無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

あずみの自然農塾4月(自然農の畝立て、レタス苗床)

2014-04-22 22:16:05 | あずみの自然農塾(シャロムヒュッテ)
本日、


いよいよ桜も咲き、本格的な野良仕事が始まった。

あずみの自然農塾2014年も2回目に、本格的な野良仕事、自然農の畝立てを行った。

自然農は、「耕さない、草と虫を敵としない、持ち込まず持ち出さない」3原則があり、
自然の理を知り、生命の営みの中で食べ物を栽培していく生き方です。


今回は、線で囲んだ中に新たに畝を立てる野良仕事をしました。

自然農の畝は、一度立てると、それを保全しながらずっと使っていくため、菜園をはじめる際に、最初に行う野良仕事であり、最後までその畝を使っていく大切な豊穣の舞台です。

今回は、まず生えている草などをのこぎり鎌で刈りながら、畝にする場所の現状を自然観察しながら畝立てをしていきます。




草の根を残して、地上部の葉や茎のみ刈って持ち出したら、
草の根でびっしりの大地を浅く、スコップや鍬を使用して「根切り」を行います。

「根切り」とは、土を天地返ししないように、鍬やスコップの刃先を土に刺し、根を切ることです。


通路予定の場所の土を掘り上げ、通路と畝をスコップで作っていきます。

畝の高さは、通路の土をどれくらい盛るのかで決まります。
畝の高さの目安は、地域の畝の高さです。

粘土が強い場合は、高畝。火山灰土などでは、低い畝になります。


通路の土を乗せ、多年草の根を除いたり、土の塊をほぐしたり、しながら畝の上の土を平らにし、その後鎮圧していきます。

※鎮圧の写真はありませんが、板や鍬の背など平らなもので土を軽く叩きしっとりと締った状態にします。


最初に刈ってのぞいておいた草を元に戻し、自然農の畝立ては完成します。

自然農の畝立ては、去年の秋うちに行っておけば、生き物が冬時間を使って、土を調えておいてくれます。


畝立てしたばかりのできたての畝の草をどかし、今度は一部をレタスの苗床にします。


作ったばかりの畝は、まだ上の土と下の土が一体感がいまいちなので、小さなレタスを播くにはもう一度鍬の刃を入れ、根切りをし、鎮圧し直しました。


人差し指と薬指の間からレタスの種が1~2cmに等間隔に落ちるように種を下ろします。


被せる土にも一工夫。

深い土をかけてあげることで、草との競争をさせてあげます。


土を被せたのち、しっかり鎮圧し、種を土を一体感を増してあげた後、
刈った草を再びパラパラと被覆します。

草を被覆することで、土が保湿され、種の発芽を促し、今後出てくる草を押さえてくれ、いずれ生き物に分解され土に還っていきます。

自然農では、そこにある草と上手に付き合うことで、作物と草も虫も敵とせず、共存の道を探します。

草のある自然の中に野菜が育っていく様は、とても幸せです。
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無農薬の田んぼを育てる(いろいろな試み)

2014-04-16 23:36:32 | 日々の自然菜園
本日、


3年前に、新たに田んぼを始めました。

元々田んぼでしたが、今までは慣行の農薬・化学肥料を使用した田んぼでした。

除草剤を使用していたので、次の年にそのまま無農薬で田んぼを始めると、決まって田の草が強く生えてきます。

そこで、1年間限定で、ダイズ畑に転換し、一度畑にしました。
畑にすることで、一度水田を乾かすことで、ダイズ畑には田んぼの草が生えず、その後田んぼに戻すと今度は田んぼの草が生えて来ないから不思議です。


草は自然に生えてくるのですが、不自然では生えて来れないという盲点があります。
田の草は湿地で生え、畑の草は畑で生えます。

2年以上田んぼを畑として転換すると、今度は畑の草も生えますし、
アマガエルなど自分の生まれた田んぼでした卵を産まない田んぼをよりどころにして生きてきた生き物が絶えてしまうので、1年限りの荒業です。

