ品種として固定化でき、味と育てやすさからスクール生に大人気の夏野菜の品種を限定直売してみようと思いました。名付けて
2021年長野産『自然菜園育ちのおすすめ固定種野菜タネセット』
15年の自家採種&品種育成の集大成。自家採種をはじめて25年。
家庭菜園と同時に始まった自家採種。とりあえず自家採種できたオクラは、市販のタネと比べて目を見張る素晴らしき成長でした。ただし、美味しくなかった(笑)。それから10年、川口さんの自然農と出会い、自家採種=自然農でした。
15年前、現在の(公財)自然農法国際研究開発センターの育種課に本科研修生として入門。恩師中川原さんとの出会いが、自家採種のプロ化(品種育成)への第2ステージでした。
自家採種&育種目標としては、無農薬・家庭菜園、自給菜園で育てやすく、美味しく、自家採種しやすいことの3つでした。
①農家さんの目指す、多収穫よりも、育てやすさを重点におき、耕さない自然耕の畑でも、草と共育ちできる品種。
②農薬だけだなく、化学肥料はもちろん、無肥料でも育つほどの根張り重視。
③そして何より、週一家庭菜園でも収穫しやすく、美味しい、自給率アップの魅力的な風味野菜。
④種苗法の改正もあり、登録品種ではないので、家庭菜園で自家増殖できる固定種、在来種品種を厳選。純系ではんく、雑ぱくな固定種なので、多様性を秘めているので、各ご家庭の地域風土や農法に合わせて、自家採種しながらカスタマイズ可能。
⑤いずれは、家庭菜園ネットワークで、みんなで残したいタネを維持できるようにしたいので、その先駆けとして
今回、はじめてチャレジします。
生産地 長野県 長野市(標高550m) 安曇野市(標高750m)
採種の年月2021年12月(有効期限1年以内)
農薬の使用履歴 0回 (自然菜園で育っております。)
※自然菜園育ちの品種は、登録種子ではございません。家庭菜園で、自家採種できます。
Aセット【ランニング夏野菜セット】
こちらの【ランニング野菜野菜】のタネセットは、暑さに強く、寒さに弱い夏野菜たちです。
発芽、生育温度は20~35℃になります。15℃以下では発芽しにくく、
桜が咲く前は、温床など加温保温で、育苗が必要です。霜が降りなくなった頃、5月上旬以降に定植できます。
小布施中丸ナス 10粒… 自然農法で育てられてきた信州の伝統野菜の在来小布施丸ナス系統から、小布施丸ナスよりちょっと長い中丸で、乾燥に強く、育てやすいものを選抜固定したナス。その肉質は緻密で締り、ほのかに甘い特有の風味と味が濃くて美味しいので、おやきはもちろんのこと、炒め物や煮込み料理に向いています。
★育苗日数65日前後、霜が降りなくなって地温が15℃以上になるころの、65日前(本葉5~6枚)を目安に種まきし、育苗します。
伏見甘長とうがらし 10粒…京野菜の伏見甘長とうがらし。トウガラシというが、まったく辛みがない細長いシシトウ。完熟し赤くなっても辛くならず、甘酸っぱいので、パプリカの代用になります。炒めたり、焼いて食べると最高です。自然農を学んでいた時に、先輩から譲ってもらったとても育てやすい、思い出の品種です。
★育苗日数70日前後(本葉5~6枚)、霜が降りなくなって地温が15℃以上になるころの、70日前を目安に種まきし、育苗します。
韓国唐辛子(旨辛)10粒…固定種の韓国唐辛子は、なかなかなく、貴重。激辛タイプではなく、旨味が強く、小辛で育てやすいタイプ。
青い時は辛いシシトウのように炒めていただき、キムチはもちろんのこと、刻んでゴマ油や醤油漬けにすると、香辛調味料が簡単にできます。
★育苗日数70日前後(本葉5~6枚)、霜が降りなくなって地温が15℃以上になるころの、70日前を目安に種まきし、育苗します。
モチットコーン 30粒…研修させていただいた自然農法国際研究開発センターが、モチットコーンハニ-バンダムから選抜育成した国産の固定種。熟期は約95日でややバラツキあり。程良い甘さとモチッとした食感が特徴。家庭菜園など自給用に向く。
※自家採種する際は、袋がけなどして、遺伝子組み換えなどのトウモロコシとの交雑を防ぐ必要があります。
★育苗日数25日前後(本葉2~3枚)、霜が降りなくなって地温が15℃以上になるころの、25日前を目安に種まきし、育苗します。
温暖地では、5月中下旬以降、寒冷地では6月上旬以降に直播きすることもできます。
の4種類とプレゼントのタカキビ
在来タカキビ 1ml …コウリャン、ソルゴーなどとも呼ばれアフリカ原産で、暑さ、乾燥につよく、鳥に食害されにくいので、雑穀の中でも最も育てやすい。脱穀もしやすく、食用や緑肥としても重宝。松本の在来種から選抜。
★育苗日数25日前後、霜が降りなくなって地温が15℃以上になるころの、25日前を目安に種まきし、育苗します。
温暖地では、5月中下旬以降、寒冷地では6月上旬以降に直播きすることもできます。
Bパック【半袖夏野菜セット】
こちらの【半袖野菜野菜】のタネセットは、暑さに弱く、28℃を超えると夏バテしやすく、寒さにやや強いタイプです。
桜が咲いてから、発芽・生育温度10~30℃の環境で、育苗できます。霜が降りなくなった頃、温暖地5月上旬以降、(寒冷地5月下旬以降に)直播きもできます。