そのかいもあり、去年は全く草が生えずにイネが田んぼの草のように育ってくれました。




今年は、土壌分析の結果(EC 0.05など)も踏まえ、去年の稲ワラで造った完熟堆肥を投入してみました。

ちょっとした挑戦です。
仮説ですが、去年一年の出来は、一度畑にすることとダイズを育てたことなどにより土に空気が入り、
今まで水の中で還元されていたものが一気に分解されたことによって得られた一度限りのいわばビギナーズラックのようなものです。

経験とデータから、未熟な未分解のワラが入った田んぼは、かえってコナギなど田の草が増える傾向があります。
そこで、疲弊しただろう田んぼに、稲のワラで造った完熟堆肥を補ってみました。




同時にモミガラを炭にしたクン炭も補いました。

今まで、田んぼに何も入れないで育ててきたので、完熟堆肥とクン炭の補いは、新しい試みです。




稲株の分解を促進するために、すき耕してきたので、今回は平らにする目的でレーキをつけ均しながらの耕運です。


今回は、比較のため残り半分は、無投入で育ててみようと思います。

今までもやってきたことですが、比較実験しながら、実際にどうなったか検証して学んでいきます。

いいと思うことや、実際にやってみたらどうなんだろうと思うことをただ行うだけでは検証にならないため、
比較できるように比較実験区を作って栽培すると結果が検証しやすいものです。

今回の試みがどのような結果と学びをもたらしてくれるか楽しみです。

自給用の田んぼの場合、収量と味が一番大切になってきます。
お米は毎日食べるものですから、自給できると嬉しい作物です。

毎日食べるものなので、美味しいことと、一年分収穫できるかがポイントになってきます。
今からドキドキです。

実際に耕していたら、冬眠明けのカエルたちがいたので、残りの堆肥・クン炭無投入区の耕運は後日にすることにしました。
一度に耕したり、草を刈ると今までいた生き物が全滅しかねないので、移動できるように徐々に行うことを大切にしています。

また、堆肥を入れる場合、晴天の暑い日などに行うと、堆肥が乾いたり、紫外線で堆肥の生き物が死んでしまうので、曇った温かい日などダメージが少ない日を選びます。
そして、堆肥を撒いたら、すぐに浅く耕し土に馴染ませます。


堆肥を数日前から田畑に撒いてさらしておくと、乾燥や紫外線で堆肥の生き物が死滅や休眠に入ってしまったり、
雨で養分などが流れてしまったり残念になってしまうので、もったいないと思ってしまいます。



去年は水口にマコモを植えて、稲は植えずに、水を貯めて温めるための一時貯蓄プールでした。

昨年末に、レンゲとムギを播いておいたので、今は草生帯になっています。
ここは耕していないので、去年のままで、いわばビオトープ(生物生息空間)になっています。

去年は、余った苗をそのままにしておいたら、立派な穂を垂らしてくれたので、今年は不耕起区として稲を植えて育ててみようと思います。

というわけで、今年は不耕起区、完熟堆肥&クン炭すき込み区、完熟堆肥&クン炭無投入区の3区画を比較しながら、田んぼとイネに教わってみようと思います。
収量だけでなく、食味や生育状態が今から想像とどう違うのか、楽しみです。
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Azumino自給農スクール4月(不耕起コース開始~)レタスの定植

2014-04-15 02:14:42 | 自然菜園スクール
本日、


いよいよAzumino自給農スクール、不耕起コース開始しました。

自然菜園では、野菜が自然に育つ場を整えます。
その結果として、耕す必要がなくなってきます。いわゆる不耕起栽培になっていきます。


というより、耕す暇もなく次々に野菜をリレーで育てることで、野菜や草、そして土の生き物たちによって自然と耕されていくので、
耕す必要がなくてもどんどん野菜が自然に育つようになります。


私自身は、「不耕起」という言葉よりも、その様子から「自然耕」といった方がしっくりきていますが、
「不耕起」という響きにも、魅力は感じます。

実際に、不耕起栽培をはじめると、色々な困難に遭遇していきます。
耕すことは画期的な農法でした。

土を耕すことで、作物を優先的に育てることができ、土が柔らかくなり酸素が供給されることにより、作物の生長も促進されました。
現在の農業技術は、ほぼ耕す農法を前提にしていることもあり、耕さず野菜を育てることに関しての研究・技術体系はまだ始まったばかりです。

自然農・自然農法で不耕起栽培を始めるとどうしても耕してきたやり方の延長で考え、比較し、壁にぶつかりがちなります。
菜園教室の卒業生の多くも、ぶつかる壁でした。

私自身はじめから不耕起で野菜を育て、十数年耕さず菜園を行ってきたので、耕さないことの方が慣れています。
また、最近数年は耕すことも行い、不耕起と耕起の違いや共通点から多くのことを学びました。

そこで、今年から当スクールで不耕起コース新設に踏み込みました。
全く新しい菜園教室の誕生です。

まだまだ確立していない試行錯誤中ではありますが、新たな切り口から野菜を自然に育てることをお伝えできればと思います。


このような配置で、キャベツ類やレタスを耕さない大地に植えていこうと思います。




赤レタスの苗です。双葉があり、根が白く、本葉5~6枚までのいわゆる若苗です。

不耕起栽培では、双葉が枯れ落ち、根が茶色く巻いてしまっている老化苗ではダメージが大きすぎて不適合です。

若い苗の方が、耕さない大地にも新たな根を張り、すぐに対応できます。




不耕起栽培の場合、こうすれば絶対に良いといったやり方はありません。
その場その場に合わせて、臨機応変にその場に合ったやり方を行います。


今回は、去年の枯れた草マルチを手で植える場所だけどかし、土の構造を壊さないように穴をあけました。


レタス苗を植える前に、穴にポットごと埋めてみて、深さを調整します。




レタスが新たな大地に根をすぐに伸ばせるように、極丁寧に土とフィットするように土に埋めてあげます。


そして、レタスを植えたのち補います。

補いとは、野菜が自然に素直に育つために、米ぬかや油かすやそれらを発酵させて作ったボカシを草マルチの上から施すことです。

補い=肥料と思われがちですが、実際には野菜だけに栄養を届けたいのであれば肥料ですが、

土の生き物のエサになったりし結果として野菜も、草もその恩恵にあずかれる施しなので、補いとは肥料だけを目的に行っているわけではありません。

自然に野菜が育つ背景には、いろいろな生き物が持ちつもたれずの関係のバランスの上に成り立っています。
補うことで、生物の活性化、草が伸びることで草マルチができ、野菜が自然に育っていくといった感じです。

その場その場に合わせて、野菜を育てながら、大地も潤う、そしてどんどん野菜も自然に育つようになるそのために必要に応じて補っていきます。


植え終わったレタスです。

あたかもそこに種を下ろし、自然に生えていたように植えることができたら、本懐です。

周囲の補いも今年のレタスを考えると多少多い感じにしました。

というのも、まだまだ土の生き物が少なく、余裕がない自然菜園2年目の菜園ですから、今後につながる投資的な意味も含めて気持ち多めです。

自然菜園2年目は、去年の畝立てしたばかりの頃(耕起)と異なり、不耕起1年目ですので、まだまだ生き物や草のバランスがとれていませんし、
草マルチの層も1年重ねただけですので、腐植や団粒構造もまだまだ未熟で壊れやすい年です。

そこで、気持ち多めの補いをレタスの周辺に撒いて補うことで、周囲の生き物や草も豊かになり、半年後の秋にはより野菜が育ちやすい場になるきっかけになってくればという気持ちです。

自然菜園では、まだ野菜が自然に育つ場になっていない2年目~3年目は、今後の自然菜園が軌道に乗るように、最低限のお世話が必要になってきます。
その野菜だけで育つために何をするかではなく、来年以降いっそう自然に育つためには、何をしたらいいのか、何をしない方がいいのか問われます。

数年先には、補いをせずとも育つ菜園にするのか、毎年補っていかなければ育たない菜園にするのかお世話次第です。

不耕起を通じて、より自然に育てることについて一緒に勉強していきたいと思います。

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みんなで育てたお米で、お酒を造ってもらっています。

2014-04-12 04:56:12 | 自然菜園スクール
本日、の予報。


先日、塩尻にある酒蔵「笑亀酒造」さんに、持ち込んだお米でお酒の仕込み見学・体験に行ってきました。

Azumino自給農スクールの自然稲作コースでは、亀の尾という昔のお米も育てており、これを蔵に持ち込み毎年純米酒を醸していただいております。
今年も去年みんなで育てたお米を持ち込ませていただき、お酒になる過程を見学に行ってきました。