昔大玉トマト 11粒…自然農法研修時代に、譲り受けたトマトの中で、育てやすく美味しかったものを8年かけて固定化した大玉トマト。昔のトマトの風味を持ちつつ、現代のトマトの甘みを合わせ持つ。やや肥えたところでも育てやすく、樹が暴れにくいのが特徴。
★育苗日数45日前後(本葉5~6枚)、霜が降りなくなって地温が12℃以上になるころの、45日前を目安に種まきし育苗します。
温暖地では、5月上中旬以降、寒冷地では5月中下旬以降に、霜がなくなってから定植します。
若緑地這えキュウリ 8粒…自然農法国際研究開発センターの研修時代に出会い、暑さや病気に強く育てやすい品種。その育てやすさとプランターにも向いていることから、自家採種を重ねてきたキュウリ、地這えだけでなく、支柱で栽培してもよく育つ。
★育苗日数25日前後(本葉3 ~4枚)、霜が降りなくなって地温が12℃以上になるころの、25日前を目安に種まきし育苗します。
温暖地では、5月上中旬以降、寒冷地では5月中下旬以降に、霜がなくなってから直播きもできます。
打木赤皮甘栗南瓜 8粒…伝統の加賀野菜。早生の多収穫の西洋カボチャ。果肉は厚く粘質で、しっとりとした味わい。自然農法で育てやすい系統を選抜。収穫してから30日で食べ頃になる。長期保存には向かない。お菓子や和食、スープに最適。
★育苗日数25日前後(本葉3~4枚)、霜が降りなくなって地温が12℃以上になるころの、25日前を目安に種まきし育苗します。
温暖地では、5月上中旬以降、寒冷地では5月中下旬以降に、霜がなくなってから直播きもできます。
コスタータロマネスカ 8粒…イタリアの伝統ズッキーニ。日本のズッキーニよりも水っぽくなく、しっかりした食感。ラタトゥイユや炒め物はもちろんのこと、天婦羅や和食でも美味しい。小さく若どりしたものをぬか漬けにすると最高。
★育苗日数25日前後(本葉3枚程度)、霜が降りなくなって地温が12℃以上になるころの、25日前を目安に種まきし育苗します。
温暖地では、5月上中旬以降、寒冷地では5月中下旬以降に、霜がなくなってから直播きもできます。
の4種類とプレゼント赤ジソ
在来赤ジソ1ml… 安曇野から長野に引っ越しをして、草も緑肥も育たない農薬・化学肥料で固くしまった粘土土の畑に自生していた赤ジソを選抜。とても育てやすく、しそジュースや梅干しに使うと、とても濃厚な赤紫に発色する。
★育苗日数25日前後、霜が降りなくなって地温が12℃以上になるころの、25日前を目安に種まきし育苗します。
温暖地では、5月上中旬以降、寒冷地では5月中下旬以降に、霜がなくなってから直播きもできます。
今回の自然菜園育ちのタネは、生産量は基本自給用のものなので、試験直販売ですので、数はあまり準備できず限定数しかありませんが、
無農薬の家庭菜園、自給菜園用として、10年以上選抜自然菜園で、自家採種をすることで、昨今の悪天候でもよく育ってくれた育てやすさと美味しさが売りの野菜たちです。
2022年の皆様の菜園の片隅に仲間入りさせていただけたら幸いです。そして、地域風土に合った野菜を、一緒に自家採種できたらもっと嬉しいです。
これからの時代は、食べるものは自分たちで育てる。そしてタネから育てる。幸せのタネは、自分たちでも育てるに限ります。一緒にタネから育てて、野菜、タネを自給しましょう!
育ててみて、感想などございましたら、コメント欄にご記入ください。
※栽培、育苗中のご質問は、現在、ブログのコメント欄からは行っておりませんので、
月に一回行っているオンライン自然菜園セミナーの「自然菜園Q&Aセミナー」にてご質問ください。その際は、写真を撮っておいていただき、画面共有などで写真を見ながらご質問していただけると助かります。
★苗作りについては、学びたい方は、
【録画動画】2/27(日)13:30~16:00【ZOOM配信】『これから始める夏野菜の苗作り講座 (温床を使わない育苗法)』
自然菜園スクール「自然育苗タネ採りコース (前期)」でより一層学ぶこともできます。
★さらに土の詰め方、各野菜の育苗を学びたい方は、
自然育苗タネ採りコースの前半(育苗の基本)を4回にわたって現地受講&オンラインで講義&実技を行っております。
3月13日(日) |
講義:自然育苗、踏み込み温床、3種類のクン炭 実習:踏み込み温床づくり(予備発酵)、クン炭づくり |
3月20日(日) |
講義:春夏の育苗(マメ科、キク科、アブラナ科) 実習:春・夏野菜育苗(レタス、キャベツ、ナス、ピーマンなど種まき) |
4月10日(日) |
講義:夏野菜の育苗①(セルトレーの種まき、鉢上げ) 実習:ナス科(トマト)&ウリ科(キュウリ)の種まきなど |
5月5日(木・祝) |
講義:夏野菜の育苗②(鉢ずらし、順化、定植) 実習:トマト、キュウリの鉢上げ、トウモロコシ、オクラの種まきなど |
育苗について学びたい方は、3/13(日)スタート自然菜園スクール『自然育苗タネ採りコース』がお奨めです。
このコースのテキストは、現在予約注文中の3/18新発売『苗で決まる!自然菜園 野菜の本気を引き出す』(農文協)と合わせてご利用ください。