行くと、蔵の奥でまさに麹造りを行っている最終でした。
日本酒は、お米由来の酵母と麹のダブル発酵でできるお酒なので、世界でまれにみる造りになっております。

お米のでんぷんを麹菌が食べて糖を製造し、そのできた糖を酵母が食べてアルコールができる仕組みです。




うちのお酒は、30㎏のお米を持ち込み、3回に分けて投入され、30升のお酒になります。

今回は、2回目のお米の投入の日の体験見学でした。

特注用の小さなタンクの中には、水と酵母と麹とお米が投入され、とてもよい香りに包まれていました。






早速できたての麹を投入させていただき、見よう見まねで櫂で撹拌してみました。

撹拌することで、一層香りが起ち幸せになります。




大きなセイロで、今日仕込む分のお米を一気に蒸していきます。

この大きなセイロの中に、うちらのお米も入っており、蒸し米ができます。

手のひらに乗せると、右が通常の酒米の蒸し米「美山錦」に比べ、
左の粒が大きい方が、うちらのお米「亀の尾」と持ち込まれたお米の違いがよくわかります。

美山錦の方が、より磨かれたお米で、食べてみるとあっさりしており、
うちのお米の方が、精米度合いが低く、甘味が強い感じがしました。




蒸し米が適度に冷ましてから、先ほどの麹を入れた樽に水を加えた先に投入します。


スタッフさんの撹拌を参考に、


再び、みんなで櫂を入れていきます。

下から湧き上がるように自然にかき混ぜるのが理想なのですが、プロのようにはなかなかいきません。
明日、最後のお米の投入をし、1カ月ほど蔵で発酵させることで、日本酒が出来上がっていきます。

酵母も麹もかけ米もお米。ほとんどがお米と水でできる日本酒の工程を実際に体験でき感無量でした。

このお酒は販売できず、育てたみんなで有料配布をしております。
自分たちの育てたお米で、地元の蔵に特注し、体験しながら自分たちも参加しながらオリジナルの日本酒を造っていただく、贅沢なお酒です。

帰りにみんなでお酒を搾った際に出る酒かすや、お酒を購入しました。
今年はどんなお酒になるのか今から楽しみです。


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Azumino自給農スクール4月 自然稲作コース(育苗つづき)

2014-04-10 06:27:01 | 自然菜園スクール
本日、

今日は最高気温20℃の予報。最低気温が1℃なので、その差は19℃。身体に応えますね。


芽出しをし、水を切って播きやすくするところまでが前回のブログでした。




スクールでは、色々な事を学んでほしく、苗箱に植える方法や、
土の選び方、混ぜ方を行いました。






一般的な育苗土では、肥料養分が濃いので、今回は、無肥料培土とクン炭を2割ほど混ぜてから、苗箱に平らに土入れします。


その後、種を播くために、余分な土をかき出します。








苗箱に乾燥重で75gになるように、均一に種を播いていきます。




その後、土が乾く前に覆土し鎮圧していきます。






今度は、ポット苗用に播種機を使って一つの穴に4~5粒入るように種を播種します。



一応、すべて入っているかチェックし、足りない場所に種まきしていきます。


品種ごとに、水をたっぷりあげて


重ねていきます。

こうして、準備を整えてから芽が出る前に並べます。




全員で、田んぼに行き、米ぬか撒きも行いました。

寒冷地では、ワラが未分解で残っていると、コナギなどの発生につながりますので、米ぬかを足して耕しておき、水を入れる前にしっかり土と馴染ませておくことが無農薬栽培ではとても大切になるからです。

お米は手をかけたほど、素直に育ってくれるものですから、最低限の手入れは欠かせません。
自然にお米が素直に育つために、何をして何をしないかを体験を通じて学ぶことがこのコースの目的です。

今年も無事播種が終わり、これからイネが健やかに育ってくれるよう、心がけたいと思います。
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Azumino自給農スクール4月(自然稲作コース開始~)温湯消毒と塩水選

2014-04-07 12:45:05 | 自然菜園スクール
本日、


昨日、小さなハウスに、Azumino自給農スクールの自然稲作コース・自給農フルコース受講生が集まりました。

このコースでは、自給自足に欠かせないお米(イネ)をはじめ、コムギ・ダイズ・ソバ・雑穀を体験学習します。
また、本科生は、できたお米を分配するので、自分たちで育てたお米をいただくこともできます。

酒米も育て、地元の酒蔵にお酒にしてもらい、育てたもち米はみんなでお餅をついてお正月に備えます。


このコースでは、無農薬・無化学肥料でお米を育てる基本から応用まで学んでいきます。

まずは「温湯消毒」から始めました。

最初は、種もみが常温なのでちょっと高めの65~70℃のお湯に、お米の種モミをじゃぶジャブ浸し、




ちょうど60℃になるよう、途中差し湯をしながらちょうど10分間「温湯消毒」します。

こうすることで、いもち病など、種子による病気の感染を事前に防ぐことができます。
昔ながらの知恵ですね。




10分間よりも行うと、タンパク質が変形してしまうので、10分後すぐに冷水で、水を変えながら常温に冷まします。

そして、よく水を切っておきます。






そして、お鍋に、塩を溶かし生卵が浮く位に濃い塩水を準備します。


通常の水では、生卵は沈みます。

濃い塩水を用意することで、お米の種モミの中で、比重の重い種もみ以外を浮かすことができるようになります。

「塩水選」とは、濃い塩水で、よりしっかりした種もみを選ぶ方法です。


専用の比重計を使うと、一層正確な濃度の塩水を作れます。

ただの水を0とすると、
ウルチ米1.13 モチ米1.10位にするのが標準的です。

苗箱などで育苗する場合は、限られた土と特殊な環境で育てるので、それ自体が不自然なことなので、
「温湯消毒」や、「塩水選」など、イネが平均して育つように手をかけてあげます。




「塩水選」で浮いた種もみは除きます。


「塩水選」も早めに行い、塩水が浸水しないようにし、できるだけ早く真水で洗い、塩水を流します。




あとは、8~10℃の真水で10~12日間程度浸水し、芽出しを待ちます。

容器で、浸水する場合は、毎日水を新鮮なものに変えます。


浸水して芽出しを行った十日間たった種モミは、播種日によく水を切って、種を播きやすくした後、乾きすぎないように新聞で待機します。

お米は八十八と書きますが、八十八の手がかかるともいわれます。
つまり、手をかけてあげることで、生育が揃い、収穫が安定するためです。

当スクールでは、自給できる、持続可能な農を学ぶ場ですので、地域や人柄によってさまざまな方法があると思っております。
そのため、基本的な共通することを中心に学び、各自でより自然に育てることができるように、体験を通じて学びあっていきます。

今年も無事、イネの育苗が始まりました。
いつもよりも一回り小さい育苗ハウスなので、全く新しい気持ちで行っております。

人と作物と草や虫たちが共存できる農や家族は幸せの原点かと感じております。

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田んぼの春起こし(その一)米ぬかを補う

2014-04-04 05:44:06 | 自然菜園の技術 応用
本日、

移ろいやすい春の恵みのお湿りです。


雨が降る前に行いたいことの一つに、田んぼの「春起こし」があります。

そもそも、起こす(耕す)必要があるのか?ということが出発点にあります。
自然菜園同様、起こす必要がなければ、起こしません。

耕す田んぼ、耕さない田んぼを実験してきたり、見聞を広めた結果、その田んぼに育つお米に合わせてみた方がいいようです。

田んぼによっては、お米が育つには厳しすぎる環境であれば、手を入れてお米が自然に育つように最低限のお世話が必要です。

例えば、今まで休耕田で水が張れない田んぼや、平らでなくなってしまっている田んぼは一度起こして整地した方が後々育てやすくなるでしょう。
また、水がたまりやすく、多年草の田の草が生えていて、一度耕していっそうしないとお米が草負けしてしまう場合や、

寒冷地や標高が高く夏が短く日照時間が短いなどのように、お米を育てる期間が短い、条件が悪い場合も耕した方が生育が早く、未熟な実(しいな)が少なくなるでしょう。

また、新天地や田舎暮らしをはじめたばかりの場合も、いきなり不耕起で田んぼを行うと、奇人変人だと思われてあらぬ誤解を招く場合も多々あります。

いずれにせよ、起こせば問題がすぐに解決するものではないのですが、やみくもに不耕起を行いお米も育たず、自給もままならず、近所づきあいもおかしくなるケースが多いことからも無理はよくないと思います。


この田んぼは、粘土が強く、湿地の強力な田の草が生えやすい環境なので、草が生えにくくなる工夫として、
秋の稲刈りの後、すぐに切り株を刈り払い、管理機で鋤耕しました。

つまり、冬に入る前に、小さな畝を立てて、粘土が乾燥し、ワラなど有機物が冬の間に分解しやすくしておきました。




その結果、粘土細工でもできそうだった去年までの重く練ったような田んぼの粘土質が、半年の冬の風化で一握りで粉々になるまでになりました。

このようになれば、コナギなど湿地の田の草が生えにくくなり、お米はしっかり根を張ることができる基礎ができ、自然にお米が育ちやすい基礎ができます。

草が大量に生える環境にして、お米が育たないのはごく自然なことですから、
水稲栽培の技術不足は、田んぼの野良仕事(管理)で、補っていきます。


現在、長野は梅の開花はまだで、蕾が膨らんできました。

梅の開花は春の訪れを教えてくれます。


今回は、4畝(4a=400㎡)の田んぼに、約100kgの米ぬかを撒きました。

というのは、一つは昨年はダイズ畑から一転して田んぼにしたので、育ちが良かった分、今年は継続2年目で今年から本格的に地力をつける必要が数年あるからです。
そのため、今年はちょっと多めになっております。

米ぬかを補うのは、お米由来ということもあります。
米ぬかを補うと、微生物のエサになりワラなどの分解を早め、しかもお米が美味しくなるのが嬉しいです。

毎年、必ず投入するものではなく、必要に合わせて量もタイミングも考えて行うと、
基礎力(地力)がつくと徐々に入れる量が年々減らして行った方が無難です。




小さな自給用の田んぼなどで、管理機を上手に使って、トラクターでできない仕事をします。

馬や牛でもいいのですが、鋤耕といって、土寄せ用のアタッチメントの羽を取ったもので、土を起こしていきます。

昨年の秋起こしと直角になるように、起こすことで、切り株やワラと土に空気が入り、分解を促進してくれます。

ワラが未熟で水を張ってしまうと、コナギなど田の草が元気になり、イネが草負けしやすくなるので、秋と春起こしが寒く分解の遅い長野県の場合とても効果的です。


春起こしが無事、雨が降る前に終わりました。

田んぼに雨が降るとぬかってしまい、起こすことができにくくなり、土も酸素を失いワラの分解が遅くなります。
晴れ間にやってしまいたい野良仕事です。


水を引き入れる場所は、不耕起にしています。

不耕起とは耕さないことではなく、耕す必要がない、もっといえば草や虫などによって耕されていく仕組みを育てることです。

今、レンゲやムギ、マコモが育っており、今回米ぬかを補っておき様子見です。

元々、水を温めてから田んぼに水が行くように作った場所ですが、余ったイネを植えてもよく育ったので、今年から不耕起でお米を育ててみようと思います。

田んぼが重粘土なので、元々乾きにくい場所なので、乾きやすい不耕起に合っているのでは?と思っております。

全部不耕起にすることよりも、実験的に不耕起区も作ってみて、よければ拡大していくことの方が無難です。


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アスパラの植え付け(3年目の自然菜園の挑戦)

2014-04-03 22:47:17 | 日々の自然菜園
本日、
春うららかな温かい日が続きます。
明日から天気が崩れるようなので、久々にアスパラを植えてみました。




アスパラは、種から育てると3年ほどかかるため、一般的には数年育てた根が市販されています。

アスパラは多年草なので、一度植えると5~10年ほど収穫ができる野菜です。
自然菜園を3年前に始めた時には、あまりに痩せて粘土が強い土でしたので、アスパラを植えることがきませんでした。

アスパラは、地中海から来た新芽を食べる宿根草なので、
とても肥沃で、pH6以上が育てやすく、スギナばかり生えてくる痩せた根ぐされしやすい粘土の土では、育てにくい。
と判断し、今まで緑肥作物や草マルチで様子を観てきました。




ハコベ

イヌフグリ

3年土を育ててきたら、今年の春からようやくハコベ、イヌフグリが生えてきてpH6.0~6.5程度になり肥沃になってきたので、今年こそアスパラを育てようと思いました。




土を掘ってみると、土の上の層が、黒く腐植が多くなっていました。

スギナばかりの生えていた3年前は、赤い粘土で、乾くと塊になっていまいヒビが割れるほどでした。

現在は、土の上層は、ハコベなどの根が耕してくれており、団粒化も目で確認でき、しっとりとしています。

その下の土の層もかつての土に似ていますが、しっとりとしている点が異なります。

緑肥作物→堆肥+耕す→緑肥作物→堆肥+耕す→ネギ苗を育ててきた3年でずいぶん変わりました。
最初に投入したライ麦は50cm程度しか育たず、スギナだらけだった頃が懐かしいです。


アスパラを植える場所の草をのこぎり鎌で丸く刈ったのち、
スコップで、穴を掘り、掘った土は塊のまま箕に入れておきます。




踏みこみ温床後の床土を熟成させた土ボカシ(養分を多く含むが、種を播いてもちゃんと発芽する土)を投入し、元の土と混ぜ合わせます。

アスパラの根は深く張るため、まだ痩せた深部の土だけではアスパラが育ちにくいと判断したため、もみ殻を多く含む土ボカシを導入することで、根を張りやすくなるようテコ入れしました。


混ぜた土を富士山型に盛って、その上にカツラを乗せるように、アスパラの根をなるべく自然に広げます。


掘った土と土ボカシを半々に混ぜ、アスパラが10~15cm程度埋まるように土を覆土し、


盛り上がった土を鎮圧します。

今回は、粘土が強い土質なので、雨で病気にかかりにくくするため、畝の上にまたアスパラの丘ができたような感じに仕上がっています。
水はけをよくしたかったからです。




最初に刈ったその場の草をアスパラ植え付け場所に戻しながら草マルチします。


畝の上に5か所の盛り上がりができました。

今回は株間を80cmと広めにとり、間にミニトマトなど混植しようと思っております。

昔、師匠の畑で収穫し食べさせていただいた自然農法の細身のアスパラを目指します。
風味豊かな初めて食べる本物のアスパラの味が今から楽しみです。
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野沢菜の自家採種準備(ヒヨコ2羽孵る)

2014-04-01 22:47:14 | 自家採種
本日、




本日、無事2羽のウコッケイの血をひくが生まれました。

真黒で、かわいいたち、これからお母さんにいろいろ教わって立派な親鶏になってほしいものです。


さて、Azumino自給農スクールの畑の一角に、去年生育が良かった野沢菜を残しておきました。




カブから新芽が吹いてその先に、菜の花のつぼみがありました。

このままにしておくと、花が咲いてしまい、周囲の他のアブラナ科と交雑してしまいます。

最近では、日本各地で遺伝子組み換え(GM)の雑種が花を咲かせているそうなので、
一層注意深く自家採種しないと、GM汚染被害者になり、今度は加害者になってしまいます。


そこで、最近アブラナ科では、目の細かい寒冷紗を使い、部分隔離しながら自家採種するようにしています。

虫が入らなくても、隣の花と触れ合うことで、自然に結実して種子を宿してくれます。

アブラナ科どうしは交雑しやすく、カブ、ハクサイ、コマツナ、ミズナどうし混ざってしまいます。

ダイコン類(ハツカダイコン、ダイコン)、キャベツ類(キャベツ、ケール、ブロッコリー、カリフラワー)、カラシナ類(タカナ、カラシナ、ワサビ菜)は、同系どうしで交雑するので、ダイコンとカブは混ざらないので、同じ寒冷紗の中で同時に種採りができますよ。
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